「ホットドック早食い大会はどうしてトラブルに至ったのか?(Newsweek)」から思うこと
昨日のTwitter情報からピックアップした記事、「ホットドック早食い大会はどうしてトラブルに至ったのか?」(Newsweek)で、何がトラブったのかと思えば、読んでみると、これは何に対しても置き換えられるトラブルだと思ったので少し触れておきたいと思った。
取り上げてるのは、アメリカの「契約」に対する厳格なあり方と、習慣の違いによる日本人への助言のような意味を含めたコラムだと思った。「契約」という事を通して関わりを持つことの難しさと、その回避方法という一つの具体例にホットドッグ早食い大会が挙げられている。コラムにも書かれているが、このとこを通して、日本がアメリカという国を知る事なのだと思った。
内容は、ホットドッグの早食いに2006年まで連覇していた日本人男性が2007の大会で破れ、今大会では参加者でもない彼が、会場にいて、大会が終わってから舞台に上がり、逮捕されたと事件が発端だ。この行事は、アメリカの7月4日の独立記念日の「愛国行事」でもあるため、主催者側が「USA王者の引き立て役としての外国の悪玉」のような扱いの意図があったということらしい。これは、あくまでも筆者の推測によるものだが、この日本人男性に再び勝たせてしまうと、悪玉としてのイメージが損なわれることを懸念した主催者側が、彼のエントリーを拒んだことが背景にあったらしい。にもかかわらず、彼はこの大会会場に居合わせ、あろう事か、大会が終わった時点で「俺にも食べさせてくれ」と叫びながら壇上に上がると行動に出た為、警官に取り押さえられたという経緯だ。
コラムでは、この哀れな男性に二つのアドバイスをしている。一つは、この企画との縁を切って、自分が悪玉にならないような別の季節の別の企画で演出をし「自分の場」を作る方法。もう一つは、このホットドッグ早食いの主催者側に過去の勝者として、最大のライバルという位置づけで「経済利権」を獲得するという意見だ。
ここで思ったのは、一つ目の意見には違和感はもたない。このようなバツの悪い結末を見れば、大概身を引くのが道理というものだと思う。問題は、二つ目の意見だ。言うは易く行うは難しというものだと思う。既に警察沙汰になていることでもあるし、主催者側に過去の勝者としての扱いで大会参加者になるという交渉をするなどとは、普通の日本人は、可能性からして無理な話だと諦めるのではないかと思う。でもこの男性の行動を見れば、この大会には思い入れがありそうで、その彼の参加意欲を「再契約」という形で納めれば、まったく問題ないわけだ。また、相手にとっても、契約の内容が納得いくものであれば、契約は成立するはずだ。これがアメリカなのだ、と承服することが利口な立ち回りなのかもしれない。
感情的になると、その敵対心から相手と手を結ぶなどとは考えにくい日本人気質が邪魔すると、ビジネスライクに事が進まないのが日本らしさではないのかと思う。良くも悪くも日本人というのはそういう感覚が強いので、最初から駆け引きに負けているような気がする。アメリカで仕事をするとすると分かる感覚だが、契約にないことは一切する必要も義務も発生しない。契約を盾にいくらでも断ることができる。また、契約外の事を一生懸命やっても何の得にもならないので、そんなことをすると馬鹿じゃないかと笑われることもある。それは人を評価するに値しない事で、契約のとおりに仕事をするだけで評価される社会だ。だからか、アメリカでは自己アピールに関しては積極的だと感じた経験がある。
余談だが、楽天では会社の公用語を英語にするそうだ。「日本企業を脱し世界企業へ」、楽天が英語で海外戦略を発表 (日本経済新聞)
また、後を追うようにユニクロでも2012年から導入すると発表したようだ。また、日産自動車では10年前から導入済みということだ(参照)。
最初は冗談かと思ったが本気らしい。英語を話す日本人は、昔に比べて多いと思うので、就活では大いに若者の人気が集まる会社へと成長するのはよろしいことだと思う。また、楽天の三木谷社長は、早くから海外の学校を選択してアメリカ生活が長い人物なので、さぞ手馴れているのだろうと思う。が、報じているように英語を話せれば良いという事よりも、社内文書や対外的なやり取りに使う為の重要文書などをきちんと英語圏で通用させ、社員にそれを理解する為の英語力を備えるということが基本ではないかと思う。何の為の英語なのかが重要だと思う。先のホットドッグ早食い王者だった日本人男性の失敗に見るように、アメリカでは直ぐに起こる問題だと思う。※finalventの日記でも、少しコメントされている(参照)。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント