極東ブログ「日本単独為替介入の意味」今だから明かす本当の意味
今回の日銀の為替介入に関する解説がやっと極東ブログから聞こえてきました(参照)。やっと、というのは、他のメディアからもいろいろと聞こえてきている中、アメリカ議会の日銀批判が前半に多く、これが何を意味するのか?を考えているうちに中国元に対してアメリカ政府がコメントを出すようなニュースと重なり、わけが分らなくなってきました。情報をつなぎ合わせても私の頭じゃ、日銀の介入目的が良く分らなくなって来ていたのです。
読んでみて抑えておく点は、つまり「改造内閣のいわば国内向けショーということだった」の下りでしょうか。ショーを意図したのか、結果ショーになってしまったのかは兎も角、やっと介入が入ったのか、と胸をなでおろす国民が大半だとしたら意味はあったということでしょうか。弱腰の政府と実行力のない日銀バッシングの傾向に、少し穏やかな空気が漂えば、スムージング効果もあったというもです。
今回の為替介入は、改造内閣のいわば国内向けショーということだった。
もちろん、これが日銀協調できちんとリフレ政策に結びつけばよいのだが、どうだろうか。フィナンシャル・タイムズはやや曖昧なトーンだが、正論も提言している。
FTはいつも厳しいく言及する部分を残すのですが、今後の日銀姿勢を読む上で、いままでとの比較も念頭になければ判断のしようはないのです。
非不胎化介入が継続されれば、日本経済のデフレ脱却の好ましいマイルドインフレにはなるのはフィナンシャル・タイムズも理解している。そして、それしか日本のデフレ脱却に手段がないなら、しかたない受け入れようというのだ。これはむしろ世界に向けて日本を擁護しているのだが、反面、本当にそれしかできないのだろうかとも疑念を持っている。
どうなるのか。恐らく、日銀が長期に協調して非不胎化を伴う為替介入は続かないだろう。日銀は変わらないだろう。
そうですよね。うっかり頷いてしまうのですが、日銀の度量もここまでということでしょうか。ところが、このことよりも、FTが日本をここまで擁護する理由の方が興味深いのです。
円安となれば日本経済が他国の輸出メリットを奪うことになるので、他国に好まれるわけはない。途上国にとっても欧州にとってもそうだろうし、米国議会にとってもそうだろう。フィナンシャル・タイムズの表現は曖昧だが、そうした米議会の動向に懸念を持っていた。
そうです。私が途中で混乱した理由に米議会の批判が強まったことに端を発しています。または、日本のメディアが騒ぎ立てただけだったのか。同時にオバマさんは、中国に対して中国元の協調性のなさにたいして批判を公開したのです。あれ?日本の円介入のことはどう思っているの?と、何故かスカを食らったような気がしたのです。無視?暗澹(あんたん)たる思いの中でちっとも要領をえなかったのですが、どうもここが本件の要点だったらしいです。
この点はどうなったか。それが今回の為替介入の一番の要点であり、いらだつ米議会に対してオバマ政権側がどう反応するかという点が注視されていた。
結果は、ガイトナー財務長官や財務省・FRB関係者は日本について沈黙を守った。オバマ政権は今回の日本の介入を黙認したと見てよい。その背景は、当然ながら、中国のほうが日本よりはるかに手に負えない問題となっているからだ。
途中、私も思ったのですが、アメリカは中国に対してかなり手を焼いているというのは窺えます。日本の円高介入を黙認しても大丈夫。日銀はそこまで目を離しても度胸も度量もないですから、といってしまうとお終いですが、中国は、もはや日本を越える経済大国になり、そのスピードと金利政策のスピードが追いつかないのではないでしょうか。などと軽口をたたくのもよくないですが、なんとなく体型は成長している割に頭の方がイマイチな感じがするのです。そのくせ、人の話は聞かずに我が道を行くので困りものです。
この先まで解説すると、またまたへんなとばっちりが来そうでうんざりするが、米国は対中国戦略に日本が同調するようにというメッセージを出しているのである。日本の財務省もそれを読んでいる。
ただし、日銀はどうかわからないし、民主党の中枢側が理解しているかについても今回の失態を見る限り、みんなの党のように「本当にばかだ」と言うのでなければ、不明だとしか言えない。まあ、G20の様子を待ってみよう。
財務省がそれを読んでいるのに、政治主導を合い言葉にする民主党がついて行かれないのがいつも問題なのですね。だからって、官僚と仲良くするとそこにはまっちゃうのは、やはり理解する頭がないのが問題な政府かもしれません。
最後になりましたが、仙石長官の「82円が防衛線」発言はお粗末もこの上ないことです。私が投機筋の人間なら、攻撃する目標を教えてもらったようなものです。こんな馬鹿な失言、考えられない。せっかくの日銀ショーの見せ場を皆そっちに持って行かれたのじゃないでしょうか。賢いブロガーはずっと沈黙していましたよ。あまりにも知らなさ杉でがっくしです。
G20でコケにされればしめたもの。世界が少しは日本に期待を持っているというものです。菅さんは、世界の主要国から厳しい意見を頂ける様にしてください。ポピュリズムは既に通用しません。
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