2010-06-28

メキシコ湾に漂う原油の問題

 イギリス石油大手BP社の原油流出事故どうなっているのか調べてみると、気になる点があったのでクリップ程度に書いておこうと思う。
 確かな数字は見つからないが、流出量は日増しに増え続けているそうだが、ここに新たに、ハリケーンの発生による被害が懸念されている。

➠暴風雨で2週間中断も 原油流出対策に影響必至(MSN産経ニュース)

 メキシコ湾で続く原油流出で、現地対策の指揮を執るアレン米沿岸警備隊司令官は25日記者会見し、同湾に暴風雨が到達すれば、英BP社が取り組んでいる流出原油の回収作業を2週間にわたって中断せざるを得ないとの見方を示した。

 実際BP社は、どのような作業をしているのかと調べると、原油を溶かすための科学合成物質100,000ガロン(40万リッター)を海底と海面に投入したことがわかった(PRISON PLANET)。そして、この化学物質が新たな問題を起こすというのが気になった。

But the dispersants contain harmful toxins of their own and can concentrate leftover oil toxins in the water, where they can kill fish and migrate great distances.

The exact makeup of the dispersants is kept secret under competitive trade laws, but a worker safety sheet for one product, called Corexit, says it includes 2-butoxyethanol, a compound associated with headaches, vomiting and reproductive problems at high doses.

しかし、分散剤はそれ自体有害な毒性を含むため、海中に残留して凝縮した油毒性が魚類を死滅させ、汚染は広域に広がるとしている。分散剤の正確な成分は、貿易法によって保護されているため公表されていない。しかし、労働者安全性に関しては、コレキシトCorexitと呼ばれる成分に含まれる2-ブトキシエタノール2-butoxyethanolが、吸収量が高いレベルであると、頭痛や嘔吐、生殖ヘの問題に関与する。

 自然災害と重なると、これは大変な問題に発展すると感じた。
 BP社にとっては社運がかかっている大事業になっているとも言える。実際14年ぶりで同社の株価が大暴落しているということだ(参照)。そうなるのは致し方ないことだと思うが、気になったのは、アメリカの対応のことだが、バイデン副大統領が29日に原油流出被災地を初めて視察すると発表した(共同)そうだ。ここまで調べて知る中で、どうしても気になって仕方がないのが、極東ブログのこの記事が脳裏から離れない(参照)。蒸し返しになるが、

新しい大統領が職務に就いた数か月後のことらしい。彼が率いる政権は、メキシコ湾沖合水深一マイルにある油田採掘に認可を出した。大統領選で気前よく寄付金を送ってくれた社員を抱える英国石油への採掘権である。同社は海岸汚染を引き起こすかもしれない壊滅的な海底油田漏れなど発生しないと軽々と言ってのけた。
(Imagine that a few months after a new president takes office, his administration approves an offshore oil well a mile beneath the Gulf of Mexico. It is to be run by BP, whose employees were very generous donors to the president's campaign. The oil company airily dismisses the possibility of a catastrophic leak that might destroy the coastline. )

 かくして問題は発生したが、オバマ氏は、事故発生後の11日目にして現地視察に向かい、言った言葉がこれだ。

視察した大統領の最初の発言はといえば、ご心配無用、浄化作業は英国石油が支払うことになるというものだった。
( do not worry, BP will pay for the cleanup. )

 このことを何故黙っているのか不思議でならない。私にはずっとこの問いが頭にある。かつての鳩山さんの時も同様に、なんとなく全て容認されてしまったことへの悔しさというか、許せない気持のようなものだ。イギリスBP社に関しては、正直者は馬鹿を見るとはこういうことなのだろうか。

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