2010-09-22

極東ブログ「興興(コウコウ)の憂い」にこたえるなら

 現在、二つの事柄が中国では問題になっているようです。
 タイトルの興興(コウコウ)とは、今月9日神戸の動物園で亡くなった雄のパンダの名前です。このことは、日本人なら大半の人が知っていることだと思います。これが一点。そして、尖閣諸島での中国船と日本の巡視船が接触事故を起し、中国船の船長が日本で拘束されているこの二件に関して、中国の猛烈な非難と抗議が日に日にエスカレートしているということは昨日も触れました(参照)。さて、興興の死と船の衝突事件と、一体何が関係あるというの?というのが日本の普通の市民の持つ疑問。中国では、日本でパンダが殺されたというデマがネット上で飛んでいるそうです。それが、日本以外の主要国の新聞に堂々と報じられているそうです。

 中国民衆の怒りも爆発したかに見えた。デモの光景が日本のメディアに伝えられた。が、私の知る限りではあるが、なぜか日本のメディアに伝えられなかったことがある。あの悲劇の興興との関連である。興興が中国に反感をもつ日本人によって殺されたというのだ。ネットの噂らしい。
 そんなものメディアで報道することじゃないし、日本人は知らなくてもよいということかもしれないが、国際的には報道されていた。20日付けワシントンポスト「Boat collision sparks anger, breakdown in China-Japan talks」(参照)はこう伝えている。
17日付けテレグラフ「Tensions between China and Japan rise over disputed gas field」(参照)も珍妙に報道していた。
フィナンシャル・タイムズはこの問題を社説で論じていた。17日付け「Bye bye, Kou Kou」(参照)である。国際的な高級紙らしく冒頭が格調高い。

 三紙が並べば充分というものです。ここで何が言いたいかですが、中国というお国柄を理解することが大事だと言いたいのです。そう言う私が、実は中国はおかしいと思うのです。だから、私がおかしいのです。事の良し悪しはどちらの尺度も当てはまらないということを前提で、ここから話を進めます。まず、船の衝突事件のことからです。
 私は、この尖閣諸島沖での事故の件で、日本の政府が間違った措置をとっているなどとは思っていません。それどころが、中国のわけの分らない抗議や反発によって、民間レベルの友好的な催事の中止などと混同することなく、できれば事を難しくしないで穏便に運べないだろうかと願っています。
 ところが、「国交相、中国副局長の表敬を辞退 APEC観光相会合で」(47ニュース)という情報を見て驚いたのです。仙谷官房長官が日中に自制を呼びかけたばかりだというのに、うちの馬鹿な馬淵さん何考えてんの!と、ちと怒りを感じたのです。いえ、その理由が、例えば、身の危険を感じるような暴動が現地で起きているなどという死活問題でもあるというのなら分りますが、「諸般の事情だ。外交ルートでさまざまな対応を政府全体でしており、国交省として判断した」と、言うのです。これじゃわけが分りません。極東ブログで予言(笑)のあった馬渕国交相は、私も「ほう」と思ったので取り上げました(参照)が、極東ブログの言葉を借りると「そこは菅内閣である。耐えた。」という体裁を作らないと駄目なのですよ。馬淵さん流にやっちゃ。
 こうして日本の政府に何が漂っているかが透けて見えてくると、私の不安は益々募りました。中国と穏便に話を進める気が、この政府にはあるのかよ!と言いたくなりました。不安なくせに下品極まりない言葉が口をつくのは、理性的な思考回路など望めたものではありません。が、フィナンシャル・タイムズが指摘している陰謀論好きの中国という国に、日本は、まんまと乗せられているような気がしてきたのです。そして、この件と前後してパンダの報道を知り、日本政府は中国に対してどう対処するつもりなのか、といろいろ考えていました。

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 昨夕、極東ブログの見解(参照)を知って、なんとなく眠れないまま考え事と夢の間にいた私が思っていたのは、「興興の憂い」も一転する予感がしたのです。不幸中の幸いとは言いたくないのですが、中国の要求で日本ができる最大のことを差し出すのはどうだろうか?と思いました。昨日は「裏取引でもない限り解決できないのではないか」と、思っていたことに「心」を添えるということです。

 とはいえ、日本政府としても日本人としても、興興の件については、最大級の誠意を見せるべきであろう。不当な死だからという賠償ではないとしても、それ以上の恩義をきちんとした金額で示したほうがよいのではないか。

 こういう友好的な気持ちを表すことは大切だと思ったのです。
 中国の要求する船長引渡しに関しては、「あいよ」と言うわけにもいかず、ここは、法治国家ですから日本の法律で解決するほか方法はないですが、興興の賠償は、日本は興興に希望や夢をもらったわけです。どれだけの人がパンダに癒され楽しませてもらったかをこの際、金銭と、それに友好の気持ちを添えて「弔う」のでよろしいのじゃないかと、そう思ったのです。尖閣諸島の問題や船長の話は、それからでも良いのではないでしょうか。
 さて、菅政府はどのようにこの問題を解決するのでしょうか。

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