2010-09-22

極東ブログ「前田恒彦・大阪地検特捜部検事逮捕」ではまだ問題を残すとしている

 前田恒彦検事の逮捕を知ったのは、早朝の真っ暗な時間に届いた新聞によってでした。「えっ!」と真夜中の玄関先で一人驚いて声するのも不気味だよなぁと、声を低くして、子犬の糞の始末をしてからゆっくり読みました。そして、「たった今、今日のエントリーを書き終えたばかりなのに」と、腹立たしく思ったのでした。続けて三本のエントリーをまとめて書く意欲はありませんでしたので、まあ、前代未聞のニュースだからと慌てて書くこともないかと思い直しました。が、どうも事件が良くつかめないのです。
 その後、朝のNHKニュースで何度も繰り返し聞いているうちに、国の司法に携わる大元で、このような事件がそんなに簡単にスピード逮捕できるのかな?しかも、村木厚子厚労省元局長の無罪が確定したばかりなのです。なんというタイミングのよさだろうかと思うと、変な疑念がわいてきたのです。その辺りの悶々が一気に吹っ飛ぶような内容が暴かれるのを期待して、不謹慎ながら極東ブログに思いを馳せていたのです。
 遅ればせながら、この事件は、村木厚子厚労相元局長の不正を取り調べた、検察の前田恒彦容疑者元検事が、改ざん行為による証拠隠滅の罪で逮捕されたのです。だったら、隠滅しようとした証拠と裏づけは何よ?というところですが、そこが釈然としないのです。極東ブログのエントリーで随分すっきり見えてきたのと、逆にはっきりしない点が浮き彫りになった形です(参照)。
 結果はというと、うーん、事件の鍵になっているFD(フロッピーディスク)の前後の事実関係と、前田恒彦容疑者の改ざん行為の文脈が読めないところが有って自分がもどかしかったです。が、最後の部分でやっと全体が繋がって見えてきました。ただ、事件の全容とまでは行かないので、ここでは途中経過として極東ブログの情報を含めて追っておきます。
 まず、担当主任検事は「上村被告によるFDデータの改ざんの有無を確認するために専用ソフトを使った」と説明したそうですが、大手セキュリティー管理会社によると、このソフトはデータを書き換える際に使われるもので、改ざんの有無をチェックする機能はないといっているそうです。しかも、前田恒彦容疑者の話では、該当ツールでデータの改ざんを確認していたと話しているので、そのツールがわからないと事実関係の確認が不十分だということになります。これが不明瞭な点です。
 そして、検察は、前田容疑者を故意犯とみているにもかかわらず、前田容疑者は過失を主張しているというのです。ここでとてもびっくりしたのは、前田容疑者元検事が逮捕されたということは、同じ職場である検察内の他の検事から事情聴取を受けたということです。言葉は汚いですが、共食いのようなものです。この状況下で「過失」とは信じがたい供述だと思ったのです。具体的には「遊んでいた」と表現しているそうですが。村木元局長のケースを同様に並べてみると、なんとなく不公正を感じます。村木さんは、自分の主張など聞いてくれなかったと言っていました。そして、もっと驚くのは、エントリー後半です

 どういうことなのだろうか?
 合理的な推論をするなら、前田被告も大阪地検もFDの日付改竄をさほど重視していなかったということだろう。実際バレバレのFDを村木被告にあっけらかんと返却にしている。
 別の言い方をすれば、公判を左右するような組織ぐるみの改竄工作というより、証拠管理のずさんさに適切に対応できていなかったというように見える。

 もしも、この推察が正しかったら、村木さんが本当にお気の毒で仕方ありません。そのような初歩的なミスで人の人生を変えてしまうことになるのです。裁判後の第一声で「無駄な時間を費やしてしまった。」と冷静に答えている姿が思い出されます。
 また、何とも残念なのは、解決していない上疑問点が残ることです。大阪地検が事態を知りながら立件までに時間がかかった点です。極東ブログでは、

 ただ、こうした構図から見直すと、疑問点は、大阪地検が事態を知りながらこの間、相応の対応をしていたのではないかというほうに移る。検察が追い詰められているように見えながら、それなりに今回の騒ぎはスケジュール的な展開なのではないか。

という含みを残しています。

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