2010-09-13

ウォールストリートジャーナル曰く「Japanese Kingmaker Bids to be King」

 昨日、Twitterで拾ったウォールストリートジャーナルの英語版(参照)のタイトルに引かれて読んでいたのですが、後から日本語版が出たのでそちらに目を通したところ、あまり皮肉もなく、真面目に書いてあったのでちょっと意外でした(参照)。話は小沢さん個人の動きや政見、次世代教育などの政治家としての姿勢についてですが、小沢さんになる可能性が大きいことを思えば、選挙前に書いておくべきことは網羅されている記事だと思います。

小沢氏は、同じ党出身の日本のリーダーを退陣させるため、対決の場である14日の代表選に向かって走り出した。勝者が手にする賞品は、彼が常に逃がしてきたもの、「首相の座」だ。 

 このように始まって、結構長いコラムで民主党代表選挙について書いていますが、肝心の国民はというと、どうでしょうか。私は、実質、国の首相を決める選挙だと言うのに、盛り上がりを感じないのは仕方がないと思っています。国民がこの選挙に直接関係するわけでもない上、政権交代後の民主党には呆れてしまっているので今更誰になっても同じだという諦め感もあるのです。気になる点といえば、金融政策の話があまり出てこない点です。つまり、ないのかもしれません。菅さんの話も並べて書くべきですが、最終的には小沢さんがこの選挙には勝つのではないと思っているので、棚上げして置きます。
 問題は小沢さんの金融政策です。殆ど何も触れないのを奇異に感じていますが、「小沢 金融」と、検索をかけても出てきません。政治主導と言いながら日銀と話をしないのは、国民にしてみればおかしなことです。また、国民が選んだ政治家が日銀に意見を言わないのなら国民の声は反映されようがありませんし、日銀の独壇場になってしまいます。ジャーナリストの神保哲生氏は、

小沢:(日銀について) 金融政策は政府があれこれ言うべきことではない。金利も低いのので金融政策には限界がある。市場介入をすべき。しかし日本一国だけでは効果があがらない。しかし、それくらいの覚悟でするべき。円高は海外への投資にはプラス。資源の無い日本にとっては資源に投資する好機。tjimbo 

 と、話していますが、この話が実話で、「金融政策は政府があれこれ言うべきことではない。」と小沢氏ご本人が言及したのであれば、これは問題です。日銀の白川総裁は、今まで、外国や日本のメディア、経済評論家、経済学者から相当の批判をされていますが、経済が安定するに足るような策を講じません。日銀は、インフレは嫌うがデフレは好きだから、と風評もたっていますが、トンと動く気配がありません。国民はその生活の苦しみをここ何年も味わっています。この声を政治家が受け止めたなら検討し、日銀とも話し合わずして誰が国民の声を経済に反映させると言うのでしょうか。小沢さんの民主政治と国民が思う民主的な政治への要望にはズレがあるのだと感じる部分です。ここがわたしの一番の不満です。
 いつも数字を提供しながら具体的で説得力のある経済の話をしてくれる高橋洋一さんのコラムでも、小沢さんが金融の話しをしないことに批判的です(参照)が、その理由がまた泣かせるのです。

 代表選の最中、金融政策に言及すると、マスコミから、中央銀行の独立性を損なうとの批判が出るから避けているという見方もあるかもしれない。しかし、こんな批判は、日本のメディアが不勉強なだけだ。金融政策の目標に言及することは、先進国で共有されている考え方である。

 事実、5月下旬に、バーナンキFRB(連邦準備理事会)議長が来日して講演したときにも、金融政策の目標を中央銀行が独立して決めるのではなく、政治で決めるのは民主主義国家では当たり前といっている。しかし、このときも、日銀に洗脳されているマスコミはまったく報道しなかった。

 このところ日本のメディアの状態については私も触れていますが、各論に振り回されて肝心の核心部分から逸脱した記事ばかりが目立ちます。スキャンダル性がないと売れない新聞になると言えばそうですが(すみません。国民のレベルもその程度なので)、政局の話に持って行きたがっているという嫌いがあります。いい加減目を覚ましてもらいたいものです。

 ウォールストリートジャーナルの中で、小沢氏が勝った場合はどうなるのか言及されているのが気になりました。

専門家によると、小沢氏が勝つ方が、菅氏が勝つよりも、党分裂の可能性は低い。小沢氏を支持する国会議員は若い世代が多く、組閣のためには菅氏に近い先輩格の議員を選ぶ必要があるからだ。

 一方、小沢氏の勝利は野党の攻撃を引き起こすかもしれない。野党の批判が強まり、問責決議という事態になれば、参議院で過半数に満たない民主党は問責決議案を否決できない。もしそうなれば、衆議院解散と新たな選挙の可能性もある。

 このように、小沢さんに関しては賛否両論で、決めかねているという30名(今朝7:00のNHKニュースでは)ほどの議員票がどちらに動くかが、正に分かれ道のようです。実は、衆議院解散というのは悪くはないと、個人的には思っています。そもそも菅さんには解散したら?と思っていたほどですから。
 解散して一度コンパウンドしてはどうでしょう。そこから組みなおすというのも悪くはないきがします。

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