キターッ!極東ブログ「[書評]ギリシア神話の語り:ブルフィンチや斉藤洋」
なんとなくギリシャ神話のお勧め本が出てこないかなと思っていた矢先だった(参照)。斉藤洋さんの書いた本は私は読んだことはない。それもそのはず。私より少しというか片手は年上の児童文学作家なので、私が子どもの頃に彼の書いたものを読むわけがない。でも、「西遊記」(参照)が面白いと言う話に覚えがあって念のため極東ブログ内検索してみるとあった。それと、コメント欄に書いてあった内容で覚えていたのが、「[書評]イーゲル号航海記 1 魚人の神官(斉藤洋)」(参照)。この二冊が紹介されている。
「崖の上のポニョ」が劇場公開されたばかりで世間が大騒ぎだというのに、「隙間産業」だと茶化していた野ぐそ氏を思い出した。なんだか面白そうだと思ったが、当時は読む余裕がなく、どうしても直ぐに読みたいと言うほどでもなかったのでスルーしてしまった。
が、ここへきて、トロイ戦争を遥かに越えてサンタクロースの赤い帽子ではないかという考察まで発展してきたフリジア帽の謎解きは良しとしても、肝心のギリシャを舞台にした数々のエピソードが始まりかけたところだった。まあ、ギリシャ神話を嫁と言われるのは分る。言われていないけど。
大昔に分割して読んだ記憶がある。いつだったかな。そしてfed upしてしまった。何がって、世界史は試験用に暗記するだけの意味しかなかったので、何も頭に入ってこなかった。これについては先日書いたばかり(参照)。ギリシャ神話が試験に出るというのであれば、必死こいてやったでしょう。ね、お粗末なのです。
ギリシャ神話って面白くなる以前に、人の関係が入り組んで複雑な上、人物名が超覚えにくい。だから直ぐに混乱してしまう。ましてや、暗記して叩き込むのがやっとな能力ではキャパが少な過ぎ。放り出してしまったのは事実だ。でも、今ならギリシャの人達が非常に身近で、もっと知りたいという欲求が備わっている。お陰さまで。
ギリシャ神話の本家とも言うべきか
トーマス・ブルフィンチ(Thomas Bulfinch)がまとめた"The Age of Fable, or Stories of Gods and Heroes"の訳本が定番ではないだろうか。
これが良いかと思った。映画「トロイ」のお陰か、「完訳 ギリシア・ローマ神話」が復刻版として出ているそうだ。これが本来お勧めなのだろうなぁ、と横目でみて、私にとっては斉藤洋さんが子供向けに書いたという「ギリシア神話 トロイアの書」が良いのではないかと思った。このように紹介されている。
独自のヘンテコな解釈をするわけでもない。物語に現代的な整合を与えるだけということもない。こっそりと読み手の子どもにギリシア神話を考えさせようとしている。斉藤洋には、他の作品でもそうだが、物語の面白さというものの背後にこっそりとメタ物語の視点を忍び込ませている。ギリシア神話もそうした新しい視点から子どもに読ませることができるという点で、こうした語り手をもつ日本語の文化は強いものだなと思う。
歴史が面白くなるには、書き手のテクニックという割合は大きいと思う。子どもと言わず、大人の私でさえもわくわくして極東ブログを読んでいるくらいだ。何故わくわくするのか?書いてあることに沿いながら想像の世界観に入り込めるからだ。また、自分を忘れる。我を忘れてのめり込む面白さだ。
それが味わうことができて、世界史が苦手だった私を懐かしむようなことにでもなるのだろうか。
さて、早速注文、と。
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