極東ブログ「そこで、クイズ! 頭を覆っているこの女性は誰でしょう?」分りませんでしたー
中学で習う歴史上の有名な人って言っても五万といるし、その奥さんなんて分るわけがない。良く考えると、初めから当てられるという設定にもないはず(参照)。
画像の女性の姿から、宗教的なことと関係のある服装だし、フランスで起きている「ブルカ」全面禁止法令が可決されたこともあって、それに何らかの関係があるのは推測できましたが、この肖像画には、見覚えすらありませんでした。私の時代の中学の世界史の時間に、本当にあったでしょうか?信じられない。そもそも、マルティン・ルターに奥さん(カトリーナ・フォン・ボラ)がいたということ自体知りませんでした。でも、よくよく考えると、プロテスタントはカトリックに対して抗議者という形で独立した派であるし何かと革新的であったので、聖職者とは言え結婚があってもおかしくはないと思ったので早速調べてみました。奥さんって、本当なんだわ!(参照)
カタリナ・フォン・ボラという元修道女と結婚したことでプロテスタント教会における教職者、牧師の結婚という伝統をつくったことでも知られる(なおプロテスタントでは万人祭司の強調から牧師は聖職者とは呼ばれない)。
すっかり忘れてしまっていたプロテスタント教会のことはこの際さて置き、問題はスカーフのことです。(画像は異教徒のスカーフ)
プロテスタントのもう一つの大きな源流となるカルバンはこの件についてどう考えていたか? 明確に、女性は頭を覆うようにと考えていた(参照)。プロテスタントの源流の習俗を色濃く残しているアミッシュの女性なども普段から頭を覆っている。
つまり、パウロの時代に確立していた規則としてキリスト教徒の女性は頭をヴェールで覆うことは、キリスト教では派の差はない。そしてイスラム教成立以前のパウロということから推測されるように、イスラム教のヴェールも同様の起源であると見てよいだろう。男性用だがユダヤ人のキッパーも同起源だろう。
キッパーは知っています。アメリカでは見かけませんでしたが、ヨーロッパでは至るところで見かけました。頭のてっぺんに手編みの毛糸や綺麗な刺繍を施した丸いお皿のようなものを載せている姿です。知らなかった時は、○ハゲを隠すためか、そこをチャーミングポイントにしているのかと思ったのです。普通の人と変わらない服装の人もいましたが、昔だったからか、黒っぽいチョッキや黒っぽいズボン、白いカッターシャツというシンプルな服装の人が多かったです。
脱線。戻して、「イスラム教のヴェールも同様の起源であるとみていよい」と、たった一言、ついでのようにエントリーに触れていますが、これが良く分りませんね。話題のイスラム教では「ブルカ」と呼ばれていますが、国によってその意味合いまでもが違うようなのです。Wikipediaにはこう書いてあります。
アバヤ
アバヤはアラビア半島の伝統的な民族衣装で黒い布で目と手足の先以外をすべて隠している。
ヒジャブ
ヒジャブはスカーフのような布で頭髪を隠すものである。もっとも普及しているものである。
ヒマール
ヒマールはへジャブより、隠す範囲が広がり、背中まで隠す。
ブルカ
ブルカはアフガニスタンで用いられている民族衣装で目の部分も網状になっていて完全に隠れている。
ニカーブ
ニカーブは目だけ見せるものである。色は黒が多い。
チャドル
チャドルはイランに多い服装である。顔だけ出して体全体を隠す。
ブルキニ
ブルキニは
近代になってから登場したムスリマ向けの水着である。イスラム教の戒律に合うように全身を覆うタイプの水着になっている。
私がロンドンで出合ったこれらをまとった女性達は、決して一つの宗教ではなかったようです。また、上記の「ヒジャブ」はペルシャ語のカーテンという意味で、それからすると隔たりを作るためのものだとする説があります。それが本当であれば、女性を守る意味のヒジャブなのかもしれません。
先のブルカの起源の話しですが、フランスで現在全面廃止しようとしているのは、イスラム教の女性にとっては節操感との品格と、神の前や男性の前でのあり方として正統なものです。それが禁止になるということは、恐怖を伴うことなのかもしれないと思うのです。これは大変だ。国で決められていることとは言え、一悶着あってもおかしくないです。どうなるのでしょう、フランスは。
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