2010-03-11

〆秋刀魚の五目散らし寿司 冷凍秋刀魚の活用:書き手の意識の考察

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 今時の秋刀魚というのはもちろん旬に取ったものの冷凍ですが、冷凍技術が進んだ今、魚は釣れたそばから船内冷凍するというので、ともすると鮮魚よりも新鮮だと言われています。
 売り場では、塩水に氷がたっぷり浮かんだ箱で並んでいることが多く、目が充血しているような秋刀魚です。解凍されている場合が殆どですが、半解凍の秋刀魚が、実は大変さばきやすいのです。それを手にいれるためには、開店直後に行くと良いです。冷凍秋刀魚はまだ半分凍ったようにしていますので、これを家に持ち帰ったら直ぐに卸します。たいへん切りやすく、内蔵も少し凍っていますので、身を汚すことなく綺麗に取り出すことができます。もちろん、魚屋さんに頼んで捌いてもらうこともよいと思います。 
 秋刀魚を卸して酢〆にしている間に具材を煮て、最後に寿司飯と一緒に混ぜ合わせます。

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 まず、秋刀魚の扱いですが、塩〆には、一尾に対して大さじ1ほどの割合の塩を使用するのが目安です。身が薄いので占める時間も短くて済みます。バットに塩を振って、秋刀魚の身を下にして並べ、上から同じくらいの塩を振ります。今回は二尾なので大さじ1ずつ上下に使用します。ラップを被せて、そのまま冷蔵庫で最低30分塩締めします。その後、カップ半分ほどの酢で塩を流しとり、ラップに包んで15分程冷蔵庫で味を落ち着かせます。この方法はあくまでも身が薄いからで、鯖などは、ひたひたの酢に浸けます。
 秋刀魚を〆ている間に、具を甘辛く煮ます。今日の具は、干瓢だけは水から煮て予め柔らかくなってから味付けしますので、別に煮ますが、人参と干し椎茸は、椎茸の煮汁で柔らかく煮てから味付けします。ここまで準備が整のうと同時に酢飯を仕上げるには、ご飯が炊ける時間を逆算して、具を煮始めるころとで良いと思います。また、子守など、手の離せないような場合は一旦ここで終わりにします。後半は、酢飯を作ってから具材を混ぜ合せ、絹さやえんどうと焼き海苔を散らして完成させます。

材料

  • 秋刀魚・・2尾
  • 塩・・大さじ2
  • 酢・・カップ1/2
  • お米・・3合
  • にんじん・・80g
  • 干瓢(かんぴょう)・・1m×2本(50g)
  • 干し椎茸・・大2個(40g)
  • インゲン・・10本
  • 焼き海苔・・適宜
  • シャリ酢・・65cc(寿司屋さんのレシピ☛

人参と椎茸の味付け調味料

  • 醤油・・大さじ1.5
  • 砂糖・・大さじ1.5
  • 味醂・・大さじ1.5
  • 椎茸の戻し汁・・カップ1/2

干瓢50gの割り出し調味料

  • 水・・200cc
  • ザラメ・・25g(なければ砂糖)
  • 濃口醤油・・35cc
  • たまり醤油・・13cc
  • 味醂・・18cc
  • 酒・・13cc

作り方

  1. 干し椎茸は200ccの水で一晩戻す。
  2. 秋刀魚の頭を落としたら内蔵を取り出し、腹の中をよく洗う。
  3. 背がわから包丁を平らにして切込み、中骨の上を包丁を当てたまま尻尾に向かって身を引く。
  4. 骨のついたもう片方も同じようにして三枚に卸す。
  5. 秋刀魚を二尾とも三枚に降ろしたら、塩大さじ1をまぶしたバットに身を下にして並べ、上からも大さじ1の塩を振って、最低30分冷蔵庫に置く。
  6. その間に、人参を8mm角のサイコロに切り、戻した椎茸を薄くスライスしたら味付け調味料で煮汁がなくなるまで煮る。
  7. 干瓢を20cm程に切って水煮10分浸けてもどし、水から煮始める。
  8. 親指の爪を立てて、芯まで火が通ったら味付け調味料を加えて煮切り、のまま自然に冷まして味をしみ込ませる。
  9. 容器に酢を用意し、5の秋刀魚を酢に通して塩を落し、ラップに包んで15分程味をなじませます。
  10. 絹さやえんどうは沸騰したお湯で、塩を入れて軽く色が変わるまで茹でたら広げて冷ます。
  11. ご飯を炊いてシャリ酢を回し、うちわで扇いで人肌に冷ます。
  12. 9の秋刀魚薄皮を頭部の方から剥がしてから1.5cm幅に切り、干瓢も同じように切る。
  13. 寿司飯に秋刀魚、人参、椎茸、干瓢を混ぜ合せ大皿に盛りつけたら、絹さやと細く切った焼き海苔を散らしてでき上がり♪

☆ ➠お弁当に

***
 昨日は、書籍作りに関して少し考えていました。書くという「姿勢」からそもそも問われていることなのだということから、この立ち所がはっきりしていないと、書く内容も決まらないのだということが見えて、少し掘り下げて考えてみました。
 ブログをどのような動機や意図で書こうと、それはその人の自由ですから、それこそどのような文体であろうと何を書こうと、書きたいように書くことでよいとは思います。が、どうもそうだとは言い切れません。書籍にしようと思い立った時点で、それは180度違う世界観を持っていないと書けないものだと気づいたのです。その瞬間、ブログの世界も同じで、読んでもらおうという意識があれば、読み手に何を届けたいかが問われるという図式です。勿論、そのようなことを意識しなくても、人は好みで読み物を決めるので、届けたいものと届けたい対象を意識しても必ずやそういう人に読んでもらえるかどうかは未知のことです。
 また、書き手の使命のようなものもあります。有名でもなんでもないと思っていても、社会の、大衆が動く時は何に反応するかわからない。そのときに、届けたいことがはっきりあるとないでは、思いがけない方向へと大衆を誘導してしまいかねないと思います。
 一例で、社会系を扱う30歳代(推定)女性(推定)アルファーブロガーが扱ったエントリーに大変重要な点を指摘していることで考えさせれました(参照)。これは、「就職難の今、起業をしましょう」的なノリで注目を集めている記事ですが、ここにすっかりのってしまった人の、ブックマークコメントがあまりにもストレートにこの記事に乗せられた感があるのです。そこで

こうした問題に一般解を求めてしまうと、過剰な国家への期待・信頼とか正義の暴徒とかになりかねないなと私は思う。ではどうするかといえば、一般解、つまり、社会はどうあるべき、どう変化するかという議論はさておき、個々人は自分のことを優先してやっていけばいいと思う。

こういう指摘をしたのだと思います。影響力のある人のブログというのは、取り上げる問題や、その問題を誰の問題にするのかまでにも及んで文責を問う姿勢が求められていると思います。
 つまり、書き手個人の責任の範囲の問題なのです。誰もこうしろああしろと言う人もいない中で、自分が書くものにどれ程の責任を持つか、または、持てるのかということが、どれほど意識の中にあるかとうレベルの話です。前にも書きましたが、ブログ論のような話です。
 書籍となると、もっとそれが絞られる訳です。しかも、わざわざお金を出して買ってもらえるような内容とは、どうあったらよいかというのも配慮にあります。また、売れる本とは、先の若手ブロガーのような手法を使えば売れそうな気もしますが、大人として果たしてそれでは如何なものかと、一提案者としての相応しさ、在り方のようなことが少し見えてきました。
 この件でもう一つ。読み手に誤解される点です。一提案者なのだと、こちらが意識しても、そう伝わらないと誤解を生んだり曲解されてしまうことです。
 再び先の例を借りますが、ブログの売りがおちゃらけだと自称している書き手でもあるので、その文章にあたっては時に的を得ているかのようであり、どこかで変なオチをつけています。それは、読み手であるこちらが文脈を外しても、それを問われないというルースな曖昧さが気楽さを呼ぶのか、読み深める必要を求められません。物事を茶化した書き物というのは、そういうことを前提に読まないと、下手をするとまともに誤解をしてしまいます。それに、このような注意を払うかどうかまで、書き手が読み手に求めることはできないのです。そこまで文責を負う、ということを問われているのだと思いました。
 取り上げていることが社会問題なら尚更のこと、慎重に扱うべきですが、料理に至っても同じです。ハードとソフトの部分があって、ハードというのは、「料理をするためのツール」としての役割を持つ内容部分です。ソフトというのは、読み手に届けるプレゼント的な「私の心」のような部分で、全体がもつイメージです。ハードの部分だけなら、私の料理でなくてもよいと言うか、代わりはいくらでもありますが、ソフトの部分は、これは私らしさの部分なので、ここをどう届けるかというのが最大の問題です。方法ではないのですが、届け方というのはあるなあと思います。それが読んでもらうために書くという最大の局所ではないかと思います。
 うーむ、難しいです。続きはまた。

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コメント

魚を半解凍状態で下ろすことには大いに賛成です。
仰る通り、何より扱い易いですよね。

でもお肉は、例えば鶏胸肉等ですと皮を分離させずにキレイに切れるのですが、肉類に限ってはどうもその断面の人工っぽさに今一つ頷けないのです。

投稿: ふ゛り | 2010-03-11 10:49

ぶりさん、肉類に限っては、何かこだわるものがあるのでしょうね。肉で思い出したのは、肉屋さんで肉を切り売りしてもらう時、「チルドになっていないと薄いスライスはできない」と断られます。大きなスライスサーにおいて、でっかい切り刃のついた大げさなものが前後に動いて肉を切りますが、生の肉だと刃が立たないそうです。スーパーの肉も同様だそうです。ですから、この世の中で生の肉は、精肉工業から届いた時だけのようです。
と、いう話があって、ぶりさんに違和感があっても、加工段階では避けられないということです。ご存知かは思いますが。

投稿: ゴッドマー | 2010-03-11 15:56

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