もやしと京揚げの味噌炒め:息子の羽はもう飛べるかな
今日は豪華に山盛りのもやしの炒め物です。いつも話しますが、もやしは、ひげ根と芽を取るという一手間を省いてはいけません。そして、この一手間がおもてなしの料理にもなるということを心してください。
味に格段の違いが出るのは勿論のこと、一本一本の作業を進めるそのこと事態が、心のこもることなのです。私は、もやし料理にこの作業は「込み」だと認識しています。炒め始めると3~4分でできてしまう料理ですが、ひげ根取りを含めると二袋で、速い人で30分ですから、このお料理は35分料理とみなすと良いです。
豆腐そのものが芯に少し残ったような揚げ方の京揚げを使うのは、大事なポイントです。具材の中で、唯一お揚げだけに調味料が染み込みます。当たり前ですが、もやしには味がつきにくいですし、木耳(きくらげ)も同様です。普通はここに、下味をつけた肉などを一緒に炒めることが多いですが、代わりに、油揚げに調味料の味を吸わせて、豆腐そのものの味も一緒に楽しもうというものです。 また、炒め物の中で、一番味の濃いインパクトをもつ具材としての役割にするためです。
案の定、味噌の味をしっかり吸って、もやしと木耳の食感にとても良い味付け役です。今回は信州味噌だけでしたが、桃屋のキムチの素や豆板醤などを加えてもとても合うと思います。
材料
- もやし・・1.5袋
- 生木耳(なまきくらげ)・・70g
- 京揚げ・・1枚
合わせ調味料
- 味噌・・大さじ1.5
- 酒・・大さじ1
作り方
- もやしのひげ根と芽をとる。
- 木耳と京揚げは3mmほどの幅で短冊に切る。
- 味噌と酒を合わせて、味噌は溶かしておく。
- ウー・ウェンパンに油大さじ1を温め、もやしに油を回しながら透き通るまで強火で炒める。
- 木耳と油揚げを加えて炒め合わせ、合わせ調味料を回しかけて手早く絡めて出来上がり♪
***
卒業式を終えた息子は、まだ日があるというのに、せっせと部屋の片付けに取り掛かっています。殊勝なことだと思っていましたら、兄のいるマンションに早く引っ越して、大学にバスケの練習にいきたいのだと話してきました。早く行くかどうかは兎も角、授業がなくなって週一回登校になってからこの一ヶ月間は、よくもまあこんなに眠れるものだというほど、寝てばかりいました。朝起きが苦手な息子が、これから毎日不規則な時間に対応して、授業に出られるのだろうかという親の心配をよそに、我関せずでした。その息子に、急にエンジンがかかったのです。 昨日のTwitterで、燕の飛来の話が出て思い出したのですが、我が家の玄関には殆ど毎年、燕が巣を作って、雛をかえしては巣立って行きます。その子育てからいつも感動をもらい、その燕が愛おしく、なんとも心を和ませ、癒してくれるのです。
「雛の巣立ちは親の巣絶ち」と、いつも私は思って見ています。
燕の雛の羽が生えそろい、巣も些か手狭になって来て、そろそろ飛ぶ練習が始まるかなと思う頃、親鳥はそれまでせっせと忙しく運んでいた生餌を運んでこなくなります。巣に寄り付かずに、巣の対面の電線にとまって巣の様子をずっと見守ります。これが、巣絶ちの始まりです。雛達は、お腹が空くからか、巣から出てきて、傍の止まり木に立ちます。ここからいきなり飛び出すのではなく、羽を広げたり、巣に戻って親鳥を待つかのように、しばらくおとなしくしたりと、出たり入ったりを繰り返します。空腹に耐えられなくなるのか、とうとう一羽ずつ1~2m飛び出しては戻りを繰り返し始めます。これが多分遠くへ飛ぶための練習です。そのうち、巣には一羽もいなくなります。それまで親鳥は、対面の電線に止まってずっと見守っているのです。
このシーンに遭遇すると、親ならきっと涙しますよ。親が子どもの成長を邪魔しない、という子育てを燕から知る瞬間です。いろいろな思いが重なるのですが、「子育ち」と言うのは、子どもの育ちを信じて、子どもに任せてゆくことだと思います。この匙加減が上手くバランスしているかどうかは、後にならないとわからないので、やり直しがききません。一瞬一瞬が、とても大切なのだと思います。
燕の親は見事にその子育てをやってのけるのです。飛ぶ力は子どもにちゃんとあるのを疑わない、凛とした姿勢が子どもを本気にさせ、やがて雛は飛んで自分で餌を探しにいくのです。それが生きて行くことです。
人間社会ではややこしいことがいろいろありますが、自分の食い扶持は、自分で何とかできる大人に育てることが子育てです。一生「食う」ことに困らない大人になる基礎を家庭で培うだけなのです。
このことを思い出し、これまでの自分を振り返ると、あまりよろしくなかったかなと反省しました。すっきり息子を送り出してやらなくてはと、心しました。
燕は、今年は来るかな。楽しみです。
蛇足:うちのハム君は、どうやら息子に連れて行かれるらしい。寂しくなるなぁ。
| 固定リンク
コメント
そう!!もやしもやし!!!
「もやしのひげとりやれる余裕はいつも持ちたい」
というのが気持ちがいつもあります。
しかし、実際のところ五分五分です。
しかししかし、その歴然とした味の差の前には
とらなかったときの後悔倍増ですよ・・・・・
私のおばあちゃんがすっごく料理うまくて、もやしの炒め煮なんて絶品で、どんぶりで食べられちゃうものでした。
ゴットマーさんに明言されたら、こりゃやらないという選択肢はなし、ですね。はは。
投稿: みみこ | 2010-03-10 15:34
みみこさん、じゃが芋の土を洗うのが当たり前というのと同じです。と、言ってもピンと来るとか来ないの問題ではなさそうですね。
やるのみ!がんがれやーっ。
投稿: ゴッドマー | 2010-03-10 15:45