畑の日の夕食はピザに決まっている!体調が最悪なことに:小麦粉に拘る私の理由
暑い寒いが何度か繰り返されるうちに、平均的に気温も上がってきました。ベテランのお婆様は、今年の天気を「まだ早い」と見て、一番最初のえんどう豆でさえ蒔かないと決め込んでいますが、私の畑にはほうれん草と春菊の芽が2cmほど出ています。えんどう豆もほんの少し土を持ち上げています。早いと判断するのは、芽が出た後に霜が降りたりするのを皆懸念しているのですが、半とでるか丁とでるか、先が楽しみです。
耕運機、動かしてしまいました。というか、説明の通りにやればエンジンはかかるものですね。問題は運転です。理屈はわかっていますが、何回やっても土に対応しながら腕の力の抜き方押し方が上手く行きません。今日は、両腕と手首が未だかつて経験したことのない筋肉痛と、指は浮腫んで何だか上半身は自分のものじゃないみたいな感覚です。蒔いた種は、長葱、人参、ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ、トマト、ミニトマトで、種じゃが芋4種類、種里芋でした。くたくたで帰宅したので、どうしても夕食がぱっと作って並べてポン、みたいな献立になります。考えてみると、農業をされている方は偉いですね。戸外で働くというだけでも疲れるというのに、家事をこなすというのには脱帽です。そこへ行くと、やれやれな私です。まったく。
こういう時の料理は、一品に限ります。栄養バランスが良く、材料を放り込んだらハイでき上がり!みたいに直ぐにできるものです。準備は万端整えてからということで、前日に小麦粉をこねて生地を仕込み、出かける前に生地を焼いて半分以上終わらせておくのです。帰宅後、夕食間近に材料をのせてオーブンで焼くだけにします。今日は「分業で全て手作りする」ピザレシピの紹介です。
この方法が功を奏したようで、生地がどこもかしこもカリカリで、厚めに焼いたにしてはよい焼き加減にできました。以前友人が、先に生地を焼いてから具を載せて焼いた方がカリカリとして美味しくできると話ていたとおりです。この方法はとてもお勧めです。おそらく、もっと小さなサイズで例えば一人分の20cmサイズ位で焼いて冷凍しておくとよいです。市販のそういうのを以前買ってみたことがありますが、大した手間ではないので、美味しい小麦粉を厳選して、そこは最高の贅沢をするのです。
生地はこれまた分業で、▶前日(作る12時間以上前にこねる)に15分ほどこねてレジ袋に密閉し、冷蔵庫でゆっくり発酵させておきます(➠低温圧力長時間発酵生地レシピ)。▶ピザ生地は、パンのように膨らませる必要はないので、袋から取り出したら天板に直ぐに広げます。▶フォークで穴をあけて180度で15分焼いて冷ましておきます。▶食べる時間から30分くらい前に材料を用意します。▶ピザ生地の上にトマトけチャプ(HEINZ製に限っています)を塗り、オレガノを振りかけてチーズをのせ、好みの具を載せます。▶最後にチーズをもう一度薄く散らして180度に予熱したオーブンで20分ほど焼きます。
具は好みですが、私のピザで人がいつも驚くのが「イワシのトマト煮缶」です。缶詰なら鯖や秋刀魚の蒲焼も美味しいです。これがトマトやチーズとバッチリなのです。強くお薦めします。
因みに、ほうれん草をオーブンで空焼きしたものは、ポテトチップスに似て非なるものになります。ビールのおつまみにカロリーの高いポテトチップは止めて、ほうれん草のオーブン焼きをお薦めします(180度で4~5分)。オリーブオイルを少し垂らすとほうれん草のビタミンが良く吸収されますよ。「野菜と一緒に油脂を摂取するとビタミン吸収を補う」と言うのを常識化するとよいです。
材料(生地)
- 国産強力粉・・400g
- ホシノ天然酵母・・30g
- ドライイースト・・4g
- 塩・・4g
- 水・・210c
材料(具)
- 玉葱のスライス・・1/2個
- えのき茸・・1/2株
- ほうれん草・・1/3束
- トマトの輪切り・・中2個
- 鰯の水煮缶・・140g
- ミックスチーズ・・200g
【我が家のピザ】
☆➠手製のクリスピーピザ四種
☆➠蕎麦ピザ
☆➠オーバー発酵の生地で和風ピザ
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私が本格的にパンを焼き始めたのは10年程前ですが、当時から小麦粉は「はるゆたか」と決めて使っています。矢野さき子さん(大正15生まれ)が、星野さん(ホシノ天然酵母の生みの親)と協力して、当時国産小麦は膨らまないとされていた常識にお二人で挑戦した、という本を読んでから私にも火がついたのでした。実際、東京都保谷市(2001年(平成13年)1月21日に田無市と合併し現在は西東京市)に住んでいる矢野さんにご相談して、アドバイスを頂いたこともあります。矢野さんが「はるゆたか」を奨めていたのがきっかけで、以来ずっとハルユタカでパンを作っています。はるゆたかは作付けが難しく、生産量が不安定な小麦粉だと言われている通り、よく品切れとなります。入手できない時は、あれだこれだといろいろな種類の小麦粉を試したので、国産だけでも10種類以上は試作しています。グルテン(小麦粉が含むタンパク質のことで、パンの生地に゛引き゛をつけ、ふっくらとした生地にする働きをする)を添加して安定させている国産小麦粉が多い中で、唯一そのグルテン量が単独で多いはるゆたかに敵う他種の小麦粉はありません。ただ、最近ですが「春よ恋(姉妹種)」がかなり収量が安定している品種だそうで、改良を重ねた結果、小麦もどんどん進化しています。
私が外国産の小麦粉を好まない理由は、ポストハーベスト(輸出の輸送中の害虫に対応するために農薬散布すること)による残留農薬の高濃度が気になるからです。作付け中ではなく、直接口に入る直前の散布なので無視できません。時々使用するという程度の量ならまだしも、パンは主食ですから、食事の中での割合は多いので外国製には少し敏感です。勿論、日本で販売されている以上、健康上に障害をきたさない水準は超えていないと信じたいです。ハルユタカの品不足を補うために、ほぼ一年中入手できる代替え商品の「はるゆ
たかブレンド」という小麦粉も使用しています。いずれにせよ、国産の小麦粉は弾力に優れていて、水分も多く含み、しっとりとしたパン生地になるので、私は大好きなのです。
パンと言えば、私も今までかなり料理アイデアを頂いているfinalventさんも、随分前から「ハルユタカ」や「国産小麦」が美味しいとお勧めだったのですね。念のため、いつごろの話かとブログを辿らせてもらいました。残念ながら、ネット上で小麦粉のブランドを指定してパンレシピを掲げているブログは多くはないです。彼とは同じ時代のせいか、単に味覚が似ているせいか、小麦粉や米類の奥の味わいというのを知っている方だと思います。きちんと味わって食べてみると、自ずと国産の小麦粉で作ったパンが美味しいということにたどり着くと思います。しかも江別製粉の「はるゆたか」です。そういう味わい方で食を楽しむという風情が、花が美しいという感覚と同じように心を和ませてくれるものなので、どこかで繋がった感性なのでしょうか。
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