2010-07-23

極東ブログ「インフルエンザ菌を巡る話」はめっちゃ面白い!

 凄く読みでのあるエントリーであり、大変興味深く感じた。とにかく内容に厚みがあるのでこのようなテーマが面白くて仕方がない(参照)。
 今日のテーマは、昨日の書評「感染症は実在しない―構造構成的感染症学(岩田健太郎)」で著者の表現をそのまま使うことに意味があったという「インフルエンザ菌」のことから始まっている。そういえば、昨日私が書いた、このエントリーについてのコメントは(参照)、詳細がすっ飛び、市民医療の問題にいきなり入ってしまった。まあ、私の関心が一番強く「市民医療」にあったので、結果として「インフルエンザ菌」にも触れなかった。それと、同書を注文したため、読めば分ると、高をくくっていたのも事実だった。
 話を戻すと、「インフルエンザ菌」と聞いて、奇異に思われる方もいると思う。インフルエンザは細菌感染ではなくウイルス感染だ、と言う認識はかなり定着しているのではないかと思うからだ。あはは、間違っているぅ、と、うっかり言っても恥ずかしいことではない。混同されやすいのは確かだ。何故「インフルエンザ菌」という名称なのかという背景が、後続の、脚気(かっけ)の原因は「脚気菌」によると言う誤りと並らんで説明された時、何だか歴史的な背景全てがすとんっと落ちる感じがした。
 細菌性髄膜炎を起こすのは「菌」であるにもかかわらず、インフルエンザ菌と未だに呼ばれているのは何だか、やはり変だが、この話がとても面白かった。昔の研究者の努力の軌跡を知って、現代医学が目ざましい進歩を遂げたのは、やはり明治からという事がくっきり見えてくる。
 そして、初めて知ったことに、「脚気菌」の存在が長く信じられ、その研究者の一人は、信じたまま昇天されたそうだ。その研究者に教えて差し上げたいとも思えてくるほど、身近に感じた。
 「脚気」で思い出したが、最近は内科医では脚気の触診はしないみたいだ。私は、毎年日帰りドックで年に一回の検診を受けている。内科の項目に無いからなのか?20年位前までは、内科で受診すると必ず仰向けに寝て、膝の反応を診たものだった。いつの間にかそれは必須ではなくなったのかと思って調べてみるとこう書いてあった(参照)。

膝蓋腱を叩いて膝関節が伸展する膝蓋腱反射は末梢神経障害の有無を見ている。脚気の多発していた1960年代頃までは健康診断の必須項目であった。

 嗚呼。
 と、思ったのは、私が診察してもらった医者の現役時代は終わったということだと思う。そして、私と同世代かそれよりも後の世代の医者なら、脚気を重視しないという時代に入ったということだ。原因がビタミンK不足だと特定されれば、栄養指導に移行する問題になるわけだ。なるほど。
 ますますおもしろくなってきたところに、笑っては失礼だがコッホの原則というのが出てきた。これは、片手落ちの研究だったということだが、昔は、あらゆる可能性を見越した実験ではなく、浅い部分であったという実例だろうか。しかし、ものすごく単純な項目で、たったあれだけの項目に当てはまれば、それは全て感染症の病原体に特定されたというのだから恐ろしいことでもある。
 ひとまず、今日のエントリーはここまでだが、うふふ、どうやら続きを期待できそうな感じの終わり方だ。

その後は、細菌によって特定されない病理を追求するかたちで、病原としての遺伝が注目され、そこから優生学が生まれてくる。

 遺伝の話題だ。
 先に言ってしまうと、自分の短所や気に入らない性格の部分を「遺伝」で片付けることや、親は、子どもの性格を誰に似たかなどと、それこそわけの分らない物を遺伝と混同しているのではないかと思う。ああ、でも、そもそも医学的な病理の遺伝とこれを混同しちゃ駄目ですよね。既に話を外してしまった感で失礼しました。
 続編が楽しみです。

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