民主党の気になる今と今後の動きについて
菅さんの顔が最近変わったなと感じる。選挙の疲れだと報じるメディアもあるようだが、見てると10年くらい歳をとった感じがする。9月の衆院選までに菅さんはいくつかの難局を越えなければならないというのに、参院選後の人事にもキレはなく、閣僚はフリーズしたまま持ち越すと決めた影響が未だに尾を引いている。この辺もなんとなく男性的な感じがしない菅さんだ。家庭内野党の反骨に合っているのだろうか。本来、選挙の全責任は幹事長であるはずだが、総理自ら過去の代表に謝って回っているらしい。記者のインタビューに答える形で、次のように話している。
「(民主党代表経験者に)私の消費税に関する発言などで、大変重い選挙になったということについて、おわびを含めた報告をし、小沢さんにお会いできれば、他の代表経験者と同じような形で、選挙についての報告というか、消費税については同じような形で申し上げたい」(菅首相)(TBSNewsi)
一国の首相が選挙後にこのようなことを引きずってこの週を終わるというのは、本業を疎かにしてはいないかという疑問も湧いてくる。それというのも、枝野氏を切れなかったためだ。選挙の大敗は、自らの責任だとしたからにはこれも仕方のないことだ。ただ、こういう菅さんは、腹黒い人じゃないとは思うものの、一国の首相には不向きだと思う。ビジネスの世界では、首切りに関してはもっとドライに行われている。このデフレ不況の中で、いきなり仕事を無くした国民の悲痛な声は届かなかったのだろうか。政治家さんたちは、お風呂の湯加減はいつも適温で入れるのだなあと思うと、距離を感じる。
そんな矢先、鳩山前総理とアメリカとの間に交わされた移設案は、早くも変更の模様だ。
➠辺野古「埋め立て」に回帰 「くい打ち桟橋」方式は断念(asahi.com)
代替施設をめぐっては、鳩山由紀夫前首相が在任中、くい打ち桟橋方式での建設を検討していた。しかし、防衛省が試算したところ、工費が1兆円以上かかり、従来計画の約4千億円を大きく上回ることが判明。工期が長期化し、14年の完成期限から大幅に遅れることも分かった。米政府も「攻撃に脆弱(ぜいじゃく)」と反対しており、現実的ではないと判断した。
当然、沖縄住民がこれを許すわけでもないので、「案」としてアメリカと調整しているだけで終わるようなことなのだろうか。
9月の衆院選までの菅さんの課題として「普天間の工法を決定しなければならないのと、7月の臨時国会、郵政改革法案だ(参照)。」があると先日整理してみたが、臨時国会の議長選出では、輿石氏の名前が挙がったと知った時には驚いた。郵政法案に始まり、強引な裁決を強行した民主党参院の議員会長だ。この人物が議長になろうものなら野党から反発が来るに決まっている。このような人物の、名前だけでも挙げるとは何事かと思った。
➠輿石氏民主参院議員会長留任へ 民主、参院議長は西岡氏で調整(MSN産経ニュース)
参院議長人事は15日、民主党が西岡武夫参院議院運営委員長(74)の擁立で調整を進めることになった。当初輿石(こしいし)東(あずま)同党参院議員会長(74)が有力視されたが、与野党の勢力が逆転した国会運営を乗り切るには「党内に影響力がある輿石氏で結束するしかない」(参院幹部)と、留任する見通しとなった。
個人的には、野党から選出されてもおかしくないと思っていただけに、第一党から選出されるのが道理とあっては仕方のないことだ。
さて残るは郵政改革法案だが、今のところは特に動きはなく、相変わらず国会で通すという姿勢は変わっていないようだ(参照)。が、衆院で可決する為の動きとして、社民党が民主党と国民新党に加われば318議席となる為過半数に達する。民主党は、歩み寄りを促している状態らしいが、社民党の瑞穂たんがうんと言わないかぎりこの話は進まない。
なんだか、民主党はこの人にしてやられているわけだ。鳩山さんが普天間基地移設問題で暗礁に乗り上げた時のキーマンは、彼女だった。突然連立から離脱されて、鳩山さんの椅子にガタがきた記憶はまだ新しい。小悪魔的存在なので、今後どう調整して来るのかに期待したい。
菅さんの話に戻るが、これらの事の解決が急がれていると言うのに、菅さんの頭は、どうも9月の衆院選に飛んでしまっているのではないだろうか。首相就任直後に「静かにしていてもらいたい」と、小沢さんを切り、小沢さんの選挙活動も非常に慎ましやかなものだった。が、その小沢さんに、今度は自ら「謝りたい」としているのは、媚(こび)を売っているのではないのかとも思う。菅さんが、衆院選で再選を目論んでいるとすれば、今度は小沢さんの100とも150とも言われる票が欲しくなったのではないか?参院選での自らの失態は、当初、想定にはなかっただけに、当時小沢さんをあのような形で追いやってしまったのだと思う。ところが、小沢さんは、まったく姿を見せない。菅さんには返事も返していないそうだ。
小沢さんについて言えば、100とも150とも言われる人達を引き連れて民主党から出てゆくことも考えられる。自分の政治理念とは違うとなれば決断は早い人なので、民主党には既に未練もないのではないかと個人的には思う。これまでも、そういうことをしてきた人だ。ただ、小沢さんも若くはない。これから火を熾すにはそれ相当の時間を要するのではないかと思うと、まさか、民主党から離党するというようなことはないだろう。どのように思い留まるのだろうか。
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