極東ブログ「日本病化する米国、日銀化する米連銀、白川さん化するバーナンキさん」について
タイトルを見ただけで、アメリカがヤバイ事になっているというのはよくわかる(参照)。アメリカの失業者の生活を失業保険延長で救うのか、雇用問題を片付けるのか、いや、その前に景気を上向きにする必要がある。そのためには、市場に活気を取り戻すためのリフレ政策をせよといった流れを経て、アメリカがやっと問題の核心部分に辿り着こうとしている。だからタイトルは、正しい。そのマンマだ。
経済学者のクルーグマン氏は、ニューヨークタイムズのコラムで、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長を辛辣に批判しているそうだ。そりゃそうです。国が「回復不可能な沈みゆく道だった。」と、日本のように後で手遅れになるのが解っていれば、当然突きまわしでもして気づいてもらいたいと、願わずにはいられないが普通の人間だ。
私もここに散々書いてきたが、日銀総裁の白川氏は、恩師の愛ある言葉にも耳を傾けることなく頑なに「日銀流理論」にとっぷり漬かりきって、国民の悲鳴を聞き入れてはくれない(参照)。日本のデフレが如何に深刻かを知るならば、アメリカが同じ道を辿るわけがないと言いたいが、どうもアメリカは学習できないようだ。
結論はそういうことなので、日本に住む人間なら誰でもアメリカにその道の辿り方は教えてさし上げられる。ただ、今回のエントリーで気になったのは、エントリーの半分以上を占める長きに渡って議会の票の割れ方や、オバマ氏への人望などの背景を、他ソースの引用をして詳しく説明している。ここを注意深く読んで見えてきたのは、アメリカ政府はデフレ状況をはっきりと認識していないということなのか?議会で意見が割れたり、可決できないでいるような状態というのは、現実が見えていないということなのか?そのような状況が続けば、国には錯綜がおこるという具体例でもあると思う。日本は、デフレ経済を20年も抱えてきているというのに、現在もまだ血迷っている。馬鹿じゃなかろうか。
また、オバマ氏支持に関して、側近が理解できていないというのも日本と同じだ。この状態をクルーグマン氏が、馬鹿な日本を比喩に持ってくるのも道理だと思う。見える人には見え、見えない人には見えないと言うものだ。
そして、疑問と言えば、日銀の白川氏同様に優秀なバーナンキ議長は、何故日本を見て、アメリカを救おうとしないのか、この疑問が解ければ白川氏にも火が付くのではないかと、逆に思った。が、その答えは、
政治的な背景によるものだという見方がニューズウィーク所属ダニエル・グロフ氏「Does Anyone Care About Unemployment Anymore?」(参照)にあり興味深い。
グロフ氏はバーナンキ氏の背景に二大政党の政治の問題を見ている。共和党にも民主党にも都合のよい政策ではないということなのだろう。
政治だけではないのかもしれない。そうグロフ氏は見ている部分もある。バーナンキ氏の考えというよりオバマ政権側の対応としてだが、現時点では失業に手を打たないとしているのかもしれない。
結局、危機感(切実感)のない政府が経済政策を開始しないことが問題だということにありそうだ。つまり、前段のオバマ支持、不支持にくすぶっている政党の都合が優先し、連携が不在なのだろうか。それとオバマ氏との信頼感関係の欠如が、政策を推進するエネルギーにならないということだろうか。まあ、政治家は日銀のせいにすることではなく、連銀(日銀)が動かざるを得ないような法律を作るとならできそうなものだ。
日本の政府は、本題を外した無駄な議論をしているだけで、経済問題に焦点を当てて来なかったどころか、そのままねじれてしまった。この辺りは、今朝のエントリー「民主党の気になる今と今後の動きについて」に書いたばかりだ。しかも、菅総理は、選挙の大敗を自ら謝るという一週間に終わった。誰も経済問題を考えていない。日銀総裁の噂も聞こえてこない有様だ。
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