牛赤身スライスで豆腐入りふっくら和風ハンバーグ:私の春
今日は、木綿豆腐を肉の半分量加えた、ふっくらハンバーグのレシピです。
挽肉を使った料理では、ふっくら作るというのがテーマになります。苦労しないでそういうハンバーグを作るには、脂身の多い挽肉を使えば難なくできますが、寄る年波それはちょっと胃に負担で、高カロリーにもなります。そこで料理の工夫を強いられるのですが、脂身の少ない肉を使っていかにふっくらと仕上げるかです。もっとも、食感だけではなく、肉の旨味というのは、脂身が多少なりとも入っていた方がより美味しいのは自明です。その点を補うために、赤身のスライスを切って、荒挽き風の肉の食感を残したハンバーグにしました。肉の質感が直接的なので、挽肉よりも叩いた肉のほうが美味しいです。
ふっくらとした柔らかい食感にするという点で、今までは水分を沢山混ぜ込んでパン粉に吸わせ、つなぎに卵を加えるという、そういう作り方をしてきました(誰からも愛されるジューシーハンバーグ☛レシピ) 。これはこれでよいのですが、水を切った豆腐というのも手軽でよいです。肉の間に混ざった豆腐は、既に水分を含んでいますので、ふっくらとジューシーにできるのが良い点です。つなぎは卵を使います。
また、鶏の胸肉の皮を取り除いて挽いた挽肉でも、和風のミートーフ(鶏松風焼きレシピ☛) が簡単にできます。このレシピでは、玉葱を擂り卸して加えています。
材料
- 牛赤身スライス(もも)・・200g
- 木綿豆腐・・100g
- 玉葱のみじん切り・・120g
- 塩・・小さじ1/2
- 胡椒・・適宜
- 生卵・・1個
ソースの材料
- 鰹出汁・・100cc
- 濃口醤油・・大さじ1.5
- 酒・・大さじ1
- 塩・・少々
- 砂糖・・小さじ1
- 片栗粉・・小さじ1
作り方
- 木綿豆腐は手で大まかに千切り、笊に入れて手の平で押して水をきる。
- 玉葱をみじん切りにする。
- 肉をみじん切りにし、潰さないように練って1の豆腐を加えて、全体が白っぽくなるまで混ぜ合せる。
- 2の玉葱と塩、胡椒を混ぜ合わせ、最後に卵を加えなじませる。
- 3~4個に分けて平べったいハンバーグに成形し、中央を心持ちくぼませる。
- ソースの材料を小ボールで混ぜ合せる。
- フッ素加工のフライパンに油を引き、5のハンバーグを並べ、最初は強火で焼き色がつくまで焼く(こちらが表になる)。
- 裏返して火を弱め、中まで火を通す(中央がふっくら膨らんだらほぼ焼けている)。
- 合わせ調味料を加えてフライパンを揺すりながら2~3分煮込むようにして、ソースを絡めてでき上がり♪
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昨日は、気温こそ低かったのですが、日差しはシャープで小春日和といった陽気でした。この春の陽気につい誘われて、散策に歩いてきました。
腐葉土となった枯葉の下から、ちゃんと春を感じて伸びていたのは三つ葉の芽です。相変わらず、土手には蕗の薹が伸び、野萱草(のかんぞう)の葉の間には露が溜まって光っていました。水仙は、早くから蕾をつけ、花を咲かせるのを今かと待っているようです。
野萱草はユリの仲間で、ニッコウキスゲに似たオレンジ色の花をさかせますが、花の命が短く、めったにその姿に出会いません。それでも、咲き終わってから一年間、翌年再び咲くために準備してきたのかと思うと、何ともけなげな花です。
10cm程伸びた野萱草の新芽は、軽く茹でて酢味噌和えにすると、茎の甘さに驚きます。そして、根本の辺りはぬめりがあって、丁度越冬した小松菜の根本の部分のような食感です。これを頂くと、本当に春が来たのだと実感します。
野萱草について、その感動を文字にして伝えるのは本当に難しいものだと思いました。山里の、冬から春に移り変わる風景や足元の草花、冷たい空気に温かい日差し。これらを味わうことが野萱草そのものの味わいなのです。それらが全て一緒になるから野萱草が美味しいのだと、こうして文字にするのでは何か足りないのです。
伝え足りない思いを残したまま一年が過ぎ、また春を迎えると、同じことを思うのです。どうやら、これが私の春のようです。情けない思いなのですが、柔らかい野萱草の新芽に慰められ、いつの間にかそれも忘れてしまうのです。
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