2010-07-01

物価を上げなで消費税だけ上げるの?菅流経済政策について

 ちょっと日が経ってしまったが、菅総理の街頭演説の「ギリシャ」という言葉が、NHKニュースで報じるたびに気になっていた。ニュースは殆どラジオで聞くせいか、朝の5時過ぎから、6時代、7時代と3回同じニュースを繰り返すので耳にタコ状態だが、菅総理のこのギリシャの引用の仕方が、まるで国民を脅しているように聞こえるので気になっていた。
 この事を経済評論家の高橋洋一氏がコラムで取り上げていたのを読んで、この違和感が払拭できた。が、さらに問題が深刻化した感が強くなったのが困りものだ。クリップ程度に書いておこうと思う。
 早速、高橋氏の「国が破綻して年金と給料が下がる」という消費税増税キャンペーンの大ウソ」(ニュースの深層2010.06.28)の引用から。

 曰く、消費税は上げたくないが、上げざるを得ないという。財政破綻危機のあるギリシャの例を持ち出し、「誰が一番被害を受けるか。ギリシャで最初にやられたのは、年金と給料のカットなんです」と言っていた。

 あたかも、国民の年金と給料を守るためには、消費税を増税しなければいけないといっているようだ。

 事実はどうか。

高橋氏は、ここからデータを元に菅総理の言うとおりなのかどうかを検証している。

日本の財政問題はひとえに名目成長率の低さに由来する税収不足である(参照)。

 と、サラッと一言だ。だが、この一言にかなりの意味を含んでいる。「名目成長率」という言葉を理解しないとすっきりと見えてこないものがあると思う。これを簡単に言ってしまうと、実質成長率に物価変動の影響を加味したものが名目成長率なので、高橋氏が言っているのは、物価が安いので消費税収も低いのが日本の財政赤字問題の元になっているということだ。ギリシャの場合は、

ギリシャは年金がデタラメで公務員の給料が高いから財政が危機に陥ったのだ。年金の見直し、公務員の給与引き下げは当然の対策である。国が破綻したから年金引き下げ、公務員の給与が下がったのではない。原因と結果がまったく逆なのだ。さらに付け加えると、下がったのは公務員の給料であって、民間企業のそれではない。

 そもそも名目成長率の低さは、日本だけが先進国の中で15年以上デフレだからだ。日本において、このデフレのままに消費税増税なんて、とても正気の沙汰でない。レスターサロー名誉教授(マサチューセッツ工科大学)が、デフレ下の消費税議論をクレイジーというのはよくわかる。

 誰でもわかる当たり前のことだが、例えば、名目成長率が3%と置いた場合、物価の変動が3%では実質成長率は0だ。実質成長率を2%にするには、その分物価も上がらないと成り立たない計算だ。実は、これは例え話ではないのだ。現民主党マニフェストの経済政策に数字として上がっている(参照)。
 この単純な計算と経済の理屈が、語る場所を変えると応用ができない人がいる。それが新聞の社説執筆者だから困る。昨日のfinalventの日記のクリップ記事があまりにもひどい。

強い経済、強い社会保障を実現するためにも、消費増税などの税制改革を織り込んで、強い財政をつくらなければいけない(朝日新聞社説)。

 消費税を増やして歳入に計上しても、歳出からそれが減るだけなので、強い経済とはならない。自分の財布から自分の銀行口座に預金しても、持ち金が増えたことにはならないという理屈だ。因みに、昨日の大手紙は、取り上げている題材はみな同じで、同じように頓珍漢社説だ(参照)。

だからか、次のようなコメントがついている。

菅民主党の公約が守られれば名目成長率3%だから、財政赤字は半減するのに。というか、守られそうもないというか、菅さん自身理解していない(参照)。

 マニフェストの通りにいけば、なにも増税騒ぎを起こすこともないのに、事実上比較にならないギリシャの例を引用しつつ国民を脅かすような街頭演説をするのは、菅さんご自身がわかっていたらそうはならないでしょう。と、私も思う。きっと、社説の執筆者もわかっていないでしょう。菅さんと並ぶ頓珍漢なことを堂々と書いていらっしゃる。 これで良いわけがない日本だが、皆さんがそれでよいのなら私一人の力じゃどうにもならない。
 ところで、この3%という名目成長率の数字がどのようにして生まれたかだが、昨日のTwitter情報の新聞記事によると、

「50兆円足せ」菅首相鶴の一声 新成長戦略は現実離れした数字?(Jcastニュース)
ただ、「政治主導」の流れで、数字はかなり荒っぽいものになった。09年末、事務方がそれなりに施策を積み上げてまとめた「20年度まで平均名目2.4%成長、20年度の名目GDP600兆円」という数字を、菅氏の「50兆円足せ」という鶴の一声で20年度GDP650兆円、20年度まで平均名目3%成長」という「現実離れした数字」(内閣府筋)になった。

 これは、いよいよ「菅独裁政権第四の道(参照)」の始まりなのかと驚いたが、自らの打ち出す「第三の道」では、消費税増税による財源確保で財政の再建を図るとしている。物価を上げて実質成長率を上げないと不可能な話だ。つまり、消費者の需要が上がらないと物価高にはならない。
 これを私の目線で言うと、財布にお金がない。仕方がないから銀行の預金を下ろす。そうやって食い繋ぐ。それが無くなると、市に申請して生活の保護を求める。財政はさらに悪化する。☚イマココ。

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