2010-10-30

finalventの日記「毎日新聞社説 社説:小6自殺 少女の死が問うもの」について

 下記は、finalventさんの日記で昨日取り上げられた、毎日新聞社説へのコメントを含めたエントリーでした。これが、突然削除されたのです。それが何故ここにあるか?該当ページを見たあと、そのページをタブに放置したままだったのでここにコピペした次第です。削除された理由は、「人がネガティブに思うような話をさして書きたいわけでもないので。」(参照)という理由だそうです。
 私は、彼のこの記事に付されたコメントをネガティブに受け止めるどころか、体験された話として貴重だと思うし、今、いじめの渦中の両者や教師に是非読んでもらえたらと思うので、こちらに転載させていただきます。

➠毎日新聞社説 社説:小6自殺 少女の死が問うもの

 オレはさ、小学校五年生のときのグループ自由研究で、自分で選んだ課題が「労働基本法」だったんだんだよね。そして、グループといってもオレひとりさ。別にかまわないと思った。小学校四年まではまあいじめられっこの部類だったけど、なぜかそのころ知能に変化があって成績が急に上がった(自分でも頭がよくなっていくのが不思議だった)。まあ、それでクラスのトップとかになれば普通にいじめられはなくなるのだけど、孤立した。それと以前も書いたけど、ひ弱な割に狂気みたいのもあってその一線を越えてきたら殺すからねと思っていた。今思うとどっかに武家の気概みたいなものがあったのかもしれない。よくわからん。ほいで、自由研究なんだが、グループでやりなさいということで、何が起こったか。他のいじめられっ子たちがオレに押しつけられた。 簡単にいうと、デブ2人とチビ1人とマヌケ(というかね)2人だったか。オレがリーダーで模造紙に労働基法成立までのまとめを書いて、プレゼン用にいじめられっこの台詞まで書いた。小学校五年生の時だった。そのあとも先生は味をしめて、このグループを押しつけてきた。ほいで、オレはさもリーダーだったか? 違うね、さらにそのなかで孤立していたよ。そんなもんさ。小学校は最低だった。多数の女の子の家にはピアノがあった時代。クソプチブルな子供はくそプチブルでしかない。でも中学校に入ったら別の学区には貧困でもハッピーなやつがたんといて、オレはさっさとそっちの仲間に入って、プロレスごっこをした。科学とかも楽しかった。社会というのはそんなふうに出来ているのかと思った。

 子供は社会の鏡というが、子供のいじめや自殺は社会の病理を映す。そう心に強く銘じて取り組みたい。(社説引用)

そのとおり。でも、それを傍観者で見ている者にも、正義面してバッシング対象をネットで探しているやつらなんかにも、わからないだろうと思うよ。

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 首を突っ込んだついでにちょっと。
 この記事が削除されるに至ったこともネットではありがちですが、嫌な気分になる元であり、このようなことがなくなるのを望むという意味で触れておきます。ついでに言うと、ネットでもこのような人同士が束になると、徒党を組んだいじめ集団になります。そして、このような誹謗中傷に傷ついて自殺した若い女性達もいます。以下は、私が黙ってはいられない、Mahalという人物がTweetしたことです。

"いじめ案件を肴にガキ時代の自分語りってのも、下は2ちゃん増田から上はアルファブロガーに至る定番で、それ自体がいじめ解決に両生動物のクソほども役に立つものではないが、読み耽りたく引力はあるよな、と。 http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20101029/1288312313 By Mahal

 これをTwitterで察知したfinalventさんが、「人がネガティブに思うような話をさして書きたいわけでもないので。」と言ってエントリーを削除したのです。
 この後この人物は、「別に役に立つエントリ書けとか役に立たないもの書くななんて意図はこれっぽっちも無いのだけど。」(参照)と弁解していますが、これほどのことを書いておきながら「意図はなかった」とはね。呆れたおこちゃま。ですが、やっていることは卑劣で陰湿です。こういうのがネット環境ではうじゃうじゃいるのです。これは、まだ程度が良い方かもしれません。「Mahal」という文字に怒っても仕方がないことですし、finalventさんがこれ以上を望むものでもないと思うのでこのへんで止めておきます。
 蛇足ですが、以下は、私の娘が保育園で体験したいじめの問題です。いい機会なので書いておこうと思います。

***    

 娘が保育園の頃の出来事です。遠足という特別の日でした。いつもの時間に迎えに行き、遠足での様子を聞きながら家に向かっていると、お弁当はあまり食べられなかったと言うのです。帰宅してそのお弁当を見ると、ほとんど残しているのです。これはおかしいと思い理由を聞くと、一緒に食べていた友達にお弁当に入っていたプルーンが欲しいと言われて断ったら、一緒に食べていた数名の子達が全員、いつの間にかいなくなってしまったと言うのです。そこでお弁当が食べられなくなって残したという話でした。当時の年齢では、それをいじめらとは受け取っていないこともあり、娘は状況をつかめていないこともあり、わけが分らないのです。読めないのです。ただ、母親の直感として、楽しみなお弁当が食べられなくなるような出来事があったというのは、軽いことではないということでした。
 その直後に保育園の担任に娘から聞いた状況を話し、変わった様子はなかった尋ねると、娘はいつも明るく元気が良いので・・・、と的が外れている。普段元気の良い子がこうしてお弁当も食べられなくなっている、とこちらは話しているのですが。聞いていることがなかなか伝わらない。話は平行線。ところが翌日、娘と仲のよい子の母親が、遠足から帰宅して元気がないというのです。話を聞くと、うちの娘が可愛そうだったと言って泣いているというのです。
 話は、娘にプルーンが欲しいと言ってきた子が断られたため、その時一緒に食べていた数名を誘って娘だけを残して立ち去ったという話でした。で、普段仲の良いその子は後悔し、元気がなかったという話でした。そこで、担任に通報したそうです。
 翌日、関係した子どもの親が呼ばれて担任と話し合ったそうです。ことは保育園での幼い子ども達の間に起こった些細なことなのですが、今世間でいう「いじめ」とは、このようなことと同じです。もっと年齢が上の子供達ともなると、まず、親が気づかないので厄介です。子どもも学校でいじめられているなどと言えないものです。言っていじめられなくなるとは、子どもは思わないものです。結局、いじめに会う子は弱虫というレッテルを貼られてしまい、孤立に追い込んでしまうのです。
 一言言うと、学校で起きている問題は、学校の教師の問題として取り組むべきことです。ただ、問題解決に当たって、当然、当事者である親の問題にもすべきなのですが、これが出来ない教師が多いのです。担任の指導力不足に尽きます。そういうクラスは、ある意味で学級崩壊しているものです。「いじめは許さない」とはっきり言えないどころか、手に負えない子どもを放置することもあります。どう指導したらよいか分らない人生経験の乏しい教師も多く、親の相談にどう対応したらよいか分らない教師も多いです。これからはこのようなことが増える世の中になることは間違いない、そう思っています。
 娘のプルーン事件では、相手の親は謝罪に来たのですが、当の本人は全く謝る気がなく、変だと思ったらやはり問題が山積みの家庭でした。また、母親は地元の名士の娘さんで、世間体ばかり気にする家庭でした。担任が打ち明けてくれた話によると、保育園でその子が何かをやらかして親に話をすると、翌日は、もっと酷く荒れるというのです。娘のプルーンの件でも、話し合いの翌日、その子供さんが手におえなくなるほど乱暴になったとか。母親は、本人によく言って聞かせました、という人です。
 思うに、いじめをする子どもにはストレスがあり、その元が家庭にあるということが当の親が分っていないという、なんとも気の毒な話しです。実態を知ると、子どもを受け止めるどころか、叱責してさらに追い込む始末です。で、その親も、子どもを受け止めるどころか、自分が問題を抱えているため、子どもどころじゃないという状況なのだと思います。これは、今に始まったことではないけど、昔ほど我慢強い人も少ない。昔はこれに貧乏というのが重なって、子どもの力じゃどうにもならないことまでがいじめの対象になったのです。
 ゲゲゲの女房の長女がいじめにあっていましたが、自分の見方になってくれた最初の人はお祖母ちゃんでした。この存在に勇気付けてもらい、一人じゃないという安心から少しずつ気持ちが解れて行く様子が分りましたが、あれも親は後回しでした。親には心配掛けたくないという気持ちが働いたり、私のように親に反感を持っていたりすると、親に助けてもらいたいとも思わないのです。だから我慢強く、自分で何とか守るのです。
 いじめの対象になった人の話や、いじめを経験した人の話というのは無駄じゃないのです。いろいろなケースがあるということを知って、時には手引きになるものです。
 また、いじめられる側は守られるべきですが、する側の問題は深刻なことが多く、そのことに早く気づかれると良いと、そう願っています。

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コメント

 はじめまして。とてもよいエントリーを拝見できました。ありがとうございます。
 こういった文章を気軽に目に出来るのは、インターネットならではなのかなと思います。

 僕も貴重なエントリーを削除に追い込むような、集団(を装った)攻撃はみていてがっかりします。が、そういった意見を発信できるのもまたインターネットなのだと思っています。

 ところで、なぜインターネットで発信がされるのかと考えると、やはり根源的には、読んでもらいたいからなのだと思います。そして、他人を攻撃する文章というのが「読みたくなる引力」を容易に作ることが出来ると思っています。

 つまり、Mahal氏はブーメランを放っているのでは無いでしょうか。自分自身攻撃的な文章を発信して、他人のエントリーを目立つための常套手段だと言ったわけですから。

 インターネットが、読んでほしいと思う人間が集まる場で、攻撃的なものは目を引き、それを匿名で行える場である以上、こういう人は増える一方だと思います。だからこそ、こういった行為に警鐘を鳴らせる人間のエントリーを貴重だと思います。

長文失礼しました。
 

投稿: lain65 | 2010-10-30 11:07

lain65 さん、こんにちは。
 「読んでもらい」から発信するというのはそう思いますが、注目を集めるための手段とはいえ、気の毒な人達です。書くからには読んでもらいというのはありますが、私にも。でも、誰にも読まれなくても書くということもあります。私は後者なので、人の注目集めを、そうかどうか疑ったこともありませんでした。性格異常者か、ひねくれ者の行為かと思っていました。

そうか、そういうことかもしれませんね。
コメントありがとう。

投稿: ゴッドマー | 2010-10-30 11:21

私は弱い子を守るガキ大将でしたが。
いじめは一度もしたことありません。
中学で初めて大勢にナイフで脅され喧嘩に負けました。
今のいじめは大勢でいじめる狡猾なものです。

民主主義の醜い部分を削ぎ落とさないままの教育が自分だけ良ければという
個人主義を育てた日本の教育がいけないと思います。
昔のように子供の時だけは先生が賢明な級長を選ぶようにしなければならないと思います。

投稿: 太郎 | 2010-10-30 14:58

太郎さん、昔のようなバランスは現在の子ども社会ではなくなりつつあるようですね。虐める奴もいれば救う者もいるというような。石ころが転がるように、子ども時代にもまれてこなかったというのもあると思います。
残念ですが、子ども達の方が可愛そうです。

投稿: ゴッドマー | 2010-10-30 16:30

こんにちは。東京在住 小5の息子をもつ母です。
小6自殺事件に怒り心頭していたところ、こちらにたどり着きました。

警鐘を鳴らしてくれて、ありがとうございます。

はっきりとものを言わない、注意をしない、見てみぬふりをする先生が多く、
というか、ほとんどで。現在行っている小学校は、とても良くない状況があります。
自殺者がでるようないじめがないのが、幸いではありますが。。。
他周辺の学校は、結構あれています。

モンスターペアレンツと呼ばれるわけの分からない存在もいるかもしれませんが、
先生方には、教育者として、毅然と立ち向かっていただきたいと考えています。

また、親も毅然と立ち向かっていただきたい。

私はそんな社会絶対許せません。

最後に、おいしそうなレシピありがとうございます。
私も参考にさせてもらいます。

投稿: 奥迫麻衣子 | 2011-03-02 12:43

奥迫麻衣子さん、怒りもありますが、大人が揉めている間にも子ども達にはいろいろなことが起こっていますので、反目している場合じゃないですね。

子どもを見守る大人同士として対話できる関係が大事だと思います。

社会問題も取り上げていますが、元々は料理のブログなのです。気づいていただいて嬉しかった。

投稿: ゴッドマー | 2011-03-02 15:46

そうですね。まずは子供達を見ていこうと思います。
血の気が多いもので。失礼しました;

投稿: 奥迫麻衣子 | 2011-03-02 21:33

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