フルーツの酸味とトマトの甘みだけのノンドレッシングサラダ:「モートンの熊の手」の比喩が意味するもの
季節的には柑橘類が一番多いシーズンの今だからこそ、美味しい組み合わせのサラダの紹介です。また、生野菜を手軽に食べて欲しいと思うので、ドレッシングを必要としない組み合わせにしています。野菜や果物の味を生かし合うだけなので、出来上がってみると、その意外性も楽しめます。今日は、ルッコラ(イタリア野菜・ハーブ)とクリームチーズを和えるための組み合わせとして、酸味は美生柑、酸味を和らげて甘味を加えるのにトマトを使いました。オイルは、オリーブオイルを最初にルッコラにまぶすだけで、他に塩などは一切使っていません。
まずルッコラですが、若い葉はやや苦味のあるシャキシャキした食感の野菜で、代用するとしたら水菜がかなり近い感じです。ドレッシングの酸味として美生柑を選んだ理由に、グレーブフルーツのような苦味がよく似ていて、ルッコラの苦味と相乗効果があり、逆に和らぐのです。実が柔らかいので、食べながらその軽い酸味が混ざり合って、野菜を食べていることを忘れてしまうような感覚が楽しいのです。クリームチーズとも相性がよく、性質の違う物どうしが味を引き出し合うのがとても新鮮です。ここにトマトが加わると、不思議に甘さを強く感じます。特別に完熟を使用した訳ではありませんが、トマトの味が一層強く感じられて、これもまた美生柑に助けられているような気がします。
表現するのが大変難しいのですが、野菜の味のフレームが掴める一品です。ドレッシングをかけてしまうと、野菜の個性がわかりにくくなり、どちらかと言うとドレッシングで味を誤魔化してしまうような気がします。シンプルなサラダから野菜や果物を味を知って、その特徴を味わって欲しいと願うものです。
因みに、柑橘類の画期的な剥き方はこちらです➠
材料
- ルッコラ・・40g
- クリームチーズ・・30g
- 美生柑・・1/2個
- トマト・・80g
- オリーブオイル・・小さじ2
作り方
- ルッコラを洗って水気を切り、適当な長さに切ってオリーブオイルで和える。
- クリームチーズを千切って1に加える。
- 美生柑の皮を剥いたら、袋を潰さないように二つに分け、房の外側に当たる部分の中心に包丁を入れて開き、実だけ取り出して1に加える。
- 湯剥きしたトマトを一口大に切って手で握って潰しながら1に回しかけ、最後に潰れたトマトも和えたら出来上がり♪
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昨日、米紙THE WALL STREET JOURNALの日本語版を読んでいて、「モートンの熊の手」という言葉が比喩として文中に使われているのですが、その意味が分かりませんでした。意味は分からずとも前後の文章で繋がりはわかったので、調べずになんとなくそのままにしておいたのですが、昨日の極東ブログのエントリー(モートンの熊手(Morton's fork)?)を読んで、その意味が大変重いことに気付かされました。また、私が昨日書いた鳩山さんご自身の事にも関連して、そのような理由が前提にあったとしても、アメリカの鳩山さんに対する評価は容赦なく具体化してきていているのを思い知りました。
THE WALL STREET JOURNALの日本語版ではこのように使われています。
日本は今、どちらも望ましくない選択肢から選ばざるを得ない「モートンの熊手」状態に陥っている。すなわち、米国に無視されるか、解決のしようがほとんどない問題とみなされるかの、いずれかだ。
このコラムの大筋のような部分なので取り出しますが、「米国に無視される」というのは、沖縄の普天間基地移転はしないということだという解釈をします。ですが、「解決のしようがほとんどない問題とみなされる」というのが、ピンと来ないのです。
モートンの熊の手の意味は、極東ブログによると、「モートンの二者択一」と解した方がよさそうだと指摘しています。モートン司教の、徳税を上げる矛盾からその名をとってつけられたそうです。つまり、モートンと来れば、それは悪い事例を並べてどちらかを選択しなければない、という場面の時の比喩に使うようです。 ならば、鳩山政権がいただけない政権で、沖縄問題は現状のままとりあえず保留というのは仕方が無いこととしても、では、後者は?「解決のしようがほとんどない問題」というのは、どのような悪い問題のことなのかという答えはここでしょうか。
米日同盟の決裂は誰も望んでいない。だが、鳩山首相が事態を何とか一変させなければ、両国関係は確実に後方に追いやられてしまうだろう。これには、自らの政権の掌握と連立パートナーの抑制、沖縄県民との現実的な基本合意の形成を含め、政治的手腕が要求される。だが現在までのところ、鳩山首相はその手腕をまったく持ち合わせていないように見える。
この最後の「鳩山首相はその手腕をまったく持ち合わせていないように見える」の部分でしょうか。この後には、こう続いています。
鳩山首相が辞任するまでは、数十年かけて築き上げられたアジアの安定と繁栄はジャパン・ディッシングによって脅かされ、既に多くの紛争に見舞われている世界にさらなる不透明さと緊張をもたらすことになりかねない。
「NEWSWEEK」と「THE WALL STREET JOURNAL」が、4月22日に同時にコラムを出したのに続いて、次はフォーブス(Forbes)でしょうか。もうぼろぼろですね。
「モートンの熊の手(Morton's fork)」が文章に出てきた時点で、本当に救いようのない事だと、ここまでは思わなかったのですが、英語圏での言い回しとしては最上級に悪いことへの比喩のようです。
鳩山さん、そろそろThat's enough!と言うべきじゃないでしょうか。
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