2010-06-27

極東ブログ「[書評]伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本(浜田宏一、若田部昌澄、勝間和代)」書評について

cover 「伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本(浜田宏一、若田部昌澄、勝間和代)」は24日に発売されたばかりの新書だ(参照)。私もAmazonに注文してあるのだが、まだ、待ち。楽しみにしている本だが、書評を読んでさらに楽しみになった。
 この書籍を知るきっかけはTwitter情報で、浜田氏が日銀総裁白川氏に宛てた書簡がこの著書の冒頭に掲載されると知ってからだった(「日銀流理論」から日銀総裁白川氏について考えてみる

 本書は対談を書き起こした口語で親しみやすい。若い学生に長く教えてきた浜田宏一氏の語りはやさしく、経済史学者若田部昌澄氏の気配り的な解説と経済評論家勝間和代氏の応答も話題をかみ砕くように適時簡素にまとめていることもあり、全体として読みやすいものだった。(極東ブログ

 これは、ありがたい。読みやすいというのが何よりだ。本文中で触れている経済学者である高橋洋一氏の「この金融政策が日本経済を救う(高橋洋一)」を、浜田氏が称賛しているとのことだが、それならなおのことだ。編集技術も優れているのかもしれないが、非常にわかりやすい説明で読みやすかった。この著書も極東ブログの紹介で購入したのだった。
 国の経済問題に関心を持つようになると必ず知りたくなるのは、政府の政策とその結果だ。そういった観点で政治家の言動にも注目するようになり、次第に深層を知りたくなるものだ。私と経済学者との距離は、その論法が、実生活のための経済学であるかどうかという点によると思っている。高橋氏の経済学の目線は、その点、庶民感覚の部分に金融政策がどう間違っているか、何が正しい方向かといった観点で説明されている。読み終えてからはっとしたのは、政治家の経済政策が茶番劇のように見えてきたことだった。政策の何が私たちに取ってデメリットになるかが嗅ぎ分けできると、政治家の裏までもが見えてくるようになるのだ。だからと言って、見たものが真実であるとは限らない。だからこそ、他方の話にも関心が向くようになるので、どんどん見聞の幅が広がる。お陰さまで、最近は、政治と経済の話が面白くなってきている。浜田氏の今回の本は、本当に楽しみだ。
 日銀と言えば、市中銀行への貸し出しの受け付けを始めたようだ。
➠66金融機関が名乗り 日銀の成長分野貸出制度(asahi.com)

新制度は、環境など成長分野を手掛ける企業に融資や投資をした金融機関に対し、日銀が政策金利(現在は年0.1%)で1年間お金を貸し出し、借り換えも3回まで認める。貸出総額の上限は3兆円。今回の66金融機関には、早ければ8月下旬に初回の貸し出しを実行する。

 このことは、「菅総理の混迷と税調中間報告はこれでいいのか?」で、既に触れている。この政策は日銀にとっては異例のことだと話しているが、緊急措置というとで、長期的な金利政策とは違う。だが、これでしばらくは、大きな政策は無くなるということを意味するのだと思う。がっかりするのだが、この浜田氏の書籍から、何か渦のようなものが巻き起こったりはしないものだろうかと願わずにはいられなくなってくる。
 極東ブログの最後にこのようなメッセージがある。

 菅首相はデフレを放任しないと明言しつつ、財政再建も行うとしているのだが、その二つを繋ぐのが消費税の増税である。増税による正しい投資によって経済成長がなされ、財政再建が可能になるという不思議な経済学である。そうではなく、まず、金融政策が問われるのだという浜田氏の主張は、日銀を超えて首相にも届けばよいと願わずにはいられない。

 「消費税10%」は、国民感情にはタブーな言葉だと私は思っていたが、どうやら今は違うらしい。国民の多くはこの不思議な菅経済学を受け入れているのではないだろうか。または、「増税」という言葉に慣れてしまったのか。誰かが踊り出せば皆が踊りだす。その踊りの輪が広がってくると、周囲で踊らないで見ているほうがバツが悪くなるという心理だ。この選挙騒ぎが、皮肉にも丁度ぶつかってしまった。私たちは、もう少し冷静になって、今一度見直す必要があると思う。

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