2010-05-01

焼き茄子と豆腐の煮物(麻婆豆腐未満の煮物):八十八夜の別れ霜

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 先日、水茄子の話が出たというだけで無性に食べたくなり、焼き茄子を和風にしようか洋風にしようかと決め兼ねていたところに、麻婆豆腐との連想が重なって、豆腐と一緒に煮るというのを思いついた次第です。麻婆茄子に豆腐が沢山入ったような料理を考えていたのですが、もっと簡単に早くできて、ご飯にかけて食べても良いような料理法はないものかと考えて作りました。
 茄子の香ばしさが生きるように、和風の濃い鰹出汁でシンプルな味付けにしました。使用した豆腐は木綿豆腐で、手で千切って加えましたが、喉越しの良い絹ごしにしてもよいと思います。
 焼き茄子は、ヘタを取ったりせずにそのままグリルで、時々場所を変えながら、表面の皮が焼き焦げるいくらいに蒸し焼きにします。触ってみて、全体がしわしわになったら溜まり水で冷却し、皮を剥いて適当な大きさに切ります。

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 作り方は、時間のかかる茄子をグリルで焼きながら、同時に鰹出汁でちぎった豆腐を煮て、火が通ったら調味料で味付けします。茄子が焼けたら皮を剥いて一口大に切り、豆腐と一緒に煮込みます。表面に片栗粉をパラパラとまぶした豚肉を散らすように加え、肉の色が変わったら水溶き片栗粉を加えます。とろみがしっかり付くまで、2~3分煮込みます。これで出来上がりです。

材料

  • 木綿豆腐・・250g
  • 茄子・・2本
  • 豚肉スライス・・80g
  • 鰹出汁・・150cc
  • 醤油・・大さじ1.5
  • 味醂・・大さじ1.5
  • 酒・・大さじ1.5
  • 片栗粉・・大さじ1(+同量の水)

***
 連休は、ほとんど良い天気に恵まれるらしいです。やっと気温も上がって来たので、畑の種まきや田植えの話題が地域の温泉で盛んです。虎豆を育てたらよいと、豆を頂いたので、連休の何処かで蒔いておきたいと話したら、「八十八夜を過ぎたら蒔いて」と言われて、はてな、八十八夜っていつだったかと調べてみるに、こうありました。

八十八夜(はちじゅうはちや)は雑節の一つで、立春を起算日(第1日目)として88日目の日。毎年太陽暦の5月2日ごろ。

と3日ほどで立夏だが、「八十八夜の別れ霜」「八十八夜の泣き霜」などといわれるように、遅霜が発生する時期である[1]。そのため、農家に対して特に注意を喚起するためにこの雑節が作られた。八十八夜は日本独自の雑節である。
また、この日に摘んだ茶は上等なものとされ、この日にお茶を飲むと長生きするともいわれている。(Wikidedia

 カレンダーを見ると、確かに今年は5月2日が八十八夜で5日が立夏とあります。地域の方は、遅霜を懸念して、連休後に豆蒔きをするとよいと話しています。昔から農業に携わる人々にとって、暦や雑節が覚えやすく、思い出しやすくするための知恵だったのですね。「八十八夜」が農耕時代から引き継がれた言葉だとは知りませんでした。
 九州から引越してきたばかりの数年は借家に住んでいて、大家さんが農家だったため、そこは、茶畑に囲まれたようなところでした。茶摘みの光景というのが焼き付いていて、今でもはっきり覚えています。

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 小学生の頃、大家さんの茶摘みをやらせて欲しくて頼んだら、一番茶の摘み取りが済んだらやらせてあげると言われ、待ち遠しく待っていたのです。一番最初に摘みとるのは、全て手作業で、その作業が終わって次の葉が出てきたら、機械や鋏を使った刈込み作業が始まるのです。やっとその日が来た時やらせてもらったのが、大きな袋のついた鋏で刈り込む方法でした。袋と言っても底が抜けていて、溜めた茶葉を籠に移すときに、この袋の底の部分から一気に流し入れるという寸法です。作業中は、この袋から茶葉が抜け出ないよう、鋏の柄を掴んでいる手で一緒に袋の底も掴んだまま作業をするのです。刈り取り方は、両手でもった柄を開いたり閉じたりしながら新芽の部分を刈り込み、この大きな布袋に上手い具合に茶葉が入って溜まるのです。この袋が一杯になると、まるで、漫画のコウノトリの袋のようになるのです。 

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 大人の人は、この袋がパンパンになるまで刈り取っていました。そして、この袋に溜まる茶葉が重くなると、ところどころに置いてある竹の大きな籠のところまで戻って、袋を空にしてから元の場所に戻るのです。何故こんなことを覚えているのか分かりませんが、その時、袋が重くなってもできるだけ一杯になるまで作業を続行し、長い道のりを戻るのがよいか、戻る道のりを短くするために袋にあまり溜まらないうちに手を止めるか、どっちが沢山楽に作業が出来るかを悩んだことを覚えています。結局、袋が重くなると鋏の開閉ができなくなるので、ギリギリまで袋に溜めこんだような結末だったと記憶しています。あれは確か、小学校の3年生頃だったと思います。そして、思ったより沢山手伝ってくれたと、ご褒美に何かをもらったのですが、それが何だったか全く思い出せません。お手伝いというよりは、私はあの作業での袋の重さとの葛藤が楽しかったのだと思います。
 現在は、実家のそばには殆ど茶畑はなくなり、住んでいた大家さんも、今の実家から近かったのですが、土地を売って他の土地へ引っ越してしまったようです。跡形も無いのは残念ですが、茶畑の大人の声は、今でもあそこから聞こえてきます。
 茶畑のお茶の木をハードルの代わりに飛び越えながら、何十メートルも競争したり、かくれんぼには格好の場所として遊んだ、そういう田舎の暮らしが幼少時代があったことを嬉しく思います。
 茶摘みの光景は長いこと見ていませんが、昔やった、あの袋つきの鋏ならきっと今でも上手にできるような気がします。とてもいい言葉ですね。八十八夜の別れ霜って。

・画像参考:茶々千

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コメント

先日、新芽をつませていただき、それをてんぷらにして食べました。
たけのこ掘りもし、それもたけのこごはんとてんぷらに。
旬の香りいっぱいの献立、春のパワーで心身ともに元気になります。旬のものってかかせないな。
単なる栄養素の問題だけじゃない、大地の気をいただけるとあらためて実感です。

静岡では霜の影響をかなり受けて、お茶農家の心労いかばかりかと心痛いところです。

投稿: みみこ | 2010-05-02 08:03

ミミ子さん、新芽の天婦羅って、食べた事ないです。でも、ウコギに似ている香りだと咄嗟に想いました,産地ならではですね。確かに霜の影響の事は聞きました。よい御茶を育てるのは大変なことです。

投稿: ゴッドマー | 2010-05-02 09:56

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