2010-09-30

極東ブログ「日本を巻き込む米中貿易戦争の開始」について

  中国人民元の切り上げを迫るための制裁法案が、アメリカ下院で可決されたようです。しかも、賛成が348、反対が79という結果でした。正直、賛成がこのような数字に表れるとは思っていませんでした。が、それは、私が日本人で、日本寄りの都合で考えていたからなのだと分りました。
 とは言え、中国に対してこのまま何の制裁も加えないではこの先道は開けない、というのがアメリカの可決に至った理由なら、それは日本にとって何を意味するのか?イマイチこの先が読めずにわからない状態でした。
 私は、その意味が日本にとって軽いダメージですむのなら、何も世界全体が「スムート・ホーリー法」で味わったような羽目に合う危険を冒すことはないだろうと思っていました(「Newsweek曰く「米中「貿易戦争」を覚悟せよ」、マンデル教授曰く「災難」(参照)が、オバマさんも必死です。

 アメリカはどうしたらよいのでしょうか。益々オバマさんの頭を悩ますことになりそうです。アメリカの不景気と雇用問題が改善されないとなると、11月の中間選挙が気になるところです。その前に、明後日の下院で、この法案が通るのか通らないのか、それがまず問題です。注視することにします。

 何故、アメリカ議会はこの危険をあえて選んだのでしょうか?今日の極東ブログはそこに触れられているので引用します(参照)。

 道は二つしかないという。(1)誰もが敗者となりうる貿易戦争を始めるか、(2)中国流の世界経済秩序設立を認めるか。
 二番目は「世界を破滅させるかもしれない」と訳されているが、原文では、"potentially disastrous"であり、「破滅」と読むまでもないようにも見える。
 ただし日本は戦後、米国の「旧来の秩序」である公海の自由を基盤に自由交易の上に成立してきた国であり、二番目の選択はそれがなくなるということからすると、米国にとっては"potentially disastrous"であっても、日本にとっては"eventually destruction"になりかねない。

 (1)は、オバマ氏もおそらく望んではいないでしょうし、マンデル教授も世界中が「災難」になると言い切っています。つまり、かつて経験した「スムート・ホーリー法」(参照)が如何に悲惨な大恐慌だったかを物語っています。が、今回の可決は、この線で進みそうなのです。
 (2)は、「中国流の世界経済秩序設立」というのは、輸出に関してはどこよりも安く、輸入に関しえてはどこよりも高く輸入し、自国の都合しか考えない貿易です。実際中国はこの方法でこの十年間で経済大国となったのです。
 この際、日本のことだけについて損得を考えるならば、極東ブログの見解ではこの(2)も実は日本にとっては壊滅的な結果に至るだろうと推測しています。それは、公海の自由を中国に主導されるということです。
 ここで出てくるのが、「アメリカはいいよなぁ」というため息とも思うような気持ちです。

 米国はその原油輸入の状況を見てもわかるように南米と一体化したブロック経済圏が取れないことはないし、大西洋側の欧州・アフリカとの連繋も可能だが、日本にはそうしたチョイスはない。

 これです。アメリカは中国との貿易が凍結状態に陥っても救済措置が取れるのですが、日本にはありません。アメリカと同盟国であるため、中国の日本の扱いは、アメリカと同等でしょう。そうなると日本は沈没してしまうか?中国の言いなりになるしかなくなるのか?中国に乗っ取られてしまうのか?
 望みの綱は、選択したくない(1)をアメリカ上院が決め、オバマ氏がサインをし、WHOからの物言いも付かなかずにGoサインが出るという仮定だと、中国に対してアメリカと一緒になって大きな駆け引きにでるしか方法は残りません。そこで望みが出るとしたら、中国が人民元を操作して、外国並みまで引き上げるかです。
 私は、この事態が飲み込めた昨日から気が動転して「アメリカのドルを下げて、中国並みにすればいいのじゃないか?」なんて、馬鹿な考えが脳裏を過ぎりました。それこそが中国の思いのままになるだけで、むしろ安くなった米ドルに対して円が益々高くなってしまうだけじゃん。
 中国という国は、恐ろしいほど国益しか考えない国なのだと痛感しました。日本は、本当にお人よしです。それよりも、中国が国益を考えるあまり「屈する」ようは必殺技、ありませんか。

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