2010-08-21

極東ブログ「日本経済成長鈍化・進む円高、フィナンシャル・タイムズの見立て」について

 このところ、私は政治の話をあまりしなくなった。ニュースはそれなりにクリップしているが、この先日本はどうなるのかと言う展望も希望も持てないし、政府に期待など全くしていないという状態で、関心が遠のいていた。これもよくないとは思っていた矢先、久しぶりに極東ブログがむっくり。何の話だろうかと思ったら、民主党内のブレやレイムダックな菅さんの話から始まっていた。それにしても、なんだかとても上品にまとめられていて流石だな、と思った(参照)。

Lameduckpetar

 ファイナンシャル・タイムズの記事が少し刺激でも与えてくれるのかなという期待もあったが、どうもその元気がないようだ。上げたり下げたいというほどでもないが、後からぼっこり腫れて来る蚋(ブヨ)に咬まれたような効き目がくる感じでもあるのかな。
 ところで、「レイムダック(lame duck)」と菅さんを呼ぶようになったのは弁ちゃんが最初だと思うが、あまり流行しないなぁ。この言葉って、菅さんには凄い称号だと思って私は賛美しているのに。
 さて、そのファイナン・シャルタイムズの見立てだが、「結論から述べると、フィナンシャル・タイムズは、日本の経済鈍化の理由を、内需志向転換できない構造に見ている。」として、いくつか引用されている。このファイナンシャル・タイムズの記事は、先日今年の第二・四半期の国内総生産GDPの発表を受けて書かれた記事だ。伸び率が低く、経済成長率が急速に鈍化しているという内容だった。

16日に内閣府が発表した、今年の第二・四半期の国内総生産(GDP)速報値では、実質GDP(季節調整値)は前期比の0.1%増だった。年率換算では0.4%増となる。かろうじて輸出で持ちこたえているものの、日本の経済成長率が急速に鈍化したことが明らかになった。

年初ころには年率2%の予測もあったことから、日本経済の失墜の兆候として同日には株価も落ち込み、9000円を割るかとも思えたが、その後は少し持ちこたえている。が、円高も進んだため、今後の輸出の展望も開けない。

で、いきなり結論から言ってと、こう始まっている。

結論から述べると、フィナンシャル・タイムズは、日本の経済鈍化の理由を、内需志向転換できない構造に見ている。

 政府にはほとんど選択肢はない("The government has very few options. ")と匙を投げている。財政赤字から財政政策はむりだろうし、補助金バラマキは貯金に回るだけだろうと見ている。
 介入による円高阻止もできないだろうと言う。

ええ、もうずっとそういう状態。

 まったくに日本に打つ手はないのかというと、非伝統的な金融政策("unconventional monetary policies")はあるだろうとはしている。ネットの用語で言えば、リフレである。

フィナンシャル・タイムズはリフレ政策を打つしかないだろうが、基本線として日本の輸出産業がまた強化されることを懸念しているため、それほど強く、リフレ政策を推しているわけではない。あくまで最悪の現状のための提言であり、短期的な措置としての提言である。
 長期的にはどう見ているか。株の利回りをよくしろと言っている。 

日本経済のウソ

 ここが疑問というか、先日読んだ高橋洋一さんの「日本経済のウソ」では、マジに名目成長率は4%だと説明されていた。私は2%くらいだろうと、ずっと思ってきた。理由は、尊敬する人がそう言うから。自分で調べてもそれは納得の行く数字だからだ。高橋氏はこう話している。

 インフレ目標を2%にすると、実質金利が下がり、設備投資も出てくるのです。経済官僚によるヘタな産業政策も不用で、民需が出てきて名目4%となります。これと同時に増税なしで経済成長による増税で財政再建は達成できます。

名目4%が成長の黄金率である、それより低い2%か3%など全く議論する値のない話です。名目4%が成長ができれば、財政問題はかなり解決します。

 と、ある。さて、年初の2%の予測はどこへやら。この数字を見たら何とかしないといかんっと日銀が動くかといったら、全く微動だ一つしない。それどころか菅さんとの会談もキャンセルされ電話で片付けることになるらしい(参照)。ファイナンシャル・タイムズはこのリフレ政策を短期でと提案しているが、高橋氏は10年くらいとしている。この辺の考え方の違いは何だろう。そこもよく分らない。
 長期的には株の利回りをよくするようにと言われても、エントリーでも違和感を話しているが、民主党政権を実質支えているのは大企業と公務員で、これらが反対するような政策は原則ありえない。私は、高橋さんの本を読んでから、考えが少し変わった。名目成長率4%で頑張ってみるか、と、そう思い始めた。が、それを誰がやるのか?というところでいつも止まる。できそうな人がいないじゃないか?日本には。

 まあ、いろいろ議論はあるが、現実的には空しい。菅内閣はレームダックだし、日銀はたまにエレガントでトリビアルな手品をするくらいだ。

 やっぱり思うことは同じだと思った。因みに、日銀への称号「トリビアル」に決定、ね。この瑣末者!

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