極東ブログ「米人、小沢氏に答えるに、どうせ俺たちゃ単細胞生物」で思うこと
今朝、早々に「ワシントン・ポスト曰く「 We hope DPJ officials take a multicellular view as they consider their choice.」」というセンテンスが流れて(参照)、ああ、遂に来る!と、極東ブログのエントリーの予告篇のような気がしていました。意訳は「米国としては、日本民主党のみなさんが多細胞生物らしい視点をもって首相選択を考慮してくださることを望むものである。」とつけてもらっています(参照)。
この「多細胞生物」と言うのは既に承知の小沢氏のアメリカ人に対する失言のお返しなので、ワシントンポスト紙の言わんとする文脈も見えてきました。そして、これはたまたまだったのですが、先日亡くなった小室直樹氏(参照)と橋爪大三郎氏との「日本教講義」と題された「宗教的対話」という番組を今朝Netの動画(参照)で見て、この感化もあって、早く外国の意見が知りたくなっていたのです。この話は面白かったので、また、後日これに触れて書きたいと思いました。
一ヶ月も前の発言とはいえ、小沢さんがアメリカに向けて「単細胞生物」と言ったのは、大きなディスアドバンテージだというのを日本人は理解していないのではないかと思います。こんなことを会話で言われれば、その場で「That's non of your business.」と、その場で切られてしまうに匹敵する言葉です。率直に人を非難したのですから何よりも酷い言葉であることの証拠に、ワシントンポストが社説でそれに呼応したのです。話の腰を初っ端から折ってしまった小沢氏に、米紙も、冗談にもならないのが今回の社説かもしれないと思い、私も原文を辿って読んでみました。
ニューヨークタイムズも激しく態度を崩してしまっていますが、なにぶんにも、率直な本音のようなものがヒシと伝わってくる内容です。しかも、言い当てているようでもあります。
一昨日は、スキャンダルの話で日本のメディアの杜撰(ずさん)さを取り上げました。その時に、何故日本の政治家だけがこのように潰されてしまうのか?と、Newsweekの記者に問われました。そして、私は、それが何故なのかと考えていました。昨日は、そのヒントに資本主義国日本で生き残るためには手段は選んでいられないからではないかと、言及はしませんでしたが、そこでやや納得といった心境でした。そして、そのように問うNewsweek紙の記者に「では、何故に欧米ではスキャンダルで潰されないのか?」と聞いてみたいと思っていました。昨日、クリントン夫妻の愛娘チェルシーさんの結婚にまつわる政治という背景と、クリントン氏のユダヤ人との交流に推察を交えて書きました(参照)。それが答えでもあったのですが、日本の政治家は、そういうのが下手糞なのです。上手に手を裏へ回さないのも日本人なのですよ。俗に言えば世渡りですが。精神構造が米国人とは違うのです。
あまり関係ないかもしれませんが、小室直樹氏の話が面白かった。
三国同盟の時、日本は皆反対だった。散々反対したのにいつの間にか皆賛成になった。これは、空気が齎すこと。討論などしないでも空気で政治が決まってきたようなもので、自分が決めると言いたくないのが日本人。
秀吉であろうとも信長であろうとも、マゼランのような最終的決定ができない。これが日本人なのです。
と、こう仰るのです。この話しはきっと欧米人には伝わらないでしょう。小室先生の言われる「日本教」から来るのだそうですが、小沢さんのビジョンが見えないのも、鳩山さんが曖昧でブレブレなのも、菅さんが経済音痴なのに知ったような言い方ができるのも、みな空気で感じ取っているから。だから、はっきりと言えないし、言う必要がないのが日本人のメンタリティーなのだと。そう思うと憎めなくなりました。
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