切り身の甘塩鮭で五目寿司:朝青龍は強い男
今日は甘塩鮭の切り身を使って、五目寿司です。のっけから、鮭について最近思うことをちょっと。
そもそも、最近の切り身の鮭は、脂がすごいのです。手で触れただけでギトッとするのです。全てとは言いませんが、明らかにそれは消費者の嗜好なのでしょうね。バブル成長期から、脂が乗っている肉や魚が高級で美味しいみたいな風潮になって、グルメ番組でもかなりその波に乗っていました。と言うか乗せられたのか。脂の乗っている魚は確かに美味しいのですが、鮭の焼きほぐしや混ぜご飯、寿司などの料理ではご飯が脂に浮くようなことにもなり兼ねないのです。
実際、今回の鮭も腹側には脂がたっぷりですし、全体的に皮の内側は脂の層がしっかりあります。それでも切り身は手頃で、できれば食材としていろいろに活用したいという魅力があります。
脂が多い切り身の鮭でも、ちょっとしたひと手間をかければ上等の鮭の散らし寿司ができます。また、そうかと言って脂と一緒に水分が抜け過ぎるのも困りものですから、その辺を考慮して料理してみました。
実に簡単です。酒と味醂を鮭にまぶし、そのまま一緒にフライパンで弱火で蒸すだけです。甘口の切り身なので、塩抜きのことはあまり意識に入れなくてもよいので、これだけでもかなり脂が抜けます。また、表面には適度な甘みがつくので、一石二鳥です。蛇足ですが、塩辛い鮭の塩を抜く方法はこちら➠
五目寿司の作り方の全体の流れは、▶水で戻すような乾物は、それにかかる時間を考慮して早めに準備する。▶野菜を切って湯通し程度に下茹でし、下味をつける。野菜の具を冷ましている間に、▶鮭を酒蒸しする。▶ご飯を炊いて酢飯を作る。▶具と酢飯を全て混ぜ合せる。
これだけでも充分ですが、彩りということで絹さやエンドウや錦糸卵、焼き海苔などをのせるとよいです。私は、手製のガリと焼き海苔をのせ、他のおかずにほうれん草とキノコの炒め物、豆腐と青海苔のおすましにしました。
材料
- 鮭の五目寿司
- お米・・4合
- 甘塩鮭の切り身・・3枚(200g)
- 干し椎茸・・25g
- 人参・・80g
- 牛蒡・・1/2
- レンコン・・200g
- シャリ酢・・170g(レシピ☛)
- 焼き海苔、ガリ・・適宜
- ガリ・・適宜(レシピ☛)
鮭の下煮調味料
- 酒・・大さじ1
- 味醂・・大さじ1
具の調味料
鰹出汁・・100cc
椎茸の戻し汁・・100cc
淡口醤油・・大さじ2
味醂・・大さじ2
塩・・小さじ1/2
作り方
- ボールで椎茸を水で戻して置く。
- 鮭の切り身を鍋に並べ、下味調味料を加えて6~7分蒸して火を通し、皮と骨を取り除く。
- レンコン3cmの薄切り、牛蒡は3cmの笹がき、人参は3cmの短冊、戻し椎茸は薄いスライスに切り、たっぷりの沸騰したお湯に30秒入れて笊に取る。
- 米を洗って、炊き上げの準備をする。
- 鍋で具の調味料と2を一緒にを中火にかけ、煮汁がなくなるまで煮切ってそのまま冷まして味を染み込ませる。
- 炊きあがったご飯にシャリ酢を混ぜ合わせ荒熱が取れたら、1の鮭と4の具をサックリ混ぜ合わせる。
- 茶碗に盛り付け、焼き海苔とガリを添えてでき上がり♪
【お弁当に】薄焼き卵に片栗粉と味醂、塩を混ぜた薄焼き卵と海苔に包んで“茶巾寿司”
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朝青龍が引退を表明したというのを知ったのは夕方でした。先日、貴乃花親方が理事に当選した時にも書きましたが、私は、相撲自体には興味がなく、角界のこともよく知らないのですが、今回の事態を私なりにどう受け止めているかを書いておきたいと思います。
相撲界にとって今の朝青龍を失うのは痛手ではあると思います。長年低迷していると言われている相撲が唯一人気を得ているのは、彼が名実ともに強い横綱だからだと思います。
とは言え、これまでにも何度か苦境を乗り越えて、なんとか今に至っているという経緯があります。記憶に新しいのは、一昨年、故郷のモンゴルにかえってリフレッシュしてからのこの一年は、流石横綱と言われるような相撲をとってきています。その彼が、自らの失態で引退を決意するに至ったので、それに関しては特に何も言うことはありません。ただ、これから先の活躍をまだ期待できる相撲取りだっただけに、なんて馬鹿な事をしたものかと残念です。彼にとっては、惜しまれる面と、酷評されてもいたしかたない事だというのはそうそうだと思うので、それを受け止めて今後の人生の糧として生きて欲しいと願います。
彼のことはさておき、モンゴルという国と日本の関係が気になります。モンゴルから日本の相撲界に大勢の力士やその卵が沢山来日しています。モンゴルに限った事でもありませんが、皆、将来は白鴎や朝青龍を目指しているのでしょう。モンゴル相撲という歴史的格闘技を日常にしている国でもあるので、その点で日本の相撲にも無縁とも思いません。このままでは、日本の国技としての相撲にとってよいとも思えない引っ掛かりがあります。というか、モンゴルという国のために何も残さなくてよいのだろうかという疑問のような気持ちがわいてきます。
相撲界のフリーエージェントというのか、モンゴルは力士の卵を日本に輸出し、日本の相撲界のルールで相撲取りとして育ててデビューさせるという、それは、外国人に日本の精神構造になってもらうという作業をしているわけです。ここで日本人の精神構造を説明するのは難しいですが、例えば相撲界を機能集団とすると、そこで横綱は頂点です。この横綱という役割に相応しい在り方に徹してこそ横綱であり、評価されるというものです。個人の問題とは違うのです。ここを履き違えることなく、評価に値する役割をこなしてこそ、自己の確立なり地位の獲得であると思います。
朝青龍ができなかったのは、この集団でトップであるということは、どうあることかを教えられなかったからだと思います。学べないうちにあっという間に横綱という役が廻ってきてしまったのでしょう。それだけのことのように思います。 「横綱の品格」と、「人しての品格」は別ですが、彼は、人としての品格を落としてしまうほどの何かを抱えていたのではないかと思いました。精神面のどこかに無理があったのではないでしょうか。
相撲に疎い私が、モンゴルのことなら少し話せるのも、モンゴル力士の来日を期にNHKの特集番組などで知ったからです。ここにもモンゴル地方の料理を紹介したほどですし、調べたこともあります。モンゴル人と日本人は顔が似ているじゃないですか、モンゴルには妙な吸引力があるのか、魅力を感じます。今まであまり知らされなかったモンゴルが、相撲という共通項でかなり身近になったと思います。日本にとってこれは、国民に平等に齎された異国の文化という財産ではないかと思います。不思議なことに、他国の力士も多く来日していますが、モンゴルほどそういう興味を持たないのです。これって、私だけでしょうか。
個人的なレベルかもしれませんが、モンゴル人には懐かしい何かを感じます。その感覚的な事から人に何かを伝えるというのは、書くのも難しいと思っていますが、朝青龍は、日本の相撲社会という機能集団で、トップとしての役割を演ずることができなかっただけで、強い男であることには変りないのです。
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