2010-03-16

中華麺 つけ麺のタレ(豆鼓風味):「[書評]心理学で何がわかるか」に驚きとショック

 先日、つけ麺専用の麺という太めの生麺を買ってみたので、それに合うタレを考えていました。実は、生麺を買ってきてラーメンをつくるというのは、私にとっては珍しいことです。そもそもラーメンは好きですが、私自身がスープに拘って自作するよりも、街中に美味しいラーメンの店を行きつけにした方が何倍も楽で美味しいと思っています。
 ところが、つけ麺はタレが命ですから、好みのものを何種類でも作って楽しむ余地があるので、早速、一作目です。

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 ここは信州味噌のメッカですから、まず私が一番気に入っている半熟性の味噌で試してみました。と言っても、昨年の夏が過ぎて食べごろの時期に入っている味噌ですが、まだ少しカドが残っていて若い味噌という感じです。この味噌に、中華食材の「豆鼓」を加え、生姜と長葱のみじん切りを混ぜたので文字通り中華風なのですが、味噌の割合を考えると和風とも言えるお味です。
 実は、一昨日息子の住むマンションに立ち寄りついでに、この麺とタレを持参して試食してもらったのです。都内のラーメン店などにも行くようですし、若い子の感覚ではどうかと思ったので丁度よいタイミングでした。感想を聞くまでもなく、黙ってズルズルと食べているのをみれば、不味いとは思っていないのはわかります。麺は冷水で〆て、まず最初の一玉。お代わりに、茹で上げて笊に取ったままで2玉。合計3玉一気に食べてしまいました。ラーメンで三玉はキツイと思いますが、つけ麺ならそれくらい軽く食べてしまうのもなのですね。食べ終わって最後に残ったタレに、茹で汁を注いで啜ったのは、まるで蕎麦湯の頂き方さながらで、綺麗さっぱりなくなりました。好みで、ラー油を加えるとよいです。

材料

  • 油・・大さじ1/2
  • 長葱のみじん切り・・10cm
  • 生姜みじん切り・・大さじ1
  • 豆鼓・・大さじ1
  • 信州味噌・・80g
  • 酒・・大さじ2
  • 砂糖・・大さじ1
  • 鰹出汁・・150cc

作り方

  1. 豆鼓、長葱、生姜をそれぞれみじん切りにする。
  2. 材料の信州味噌以下を量りとる。
  3. 小鍋に油引き、1を弱火で炒める。
  4. 香りが立ってきたら2の調味料を加えて混ぜ合せ、火を止める。
  5. 食べる直前にきざんだ葱と4のタレを器にとって、茹でた麺をつけて食べる♪

***
 極東ブログの最新エントリー「[書評]心理学で何がわかるか(村上宣寛)」は、興味深く、なおかつ、ショックな内容です。この本を読むかどうかは別として、って、読んだらもっとよいとは思いますが、とりあえず抜粋部分だけでも考えさせられるものがあります。書評としては、

広義に育児として、知能や人格という関係で見るなら、本書のまとめは非常に明快になっている。簡単に言えば、育児の及ぼす効果はかなり小さい。

という、この一文だけでも、親である私自身にとっては、センセーショナルな内容です。育児の意味は、では一体何だというのでしょうか。育児で悩まない親は皆無と言ってよいほど、大なり小なりの問題を抱えているのが親というものです。それ、この本によれば、その悩みが無くなるとでもいうのでしょうか。
 育児が何故悩みになるのかと問うならば、理由は、理想を持って育てれば、その理想に近づく子どもに育つと信じているからです。でも、そうならない現実を知り、それを何とかできるのではないかと、更にその方法を模索するからです。自分の思う「理想」というあたりは、反面教師であったり、周囲との比較であったりと様々です。育児は、親の役目だと思うから信じて疑わないのであって、改めてそれは違うのではないかなどと問う必要がどこにあるのかと思います。ですから、この、抜粋部分についても、ここだけ自分に都合よく解釈してしまう危険性があると思ったほどでした。
以下は抜粋の部分です。

 一般に期待されているほど、育児態度の影響力は大きくない。むしろ、生地態度の影響はかなり限定的である。育児態度が非常に否定的で、虐待的であれば、子供の自尊心や社会性にはある程度、影響は与える。しかし、気質や性格に永続的な影響を与えることはない。
 子育ての研究は多数に上るが、共分散構造分析等で、因果関係を分析した研究は少ない。養育態度の背景には、社会経済的地位や両親の性格、子供との共通の遺伝子要素などの変量が隠れている。この変量を統制すると、育児態度の影響力は消えてしまうだろう。

 『子育ての大誤解』は、育児態度の影響力をゼロであると、センセーショナルな話題作りをした。主張はやや極端にしても、基本的には肯定せざるを得ない。ほとんどの研究は、子育てが非常に小さな影響しかないことを示している。

 自分の読解力を疑ってしまったほど嘘のような内容で、何度も読み返したのです。
 今までの子育ては、ほとんどが徒労であり無駄だったのかという思いと、しかも、小さな影響しかないとなると、悔やむ気持ちも出てきました。子どもと向き合ってきた中で、親子関係を悪くしたり、子どもの嫌われ役として耐えてきたこれまでは一体なんだったのかと思うと、愕然とするようなショックを覚えました。
 そして最後に、「この問題も社会的な文脈で考えなおすといろいろとやっかいな問題でもある。」というのも、親の在り方を根本から考え直す必要もでてくると思います。また、子どもの犯罪の低年齢化の原因とされている「親の育児」を問うことでは解決しない、ということになると、別の要因は何なのか、改めて問い直さなければならないということです。
 自分に引きつけて考えてみると、私から子どもに対しての「在り方」を取り除くと、確かに「愛」が残ると思います。子どもを叱ったり教え悟したりする私の行動を見つめると、親らしくあるため意外の理由は何もありませんが、このことが必要ないのだという結論になります。愛情で子どもを叱るという言葉自体が欺瞞であり、では愛情はと問うと、例えば泣く子どもを抱っこすることや、言葉のない赤ん坊が泣けばおっぱいかなと与えるなど、本能的なことに隠れているような気もします。
 そして、なんとなく浮き彫りになるのが、「育児とは何か」という問題です。以前ここにも書きましたが、親元から離す子育ての経験がある私は、密着した生活での親の子どもに対する重圧に懸念があります。難点だと思ったのは、基本的な生活習慣というのはあまり身につかず、逆にそのようなことに頓着しない子どもに育ったので、自分を責める部分もあります。とはいえ、これらも私が考えているような心配は無用なのかもしれません。
 問い掛けにいろいろと疑問が残るので、読んでみたいと思います。

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コメント

おぉ、これおもしろそうな本ですね。
買ってみます。

親は子を選んじゃいけないけど、子は親を選びます。子にとって親は選択肢のひとつです。
もちろん、親としての自分の行動は必要だと思ってしてるわけだけど、それが必要かどうかはこどもが決めるんじゃないかな、と思ってます。
子育てしてるのは親だけじゃないもんなぁ。
なんて、また生意気言いましたね。失礼しました。

投稿: みみこ | 2010-03-16 15:15

みみこさん、今朝、エントリーのご本人が、補足的にコメントしていますが、著者のいうような改革ともいうべき事業をもし淘汰するとしたら、歴史をごっそり替えなくてはなりませんから、大仕事になります。そこまでのことはしないまでも、でも、意識の中にきちんとあったら良いことと思います。
コメントのURLはこちらです。参考までに。
http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20100316/1268695959

投稿: ゴッドマー | 2010-03-16 15:38

ゴットマーさん、いつも丁寧にありがとうございます。
ゴットマーさんの社会面(って勝手にすいません)は、私にとって難易度が高い場合が多く、勉強不足を痛感するいい機会です。
子育てネタには、どうしても反応しちゃって、冷静さ欠きますね、申し訳ないです。

投稿: みみこ | 2010-03-16 17:18

みみこさん、基本的にはコメントに形はないので、エントリーに触発されて話したいことは何でもおっけーです。気楽にお茶のみ場所のように(普通はサローン)思ってリラックスしてもらいたいです。
忌憚なくどうぞ!

投稿: ゴッドマー | 2010-03-16 17:30

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