2010-07-03

久しぶりのアクアパッツァ:イタリアの魚の水煮スープ:幻の鍋ポワッソニエール(Poissonnière)

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 久しぶりにホウボウを見つけたので、今日はアクアパッツアです。以前にもレシピの紹介はしていますが(☛レシピ)、季節の野菜の変化に伴い、手順や材料も変わりますので新たにレシピを起しました。
 準備する段階でTwitterに晩御飯情報のつもりでTweetした時、「ホウボウが食べられるとはまったく知らずでした」といコメントをブログに頂きました。とても驚いたというのは解る気がします。ホウボウもそうですが、オコゼとかアイナメなどは、みなグロテスクな姿をしていますから、子どもだったら食べられるものとは思えなような雰囲気があるのかもしれません。でも、これらの魚は存外に美味しいのです。また、出汁が最高です。煮魚の魅力は果てしなく、どう料理しても出汁が最高。ご飯にたらっとかけて猫マンマで締め、一滴たりとも残さないのが礼儀です 

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 この出汁ですが、これを兎に角最大限に引き出して、最高に美味しいスープにするのがアクアパッツアですから、絶対にここだけは手抜きは禁物です。この一手間をやっつけたら、後は男の料理というべきか、具材を放り込んで煮込むだけです。

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 余談ですが、このアクアパッツアの為の鍋というのがあるのをご存知?名前は「ポワッソニエール(Poissonnière)」と呼ばれるフランス製の鍋で、細長い形をしています。今となってはすっかりアンティークな鍋ですが、カッコイイ。穴の空いた上げ底の中敷に魚や具材をのせて料理するのですが、これは、取り出すときに身崩れしないための工夫です。実は、訳があって、これをこっそり探しています。国内にはもしかしたらないかもしれませんが、気長に、うふふ。
 さて、作り方の手順に移ります。

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 まず、ホウボウの捌き方ですが、口から二本の菜箸を突っ込んでエラと内蔵を挟んで捻り出す「壷抜き」できれいサッパリ腸を出します(口を広げて箸を一本ずつエラの外側から腹の方向へ差し込むと簡単)。胸鰭などを鋏で切り取ってスマートにしたら水で洗い流して1時間ほど乾燥させます。こうすると、皮に火が通るときに香ばしくなります。その間に他の野菜やおかずん準備などを整えます。
 魚の表面が乾燥したら調理にかかります。フライパンにオリーブオイルを引き、潰したにんにくをゆっくりローストして香りを油に移します。ここで塩と胡椒をしたホウボウを並べて焼き始めます。使うオイルの量は最小限度にしてあるので、テーブルスプーンで周囲の油を掬ってはかけ、皮の色が変わるまでそのまま繰り返します。▶全体に色が変わったら蓋をして油の跳ねる音が静かになるまで約5~6分蒸し焼きます。▶ここから味付けと最後の煮込みです。まず、アンチョビーソースと白ワイン、水、剥き海老を加えてスープのベースの味付けをします。1~2分煮込み、トマトとパプリカ、黒オリーブを加えて蓋をして5~6分煮込みます。最後に味見をして塩で調整します。皿に盛り付けて絹莢エンドウを散らしてでき上がりです。

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材料(2尾分)

  • ホウボウ・・2尾
  • 剥き海老(7cm)・・6尾
  • トマト(小)・・3個
  • 絹莢エンドウ・・20莢
  • にんにく・・2片
  • ローレル・・2枚
  • 黒オリーブ酢漬け・・6粒
  • パプリカ(黄)・・1/3個
  • オリーブオイル・・大さじ2
  • 調味料
  • 塩・胡椒・・適宜
  • アンチョビーソースかアンチョビー・・大さじ1
  • 白ワイン・・50cc
  • 水・・300cc

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コメント

1時間の乾燥とオリーブオイルまわしかけ焼き。

この2点、怠ってました。

うむ、反省して前進あるのみ。

家族でおいしいごはんのために。

投稿: みみこ | 2010-07-03 11:50

みみこさん、作ったんすかっ!しかもヤヴァィ部分を飛ばした、と・・・・

投稿: ゴッドマー | 2010-07-03 11:57

はじめまして。ポワソニエールを検索してこのページにたどり着きました。私は銅の楕円のポワソニエールを所有しています。しかしながら、なかなか使いこなせず苦戦しております。godmotherさんは、
お探しのようですが、何かこの鍋はアクアパッツァ以外にも使えるのでしょうか?

投稿: スノーグース | 2010-12-12 15:37

スノーグースさん、こんにちは。

ええ、魚のクールブイヨン煮やミルク煮ができます。
クールブイヨンは、ブイヨンに相応しい野菜、例えば、玉葱、にんにくセロリやにんじんなどをポワッソニエールで煮て冷まし、下ごしらえをした魚を中敷に置いて沸騰させないようにゆっくり煮込む料理です。ミルク煮も同様ですが、ブイヨンを減らしてミルクを加えて煮る料理です。「修道院のレシピ」P172にも詳しくレシピがあります。
URL☞ http://astore.amazon.co.jp/godmothernryo-22/detail/4255001758 

投稿: ゴッドマー | 2010-12-12 18:07

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