2010-06-16

極東ブログ「国債を巡る、破れかぶれの苦笑コンテスト」実はわけあり商品?

 今国会の代表質問を昨日しばらくラジオから聞いていた。久しぶりだったが、昨日触れたガイトナー米財務長官の示唆やG20(参照)との協調も示すことのないこの政府は、これから先どうなるのかという関心があるからだ。野党から、菅総理の打ち出した「強い財政」関する矛盾の指摘や反発もあれば、増税連立として国民に問うては如何かという発言まであったが、答弁では言及されることもなく、特に具体的なものを示す内容はなかった。また、菅総理は、国内の財政赤字を払拭しようという姿勢を崩すとも思われない姿勢だった。そういえば、野党(谷垣さん)の線が細い理由が昨日私なりにわかってきた。詰めがないというか、何故一歩踏み出すということがないのか?なんとなく妥協的になってしまうのは性格?と勝手に思っていたが、高橋洋一さんの説明ではこうだ(参照)。

増税で得たお金を投資に回してもほとんど効果がない。強い財政で強い経済、強い社会保障というのは絵に描いた餅になる。  
 最後に「強い財政」のところで、超党派による「財政健全化検討会議」の設立をぶちあげている。
 うかつにも谷垣自民党総裁は、「民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)が間違ったものだとざんげしてもらわないといけない」としながらも、「条件さえ整えば、今すぐでも応じていい」と述べた。谷垣総裁は財務大臣の時にたっぷり財務官僚の洗脳を受けている。
そうした人物を総裁にする自民党も、政権と対峙するはずの野党とはいえない。

また、高橋氏は、菅総理の経済路線は「絵に書いた餅になる」としている点について、次のような説明をしている。

 普通の考え方では、強い経済が、強い財政と強い社会保障を作る。しかし菅政権ではこう考えない。まず強い財政がある。そのために増税があり、増税で政府が得たお金を社会保障に投資する。そうなると、強い社会保障ができ、それで強い経済になるという。
 これは、所得再分配によって成長するという話だ。単なる所得移転では成長しない。となると社会保障への投資がどの程度の効果を持つかが問題だ。

 このコラムは必ず目を通しているが、今回のコラムはうっかり飛んでいた。昨日Twitterで朝一で流れ、私などが拙い文章とない頭で説明するより数倍わかりやすい上、勉強になるコラムだと思う。
 さて「投資」といえば、「国債を持てる男子は、女性にモテル!!・・・か!?」というキャッチコピーで財務省がキャンペーンを打ち出しているそうだ(参照)。これで笑えたのは、破れかぶれの広告を打ち出した上に、そもそも個人で国債など買わなくても間接的国債があるから大丈夫、というオチまでつけていることだった。菅総理は周知の通り来年度予算では、国債は44.3兆円以下にすると公言している。政治家としてこの発言に責任を取るために、これだけのことをやってきましたよという実績を作らないければならない。その肉付けが、こういった宣伝などの効果ではないかと思った。あくまでも私の推測だが、この肉付け効果は何のためなのかと考えているうちに空恐ろしくなった。
 日本の金融機関は国債を買っている、郵貯などは約50%と聞いているが、昨年度は、その買い入れが半減したためもっと買ってくれと、こういう理屈だ。ところが、国民はなかなか買わないものだ。はてなの30代独身ですら。これは、簡単な理屈で、借り入れをして金利を払うよりも持っている預金を切り崩すというものだ。これが国民の順当な考え方だと思う。つまり、市場でカネが動かない状態だ。ここで国債を買って欲しいという広告は、その効果のほどは兎も角、何とか財政面をバランスさせたいという姿勢を見せるのが菅流。実は、この44.3兆円の赤字国債の数字にからくりがある。これは、簡単な会計手法の一つで、新規国債発行額を減らすことができると説明するのは高橋氏のこのコラムだ(参照)。

 そのからくりは以下のとおりだ。2010年度予算は歳出92.3兆円、租税など歳入48兆円、新規国債44.3兆円である。ここで、歳出92.3兆円は、国債費20.6兆円、地方交付税等17.5兆円、一般歳出等54.2兆円である。ここで曲者は国債費だ。普通の人は、利払費は削減できないので、これは切れないと信じ込んであるだろう。
 たしかに、利払費をカットしたら、それこそ日本国の破綻宣言になるので、できないのはたしかだ。しかし、国債費20.6兆円のうち利払費は9.7兆円で、残り10.9兆円は債務償還費というものだ。
 これは、債務償還のために一時的に政府内に積み立てておく資金だ。一方で、政府は債務償還のために借換債を発行できる。実際、債務償還のためには借換債で対応している。一般会計の債務償還費は、借金を返すためにさらに借金を増やすという「賢くない手法」だ。

歳入    48        歳出92.3
新規国債 44.3     国債費20.6
             地方交付税17.5
             一般歳出等54.2 

 このバランスの国債費20.6兆円のうち利払費は9.7兆円で、残り10.9兆円は債務償還費。この債務償還費10.9兆円が政府積立金としてプールされ、後で穴埋め金に早代わりするということ。先に述べた一般的な預貯金の考え方では、普通は預金があれば新規借り入れをして利息など払うような損なことはしないということを、政府はしますよという話しだ。
 菅さんが声を大にして44.3兆円の国債を守り抜くと言えば言うほど、後で「よくやった!菅首相」と、国民の賛美の声がこだまする寸法だ。果たしてそんな日が来るのだろうか。

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