極東ブログ「南北朝鮮統一費用「統一税」提言の波紋」なんとも勿体無い事だ
韓国・李明博(イ・ミョンバク)大統領のこの発言に対して、私は、凄く評価していた。波紋を呼んだという程度問題は、エントリーに書かれているほどだとは思わなかった(参照)。また、韓国内の反発の内容を知って少し違和感を覚えた。そして、火消しに奔走した結果、沈下したというのだが、このチャンスを逃したら今度いつ南北統一の話ができるというのだろうか。と、私が口を挟むような話ではない事も分っているが、韓国というと、個人的には身近な問題とも思えている。
以前にも話したが、東京の朝鮮高校や大学に通っていた当時の友人が、未だに音信が途絶えることもなく交友関係にある。また、二世、三世に当たる韓国人の友人の子どもが、私の息子と同級生で三重県で一緒だった事もあり、今も仲間として続いている。滅多に話題にならないが、彼女達の話から、朝鮮との統一は難しいと感じている。話題に上がると、いつもは鼻息が荒くなり、真っ赤になって熱くなって話し出す様子からそう思う。終いには怒り出す。これは感情論だが、韓国国民が統一に簡単に賛成するとは思えない上、そのための税金を徴収することも難しいことだと思う。議論を揉まずに李大統領が発言したのは、時期尚早と批判されても仕方がないと思う。この状態だけを取り上げると、正にそれは管総理の口が滑って「消費税増税」を言ってしまった時と同じような状態になったのだろう。
話を戻すと、私がなぜこの発言を評価するか?だが、まあ、誰も私の評価などに関心をよせることもないので、ここで言うだけのことだが、北朝鮮の体制が崩壊すると何が起こるかを予想すればおのずと分ることだ。北朝鮮から多くの難民が流出することは確かだ。多分それもあるのではないかと思うのだが、中国はこれを牽制するというか、北朝鮮を刺激したくない理由の一つでもあると思う。いま一つ中国が消極的に立ち回っているのはその理由からではないだろうか。
つまり、可能性としてはの話だが、先日、金総書記から息子への継承プロセスを始めたようだという事をどこかで報じていたが、その可能性よりも、体制が崩壊する方が先だと見ているのではないだろうか。それに備えての中国の動きの鈍さだとしたら、中国も冷たいものだ。というか「現金な中国」というものだ。極東ブログでは面白い考察を入れている。
これまで南北統合が実施されなかったのは、朝鮮戦争に見られるような北朝鮮による「統一」の思惑が実質的な統一と齟齬を来していたこともだが、韓国としても統一の衝撃を回避したかったためだ。太陽政策とは実際には統一のモラトリアムであった。加えて、米中、さらには潜在的に南下を目論むロシアも含めて、この地域に各自の思い入れがあり、均衡していたことがある。そうした観点から、このパンドラの箱を開くと何が起こるのか、そして何が将来的に起こるのかは、いくつかの想像やシナリオは立つものの、確実的なことは何も言えない。
この「太陽政策」とは?Wikipediaにはこう書かれている(参照)。
イソップ童話『北風と太陽』にちなみ、北朝鮮の頑なな態度を改めさせるためには圧力ではなく温情であるとするものであり、軍事力で統一するよりも人道的・経済的援助や文化的交流(観光等)を深めることで将来の南北統一を図ろうとする外交政策である。その政策の原則とは武力的な手段を用いず、北朝鮮を吸収する形態の統一は行わず、さらに「南北基本合意書」に基づいて相互の和解と協力を推進するものとされている。
つまり、「太陽政策」は、統一を遅らせる結果になったという考察だ。確かにそうかもしれないと思うが、他に良案もなかったわけだ。常に北朝鮮は何をするか分らない危険で野蛮な国だという印象だった。
だが、李大統領の打ち出した案は違う。この案がこのまま履行される方向になれば、確実に統一の道へと具体化する実質的な話だ。ここが管総理と違うところだ。李大統領のような人物は今まで表れなかった韓国だけに、この話を迷宮入りさせるのは、なんとももったいない事だ。
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