2010-05-10

春葱のかき揚げ(葱坊主が出てしまった):「2000年と2010年の口蹄疫」について思うこと

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 昨年の春先に種を蒔いた長葱が、雨の多かった夏に育ちにくく畑に残っていました。今年の春先に、その姿が葱苗のようだったので、私の浅知恵で、それを移植して育ててみたのでした。ところが、葱坊主が出てきてしまったのです。葱は、ゆっくり育って、一年かかって花を咲かせるのですが、ここで一生を終わるのだと学びました。つまり、食べごろではないという事です。これもなんとなく季節の味わいがあります。

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 葱坊主というのは、種がしっかりついてくるとかなり重たくなります。その重たい頭を支えるために、軸をしっかりと作る必要があります。いつも食べている葱の白い部分が幹のようになるのはそのためです。逆に、夏葱は、昨年のお盆頃蒔いた種から育った苗ですから、今からどんどん大きくなって行きます。この入れ替わりの微妙な時期で、八百屋さんでもネギが品薄になるのです。っそこで、水耕葱という細葱が一年中あるので、夏の薬味に大変助かります。困らないようにうまく出来ていますよね。 

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 さて、葱が柔らかいうちに、早速、かき揚げにしました。そう、ねぎだけです。釜上げのシラスが冷凍庫にいい感じに残っていたので一緒にまぜて、軽く揚げてみました。かき揚げのレシピは、色々な食材で作ってきたので、私の作り方もほぼ固定的になってきています。いつもの方法で作ってみて、一番近い感じが人参の間引き菜の天ぷらです(➠レシピ)。但し、葱の場合は、枝のようにつながっていません。これが、シラスを入れる理由で、シラスのあのわずかな体長が、葱同士をつなげてくれます。

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 また、普通のネギと違って細いので、コロコロしています(➠レシピ)。若干粉を多くしてつなぎを強化すれば揚げやすく、バラバラに崩れることもありません。木べらの上に乗せてそっと鍋肌から流し込むように油に入れます。これがうまくできない時は、大葉や行者にんにくの葉に乗せて滑り込ませるとよいと思います。

材料

  • 葱(青い細めの葱)・・150g
  • 釜揚げの桜海老・・30g
  • まぶす粉・・大さじ3

つなぎ卵液

  • 溶き卵・・大さじ2
  • 水・・大さじ1
  • 小麦粉・・大さじ2弱

作り方

  1. 衣液を書いてある順にボールに入れて小麦粉が馴染ませるため、そのまま揚げる時まで寝かす。
  2. ボールで小口切りの葱とシラスを合わせる。衣を混ぜるのは揚げる直前にしたいので、頃合を見て揚げ油を中火にかける。
  3. 油の温度を180度(菜箸を入れて、先から直ぐに気泡が上がる程度)に上げる。
  4. 2のボールに分量の「まぶし用」の小麦粉を振り入れ、両手で上下に返しながら数回でサックリ混ぜ合わせる。
  5. 4につなぎ卵液を回し掛け、菜箸で(ここもサックリ大きく)上下を返すように大きなアクションで混ぜる。(腕の付け根から大きく)
  6. 油が180度になったら、鍋の側面から菜箸でつかめる分量(この場合は1/6)を滑らせるように入れて揚げる。

油の温度を変えないように、鍋の面積の半分位の量を揚げます。

***
 今回の口蹄疫が、はっきりと断定されて報道されたのを知ったのは、連休最後くらいでした。途中、ニュースを聞き逃していたので、伝染がかなり広がっているという状況でした。このウイルス性の伝染病のこと自体あまり詳しく知らなかったので、自分で調べてみると、2000年に宮崎県で発生した時の調べで、中国の藁(わら)が原因ではないかと言われていたらしく(参照)、発動が早く、3月12日に僅かな牛の異変から始まり、5月2日には終息宣言が出されたそうです。
 そして、10年後に当たる今回は、またしても宮崎県で起こりました。新聞やニュースでは、被害や影響に関しては連日報じるのですが、社説では一言も触れていないのを奇異に感じていました(参照)。2000年の宮崎の被害を遥かに上回る勢いで、家畜に伝染し、酪農家達は悲鳴を上げているというのにです。私の身近な人は、「人体に影響ないから報じないのじゃないか」と言いますが、この口蹄疫に直接掛からなくても、別の意味で死活問題です。危機感を持ったり関心を寄せることは、自分自身の身を守る事に繋がるので、大切な事だと思います。
 このような事が起こった時に、メディアが報ずべきこととして私なりに思うのは、まず、その事実関係と状況把握で、次にその影響や国の対応などを知ることです。それによって、同じ国民としての痛みの部分をどのように感じ、次をどうするか、という事を自分の問題として捉えられるのです。行政や国の防備としての動きとは別に、国民一人一人の問題として考えやすくするためにも、全ての社説がぴったり口を閉じているのは、その事のほうが問題です。
 昨日、極東ブログで、今回の経緯と2000年時との比較をまとめてくれたので、非常にわかりやすく、また、政府の対応の違いが歴然です(参照)。これだけの被害に至った理由に、政府の対応が迅速でなかったからだということがうかがえます。
 改めて、口蹄疫の実際の影響を抜粋します。

口蹄疫は、牛、豚、山羊、鹿、猪、水牛など偶蹄類に感染するウィルス性の病気である。家畜伝染病では最も伝染力が強い。空気感染もする。治療法はないが、重病とも言い難い。放置すれば通常発病から2週間ほどで回復し、死亡率は低い。だが、発達障害・不妊などの後遺症を残し、畜産業に大きな経済被害を与えるので、感染確認後は家畜伝染病予防法に基づいて殺処分されることになっている。人への感染はほぼない。食肉には問題ない。

サラッと問題がなさそうにも読み取れますが、今回のように対応が遅れると、まず酪農家の死活問題に発展します。食肉の需要と供給バランスが崩れることで、価格の高騰に影響しますので、起きて欲しくない伝染病であることは確かです。日本は、口蹄疫清浄国なので、この伝染病を確認した時点で、全ての家畜が殺処分されますが、お隣の国ではワクチンをかなり使用するようです。これが逆に口蹄疫の温床になっているのではないかという疑念がわきます。その理由に、農林水産省畜産局術生課の資料に以下のような事が記載されています。

1. 口蹄疫のワクチンは、発病を抑えたり、症状を緩らげたりする効果があるものの、ウイルスの感染自体を完全に防ぐことができないため、保菌動物を生じさせ、ウイルスを国内に定着させてしまうおそれがあります。
2. 防火帯のようにワクチン接種地域を作って爆発的な感染の広がりをくい止める方法がありますが、再び口蹄疫の清浄国になるためにはワクチン接種をした家畜を全てと殺することが前提となり、長期かつ多大の経済的負担を生じることが想定されます。
3. わが国のような口蹄疫の清浄国で発生した場合には、早期の発見と迅速な殺処分により短時間のうちに流行をくい止めることがもっとも実際的といえ、また、今回の発生では今のところ急速な伝播が見られていないことから、ワクチンを使わずに感染の拡がりをくい止めることができるものと考えています(参照

 私も無知でしたが、このような家畜の伝染病には、世界的な水準で対応策がとられている訳ではないのです。昨年、ブラジルで発生したインフルエンザが、世界的に伝染した時は大騒ぎでした。人体への直接的なダメージだということもあって、かなり敏感になりますが、家畜に関してもそれなりの基準を設ける事が必要になるのではないでしょうか。素人の私がいうのも何ですが、これだけ世界中で食品が共有されている世の中ですから、その必要があると思います。
 また、極東ブログで知って呆れたのは、政府の担当相は、海外出国前に報告を受けていたにも関わらず対応していなかったということです。また、自衛隊の出動に待ったをかけたと言うのです。

申し入れを受けた農林水産省の長、赤松農相だが、同日関係閣僚とともに、メキシコ、キューバ、コロンビアでのEPA・FTAの国際会談のため、成田を旅立った(参照)。
舟山農林水産大臣政務官は、デンマーク政府要人との会談及び現地視察のためデンマークに出張で5月4日、成田を旅立った(参照)。
両者の帰国は5月9日、今日である。そして、赤松農相が宮崎県を訪れるのは明日である。

 今回のこの被害は、2000年の時とは比べものにならないほどに拡大しています。これは、政府の対応が悪かった以外の何ものでもありません。極東ブログでの比較を見れば、それは一目瞭然です。 
 コメント欄で、「これは民主党政権が引き起こした人災です。でもあなたは事実しか書かず、批判すらしない。なぜですか?」という名無しのコメントについてですが、ここから言わせてもらうと、普通に文字を読み、フラットな立場で文脈を読めば、わざわざ批判などする必要がどこにあるというのか。その役割を求めることは悪いことではないですが、極東ブログに求めるのはお門違いかと思います。そのような発言のもとにあるものは、集団心理を悪用するよう、ブログの運営者に求めているのかに解釈できますが、読み手は読み手のスタンスを持てば良いことです。既に批判が書かれていたとしても、それも静かに読み取れば良いことです。それで自分の不満が払拭できないのであれば、自分が書き手になるかです。

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