何が尖閣諸問題なのか、もう一度極東ブログ「鳩山由起夫首相の尖閣諸島帰属問題意識について」と照らしてみる
昨日の極東ブログの「財政再建か、安全保障か」(参照)で、日本の安全性を政治家は今後どのように確立してゆくのかという疑問が浮上し、具体的には今起こっている尖閣諸島における中国船との衝突問題を取り上げました(参照)。分りきったこととして再度書くこともないと思ったのですが、中国との友好的な交流という趣旨で訪中を予定していた各団体のキャンセルが相次いでいることを知って、民間レベルでの問題と政府間の問題が錯綜し始めているような気がしてきました。
現代界での最新情報の例ですと、「上海万博1千人招待中止、外務省「極めて遺憾」」(YOMIURI ONLINE)では、
外務省は20日、万博視察のため21日から上海入りする予定だった日本の大学生ら1000人の青年訪中団が、中国側の申し出を受けて急きょ訪中を中止したと発表した。
同省は、中国側に「訪問直前の決定は極めて不適切かつ遺憾」と抗議した。尖閣諸島沖の日本領海内での中国漁船衝突事件を巡る報復措置の一環とみられる。日中両国首脳が関係発展の象徴として重視してきた青少年交流にまで事件の影響が拡大、両国関係がさらに冷え込む可能性が出てきた。
と、報じています。文脈からすると、中国側からの申し出により日本側で断念していることが分ります。
一方、政府の見解はというと、フジニュースネットワーク(参照)よれば前原外相は
「(中国が閣僚級交流をやめるということだが?)われわれは、あくまでも国内法にのっとってやっていく、それだけです」と述べ、中国側が求める中国人船長の早期釈放には応じない考えをあらためて示した。
とコメントしているようです。
国は国で、民間は民間なのですが、何か足りない気がするのです。民間レベルの催事ではあるけれど、中国とは戦争しているわけでもない。沖縄県の尖閣諸島沖で中国船と日本の巡視船が接触を起こした事故なのです。たかがこのレベルとは言いませんが、日本のメディアは、少し騒ぎ過ぎの印象を感じます。
で、国民レベルで知っておく必要があると思うのは、中国が主張している尖閣諸島の占有権は、そもそも何の根拠もないことからだということと、尖閣諸島は日本の領土だということだと思います。ここで中国に反発感情をむき出しにすることは、中国の思うままになるだけなのです。と、国民はそれでよいと思いますが、国の対応はというと、水際だけでは済まされないと思います。
尖閣諸島の問題で改めて認識する上では、極東ブログの「鳩山由起夫首相の尖閣諸島帰属問題意識について」(参照)に古い歴史から非常に詳しく解説されています。中国が尖閣諸島の領有権を持ち出す背景が歴史にもあるにはあるのです。
1971年12月には、今度は中国人民共和国、つまり、大陸共産党政府が、尖閣諸島の領有権を主張した。尖閣諸島が中国大陸棚上にあることや、竹島問題でもありがちのなんやかやの古文書を持ち出す理屈である。
ところが、沖縄返還が実現した時、尖閣諸島は石垣市に属していると琉球政府が認めていたため、自動的に日本の領土となったのです。事はそう簡単に運んだのかどうか分りませんが、こうあります。
沖縄が日本に返還されることが決まった1969年、国連アジア極東委員会(ECAFE)が尖閣諸島海底に石油が埋蔵されている可能性を示唆した。これを受けて、中華民国、つまり台湾国民党政府は、その海域を自国領土と見なしていることから、米国ガルフ社に石油採掘権を与え、台湾国民党政府自らも尖閣諸島魚釣島に上陸し、中華民国国旗である青天白日旗を掲揚し、国際報道を行った。
この事態に琉球政府は困惑した。琉球政府としては、尖閣諸島は石垣市の所属と見なしている。1969年5月、石垣市は尖閣諸島に住所番地を記載したコンクリート標柱を設置、翌年1970年9月、尖閣諸島魚釣島の青天白日旗を撤去した。
日本としては、すでに沖縄返還が確約されているとの立場から、同じく1970年9月、尖閣諸島が日本の主権下にあることを宣言した。
このことを中国当局が知らないなずはないのですが、このところの中国側は、中国の領土だと主張しています。憶測ですが、日本に言いがかりをつけているかに見えるのも、分りきった当たり前のようなことに付け入るのが中国の手口と思います。では、日本は中国相手に何ができるというのか?裏取引でもするしかないのでしょうか。
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