自生の蕗(ふき)と油揚げの含め煮:韓国海軍哨戒艦の沈没問題は「同盟国問題」であるということ
先週はひどい寒さで、畑に蒔いた種から芽が出ていたら危なく全滅するところでした。恐る恐る畑の様子を見に行ったついでに蕗が30cm程の丈に伸びているのに気付いて、少し採ってきました。また、蕗の葉の下に隠れるように、15cm程の三つ葉も出揃って、連れて行ってと言わんばかりです。こちらもついでい少し切り取ってきました。蕗も三つ葉も、根本で切り取ると直ぐ様良い香りが漂い、この何とも言えない香りが初夏を思わせます。近くでカッコウでも鳴かないかとキョロキョロしたほどです。
自宅に持ち帰った蕗は直ぐに下処理を始めます。根を切ると同時に老化が始まるのでアクが回ります。▶まず水に浸けてから台の上で粗塩をまぶし、手の平でころころ転がして「板ずり」をします。塩揉みと同じような意味合いですが、こうすると茹でた後に鮮やかな色が残り、アクを誘い出します。▶鍋にたっぷりのお湯を沸かし、塩のついたままの蕗を沸騰後、10分ほど茹でて直ぐに水に浸して色止めをします。▶ここで一本ずつ表面の皮むきをします。延々と単純な作業が続くのですが、この時は、そうですね、好きなことでも考えながらか、どうしたら早く作業が進むか作業性の合理化でも思案すると良いです。あっという間に終わってしまうでしょう。
さて、一般的な水蕗は、ここから味付けができます。勿論野生の蕗も大丈夫ですが、かなり苦みが残りますので、▶私は、もう一度塩茹でします。その後、同じように水で直ぐに色止めをしてから味付けにかかります。山でいい気になって沢山蕗を摘んでくると、この作業が長くかかり、二度と蕗の料理は御免となるので、一回分位の量を採ってくるのが懸命です。そして、食べた後に「もう少し食べたいなぁ」という気持ちが残っているのがまたよいのです。
山の蕗は比較的短くて細いので、皮剥きするとかなり細くなってしまうため、伽羅蕗(きゃらぶり)と呼ばれる佃煮にすることもあります(➠レシピ)。どちらにしても自然の蕗は味が濃いので、きっと初めての人はびっくりするでしょう。都会でも、ちょっとした山に入ると直ぐに蕗の葉が見つかるので、散策がてら摘みに行ってはどうでしょう。仮に何も見つからなくても、山の空気をおかずに、おにぎり弁当も楽しいものです。
材料
- 山蕗・・500g
- 油揚げ・・1枚
- 鰹出汁・・300cc
- 白醤油・・大さじ2
- 酒・・大さじ2
作り方
- 鍋にたっぷりのお湯を沸かしている間に、蕗を水で洗い、数回に分けて粗塩で板ずりし、沸騰しているお湯で10分茹でる。
- 洗い桶などに水をたっぷり溜めて、1の蕗が十分冷めるまで浸す。
- 2の蕗の太い方から包丁などで皮を摘まんで剥く。
- お湯を沸かして3の蕗を1%の塩を加えて熱湯で10分茹で、溜まり水に浸して冷ます。
- 4の蕗を4cm程の長さに切り揃え、油揚げは熱湯をかけて油抜きした後、1cm幅の短冊に切りそろえる。
- 鍋で5の蕗を鰹出汁で5分ほど煮た後、油揚げを加え、酒、白醤油を加えて10分ほど煮る。
- そのまま冷ましからいただく♪※直ぐに食べる場合は、少し濃いめに味付けすると良いです。
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15日夜、北朝鮮の警備艇が二度に渡って韓国領海に侵入し、警告射撃の結果退却したそうです(読売新聞)。昨日、このニュースを知った時は、日本の直ぐそばで起きていることなので恐ろしくて鳥肌が立つような思いでした。Twitterでは、直ぐに「同盟国の問題なんですが、日本のメディアわかってなさげ。」という反応をもらって、今月の初旬の出来事が浮かびました。それは、韓国海軍哨戒艦が沈没した時の表明で、北朝鮮から魚雷の攻撃によるものではないかとした時のことでした。韓国が中国を牽制する意味で、国際協力を通して原因の究明をはかることを強調するために報じたようでした。牽制する理由は、北朝鮮の金主席が当時中国を訪問中だったため、中国は北朝鮮を受け入れていると見ていたからです(参照)。このころから、この海域に何が起こってもおかしくない緊張状態ではないのかと、私自身の関心が深まったのです。5月6日に、「この沈没の原因を究明し、北朝鮮の関与が明確になれば、南北(朝鮮)が一気に緊張するのは避けられない」(47NEWS(よんななニュース)と言っていたことが、現実問題になりつつあるようです。記事を拾っておくことにします。
⇒北朝鮮の攻撃と米韓が判断 哨戒艦沈没、韓国紙報道 - 47NEWS(よんななニュース)2010/05/06 11:55 【共同通信】
同紙は、合同調査団が遅くとも今月中旬までに最終の調査結果を発表するとしており、沈没原因が北朝鮮による魚雷攻撃と公式に判断されれば、南北関係が一気に緊張するのは避けられない。
韓国軍と米軍などの民間専門家による合同調査団関係者の話としている。同紙によると、火薬は沈没の際に分離した哨戒艦の煙突部分から検出された。回収されたアルミニウム片は、韓国内の武器に使用されていないことも分かったという。
こうした内容は、調査団に参加する米軍関係者を通して米政府も把握しているという。(「まあ、そゆこと」finaventの日記2010/05/06)
ここでも触れている通り、これはアメリカと韓国の同盟関係が今後より親密になることを意味していました。そして、昨日米韓が一致して、北朝鮮による魚雷発射は、同盟国に対する軍事攻撃だと報じています。
哨戒艦沈没:米国「同盟国への軍事攻撃と見なす」(朝鮮日報(2010/05/15)
「米国は天安事故を単なる事故とは見ておらず、同盟国の軍隊に対する軍事攻撃と見なし、この件にアプローチしている」と語った。15人の専門家を軍民合同調査団に派遣した米国は、調査の進行状況をリアルタイムで把握していたという。
米国は今月11日、カート・キャンベル国務次官補を中国に送っており、「天安事故の調査結果発表と対応措置より前に、北朝鮮の核問題を話し合う6カ国協議を再開するのは難しい」という意向を中国側に伝えたものと思われる。
私もこの流れを懸念して以前書いたことですが(参照)、北朝鮮が6カ国協議に戻って話し合いに応じるとは思えませんでした。さらに、今後の話し合いにおいて中国と北朝鮮の関係上、中国の対応が問題になってきているのです。
哨戒艦沈没事件、米韓の見解一致で今後は中国の説得がカギ(サーチナ2010/05/16)
韓国は日米などと連携し、国連安全保障理事会での制裁を求める構えだが、今後の対応のカギは中国。そのため、韓国では会談前から沈没事件に対する中国の出方に焦点が当てられていた。しかし、中国は「客観的・科学的な証拠」の重要性を強調するにとどまり、北朝鮮が関与したことを証明できる確固たる証拠がないかぎり中立の姿勢を貫くとみられる。
一方、韓国メディアは天安艦沈没をめぐり、アメリカとは認識が一致していることを強調、アメリカ政府との緊密な協力を通じて中国を説得していくとの動きがあると報道する。アメリカ議会の上院でも米韓同盟の重要性の強調し、国際社会による真相解明を全面的に支援するなどの内容が盛り込まれた「天安決議案」を全会一致で採択しており、韓国メディアは、哨戒艦沈没事件の解決に向け、アメリカとの協調関係を内外にアピールしている。
こうなると、日米韓と中朝の関係が浮き彫りとなり、増々日本は、アメリカとの同盟がどのような意味をもつか、またその中での役割りが問われてくると思います。沖縄基地移転問題で露呈した通り、今の日本政府は同盟国という意識が薄く、「抑止」の認識もなかったに等しかったのでアメリカが呆れている状態です。鳩山さんがかつて言い続けていた「対等」という言葉の認識が問われる時が来たように思います。
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