2010-08-27

民主党代表が交代するとデフレの日本に何が起こるのか

 昨日は、民主党小沢一郎氏が今度の党代表選に出馬表明し、鳩山前首相は小沢氏を支持することを明らかにしたそうです(参照)。おやおや、と言う感じ。このことを受けて、特に新しい話をしようというものではないですが、それにしても騒がしい。一方、極東ブログはとても静か。この辺で何か考察でも明らかにすることはないかなと、目の前がパーッと開けるような光でもあちらから差してはこないかなと期待しているのですが。
 一昨日円が急に高騰し、市場では9000円を割るという株安になってしまい、この中身をよく考えると大問題と言うわけでもないようです。世間が大騒ぎすると言うことだけで危機感や不安がよぎりますが、日本は酷いデフレなので、物価が下がっている状況での円高なので、これを「煙幕」と。ちょっと騒ぎ過ぎかもしれません(ウォールストリート・ジャーナル日本版)。

第一に、円が実際強いのかどうかは疑問だ。日本の何年にも及ぶデフレと貿易相手諸国のインフレを考慮すると、円は15年ぶり高値を引き続き28%下回っている。たとえば、ドル・円相場が1ドル=100円だった数年前に、日本からの輸出品が100円だったと仮定しよう。今、その輸出品が85円で、対ドルでの円相場が1ドル=85円だったとしたら、どのように違うのかということだ。

円が注意をそらす「煙幕」だというもう一つの証拠は、円が景気循環に逆行しているという事実だ。通常、景気拡大に伴い金利が上昇し、従って通貨が上昇する。しかし、日本の場合は、リセッション(景気後退)を受けて、円相場が過熱している。

 ただし、株価などに大きく影響するのが、日本の総理大臣がよもや交代するというような情報です。
 私は、デフレ状況の長く続く中で、国民が喘いでいるこの状況を早く何とかしてもらいたいと思っています。先日の菅首相と日銀白川氏の電話協議も、それに何か意味があったのかと問いたくなるほど中身も実りもない話に終わっています(参照)。また、ここで代表が交代するとしても、それに何の意味があるのか?と疑問になるのです。取り留めのない話になるのですが、このところの動きを受けて、感じていることを書くことにします。
 先日、軽井沢の鳩山別荘に民主党議員が160名も集まったというのが話題になっていました(参照)。映像の一部を見て、大昔の自民党の姿のように私には写ったのです。小沢氏は、故田中角栄の秘蔵っ子としてその意思を継ぐ政治家であることは周知のことですが、やることが兎に角古い。大勢が今か今かと小沢氏の到着を待ち受け、到着と共に大拍手でお迎えし、「気合だ!」と奇声を上げていたのにはドン引いてしまいました。あのパフォーマンスは昔の自民党にはあったように思いますが、あのお祭り騒ぎは、昨日の小沢氏の出馬表明のお膳立てだったというものです。こういう形から出馬するというのが昔の方法なんですよね。
 この動きになって冷静に菅氏と小沢氏を比べると、大きく違う点は、小沢氏は、緊縮財政指向を否定している点だけかもしれません。これまで「鶴の一声」としてなにかと党内の黒幕的存在でしたが、その小沢さんは「国民の生活が第一」とは言うものの、日本の将来のビジョンは何一つ示していません。小沢さんが力を注いできたのは、「政局」に関してではないかと、その足跡を辿ると思います。民主党が野党時代、自民党と連立を組もうとしたり、比例定数削減に向けた選挙戦略を企てたりしてきました。総理大臣になりたい人ではなく、総理大臣を裏で操るのが好きな人物に写っていました。その小沢さんが菅さんと一騎打ちをここでするというのであれば「国民の生活が第一」と言われている言葉の通りになるような具体的な政策の提示が必須です。
 今回の出馬も、「皆さんから応援を頂いて」という古いやり方では駄目ですよ。それが、あの軽井沢のスタートでは、話になりません。また、「政治と金問題」で党首の椅子から退いたわけですし、その問題もまだ未解決であり、強制的に起訴されるような運びにでもなると二の舞になってしまいます。この問題に関して、ご自身が清廉潔白をいくら訴えても黒でも白でもなく、まだグレーなのです。辞任の責任は取ったからお終いだ、ということとは違うと思います。
 「政局の好きな小沢さん」という資質の変革の方が先でしょう。民主党に政権が交代してから、日本の政治は不在なのです。これ、何とかしてください。

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