秋子の干し椎茸ご飯:旬を頂く贅沢:新聞社はブレ始めたのかそれとも進歩か「日経」電子版で思う
先日、椎茸栽培をしている近所のお婆様から、自家製の干し椎茸を頂きました。ハウスで育てられている椎茸とは違って、この土地の天候を受けいれて自然に育った椎茸の生命力そのままの姿ですから、なんとなくパワーも感じます。
家の近くの里山を歩いて行くと、ビニールハウスから煙が立っているのに遭遇しますが、小じんまりとキノコの栽培をしているハウスです。ハウス物に助けられて真冬や真夏でもキノコが食べられるというのは事実ですが、山を持っている人は、木に菌を埋め込んだ原木を林の中に置いて、自然環境の中で栽培をしています。これが天然キノコです。キノコは気まぐれなので、条件が整うと、ある日突然ひょっこり現れる時もありますが、普通は、春に埋め込んだ菌が秋に芽を出す秋子(あきこ)か、その後しばらく休んで、引き続き春先に出てくる春子(はるこ)です。秋子は、椎茸の中でも一番最初に収穫できるので、張りがあって元気がよく、数も多くて華やかです。
今日の干し椎茸は、秋子をひと冬かけて天日干ししたもので、弾突に香り高いです。一番美味しい旬に収穫した天然の椎茸の干したものですから、そうですね、こういう入手困難で稀少価値の高い物は、こう言っては何ですが、老い先の短い実家の父母などに食べさせてあげたいものです。
さて、戻し方は昔から決まっていて「水」が一番です。水の温度が低い方が椎茸の旨味を引き出すと言われています。そして、調理中に温度が上昇すると酵素が働く事で旨味が引き出されると言います。経験があると思いますが、急いで椎茸を戻す時に熱いお湯で戻してしまうと、料理では香りや旨味が抜けて味気なくなります。それでも椎茸は椎茸ですが、せっかく時間をかけて自然に干したものですから、その旨味を逃すことなく食べ切るというものです。
戻した椎茸は厚すぎず薄すぎずの丁度良い厚さにスライスします。油揚げは、湯通しして油を抜いてさっぱりさせるか、そのままで油を残し、炊き込みの旨味にするかはお任せします。
▶洗って30分置いたお米に椎茸と油揚げをのせ、分量の調味料に水を足して炊飯の水分量にして炊き始めます。土鍋で炊くのが一番美味しいですが、厚手の鍋でもよいです。▶蒸気が激しく上がり始めたら火を弱めて10分炊き、火を止めて10分蒸らせば炊き込みご飯の完成です。▶この後、お櫃に取るのが一番美味しいですが、ない場合は、炊飯器の保温に長く置かずに一旦取り出して空気を当て、冷めてからタッパーに移すとよいです。因みに私は、おにぎりにして冷凍保存します。
材料
- 米・・2.5合
- 薄口醤油・・大さじ2
- 酒・・大さじ2
- 塩・・小さじ1
- 水・・上記調味料に足して2.5カップにする
- 干し椎茸・・40g
- 油揚げ・・1枚
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書籍が電子化なら新聞もというわけでもなさそうですが、ついにと言うか、日本経済新聞も3月23日から電子化が始まっています。ここの「続きを読む」コーナーで既にお気づきの方もいらしゃると思いますが、昨日の新聞の切り張りも日経からのものです(記事のコピペは基本的にできないようです➠有料だからかな)。電子化が進むのと並行して紙が無くなって行くのかと思いきや、そうでもなく、並行して発刊するらしいのです。私は「紙」の世代ですから、書籍も新聞も雑誌も、個人的には紙が好きです。と言いながら、このブログを電子書籍化して、自己出版しようなどと目論んでもいるわけですが、最近、自分の好みとする「紙」文化との温度差のようなものを感じています。その辺のことを少し書いておこうかと思います。
私がTwitterを始めた頃ですが、推定30歳代前半の青年とマラソンの話題でのやりとりで、ちぐはぐなものを感じたのが最初でした。紙の新聞を読む私が、正月の箱根駅伝の記事について話していた時、その青年は、マラソンのことは知らないというので、過去何十年感も続いている箱根駅伝なのに、しかも日本の大学に通ったことがあるのなら、多少の情報は知っているはずだと踏んだのですが、彼は世間でそんなことがが起こっているなどは知らないと言うのです。そこで私は彼に新聞を見れば、全国のどの新聞にも載る話題だと話すと、「新聞は取っていません」と言う返事でした。この時思ったのは、これから先、紙を読まない世代がどんどん増えれば、「世間話」という一般化されたような話題や、「注目記事」「「三面記事」「社説」というような部分性の話が無くなるのではないかという危惧を抱いたのです。
例えば、日経のネットニュースですが、「リアルタイムの速報」と「関心記事のキーワード登録によるカスタマイズ機能」が最大のウリだそうです。日経に始まったことでもなく、Googleニュースでもキーワードをメールのお知らせ機能(メールアラート)や独自のセクションとして、ニュースのページを自分専用にカスタマイズすることもできます。これが何を意味するかというと、関心事の記事だけを収集するのですから、関心が向けられない記事側から見ると、「そんなことも知らないの?」となるわけです。で、私世代は、「新聞のトップ記事と社説、ついでに三面記事位は、朝、目を通しておくくらいでないとビジネストークにもならない」と、叩き込まれているので、必ず目を通すというのが習慣です。つまり、新聞の良さは、自分が求めてもいない情報源であり、薄学の宝庫のようなものです。これがネットの新聞となると、違います。
昔のように切り抜きスクラップなどしなくても、キーワード検索で各紙から山のような情報が無料で集まるのです。そういう中で、日経は現在お試し期間なので無料ですが、五月から一ヶ月4000円の購読料になるとゲゲゲです。お高いですね。というか、強気なのですね。日経の特徴は、大手企業の主な動きや投資、人事などの情報に強みはありますが、その力が秀でているとしても、それに月額4000円を払うか?と私に問うならNo,thanks。ましてや今の若者は、情報リテラシーの能力に長けていますから、少数のトピックに多大な情報を保有しています。ですから、有料の新聞でなくとも間に合うのではないかと推測します。
昔だったら、自分の贔屓とする新聞社が経営不振でヤバイことになっているなどと聞こうものなら、せっせと購読して存続に協力しますが、最近は知らない間にいろいろな雑誌や夕刊が廃刊になったりしていますので、個人ではとても追いつきません。日経も昨年は大赤字だったそうで、それもあってか電子版に踏み切ったそうですが、今の世の中、そういう巻き返しはもう効かないという感じがします。既に各紙とも無料で配信していますし、先に話したように日経ならではという記事は、そう多くの人が求めているとは思えません。
パソコン向けではなく、これが例えばipad版やkindle版という異質の端末での購読専用というようなことであれば、購読者はそれなりの対価として受け入れ、有料であることそのものに違和感は持たないと思います。
世代的な温度差について書こうと思っていたのですが、その事はどうも取り掛かりとしてであって、ネットをどのように使いこなすかによって、情報を適材適所に配置してあれば、紙を電子化にしても悪くはないという結論のようです。
うーん、個人的な気持ちは「紙」に傾倒しているのですけどね。どこかで路線が変わってしまいました。
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コメント
おいしいそう~~
ご飯と椎茸大好き~ (o^-^o)
投稿: テレンス | 2010-04-12 11:35
テレンスさん、ご飯と椎茸だけなの?って、家の人に驚かれたのですが、美味しいものというのはそう世の中にあるわけではなく、今回のような頂いた貴重な椎茸が如何に希少かと、それが味わえるような料理の仕方というのもあると思います。私が出来ているという意味ではなく、目指すところというのかです。
投稿: ゴッドマー | 2010-04-13 10:39