凍み豆腐の揚げ出し:温泉料理教室編:ノーベル平和賞を胡錦濤さんに是非に!
今日の揚げ出汁凍み豆腐は、町内のお婆様から頂いたのがきっかけて教えてもらったレシピです。毎朝温泉風呂で会うこのお婆様から時々地元のお料理を教えてもらっていますが、実際の手作りを頂いたのは始めてでした。それがあまりに美味しかったので、速攻でその晩に作ったのです。
揚げだし豆腐と同じような要領で片栗粉をまぶして揚げるのですが、食感が高野豆腐とは思えないほど柔らかく、そうかと言って豆腐よりも崩れにくく、丁度良い食感も残っているのです。また、揚げた後に出汁醤油で軽く煮てあるので喉越しがよく、表面にその出汁が染み込んで口の中で広がる感じに何とも癒されるのです。こんなに優しい煮ものは始めてです。頂いた瞬間に、作り方を聞いた程でした。この揚げ出し豆腐のお裾分けを頂くきっかけになった話はまた面白いのですが、長くなるのでいつかの機会に。
で、私が愛してやまない凍み豆腐には幾つかのメーカーがあって、今まで一度も買ったことも作ったこともなかったタイプの凍み豆腐が、この揚げ出しの重要なポイントになるのです。
製造工程で欠けたり、厚みのバランスが悪かったりしたものを大袋に入れて、「お徳用」として地元だけに売っているタイプのがそれで、「ダイヤ豆腐」という名前です。よくよく聞いたのでこのように説明が書けますが、実は、このことを聞き出すのに非常に手間がかかりました。理由は、この土地の人達は、「凍み豆腐」とか「高野豆腐」とは呼ばないことを私が知らなかったからです。高野豆腐の製造会社名で「あさひ」と呼ぶので、「あさひを水に浸して・・・」と、こう話が始まるのです。推測ですが、田舎の古い街には、「屋号」(Wikipedia) というのが残っています。江戸時代の士農工商の名残で、武士以外が苗字を名乗ることは許されなかったという理由で、商売のやり取りの不便を解消するために始まったものです。ですから、昔からご商売をされているお宅などは未だに残っている呼び方です。逆にその方が通じるのです。おそらくお婆様達の世代では、前代から引き継いでいるその商売屋の呼び方か、屋号で呼ぶという習慣だけ今だに残っているのかもしれません。
「あさひ」が、その屋号で、会社名は旭松食品株式会社なのです。こちらの高野豆腐は肉厚なタイプで、本レシピで使用した高野豆腐です。水で戻せばよいそうで、いつも私が使っているのとは全く違うタイプです。2回ほど水を変えてよく戻したら、手の平に挟んで押し付けて水をしっかり絞ります。適当な大きさに切って、片栗粉を刷毛で軽くまぶしたら180度の油で揚げます。
水気がよく絞れていれば、油がはねることもなく、大変おとなしく揚げることができます。また、お豆腐の揚げ出しのように油が汚れませんし、片栗粉もほんの少しで充分です。
油を切ってしばらく休ませている間に、鍋で鰹出汁と分量の調味料を沸騰させ、揚げた凍み豆腐を並べて煮つけます。表面の片栗粉が透き通ったら皿に盛りつけます。残った煮汁でエノキ茸にさっと火を通して添えます。※調味料の分量は、私のオリジナルです。
材料
- 凍み豆腐・・120g
- 片栗粉・・大さじ1.5
- 鰹出汁・・300cc
- 淡口醤油・・大さじ2.5
- 味醂・・大さじ2
- 砂糖・・大さじ1
- 付け合せ:エノキ茸、茹でたブロッコリーの茎
作り方
- 高野豆腐をたっぷりの水で戻す。(約10分)
- 鰹出汁を取る。
- 1の高野豆腐の水分を残さないように、両手の平で挟んで絞り、適当な大きさに切り揃える。
- 刷毛で軽く片栗粉をまぶし、油の温度が上がったら少しずつ揚げて油を切る。
- 鍋に鰹出汁、醤油、味醂、砂糖を合わせ、煮立ったら4の高野豆腐を5~6分煮て皿に盛り付ける。
- 残った煮汁で、エノキ茸に火を通して一緒に添える。
【弁当に】
***
あまり調べてもいないことでどうしようかと迷っているうちに、とりあえず書いておこうと勇気を得たのは、極東ブログで取り上げている「胡錦濤国家主席にノーベル平和賞を」 に込められている平和への願いを感じたからです。
実は、昨夜中国の青島に住む友人から電話で、一週間だけ帰国していて、今日中国に戻るというので話してくれた情報も含め、これからの中国の問題を考えるに至ったのです。いえ、まだ差し掛かっただけですし、難しい問題だと承知しているのでどこまで追いかけて行かれるやらわからないのですが、少なくとも私も平和を望む一人として考えて行きたいことです。
友人の話はこうです。最近ずっと私のブログへのアクセスが鎖されていて、閲覧さえもできなくなっているというのです。それは、光栄なことです。一年以上前からコメントの書き込みも出なくなっているので、更に強化されたというわけです。「中国の検閲に引っかかるブログ」としての認定を受けたのですから、光栄なことです。
私にとっては、アクセスできない問題は仕方の無いことととして全く問題はないのですが、彼にしたら、中国で営む飲食店のメニューに私のブログのレシピが参考になっているので死活(?)問題だとか。このところずっと閲覧ができないのでなんとかして欲しいという相談でした。中国向けにミラーサイトでも作ればこの問題は解決するので、この件はこれでよいのですが、中国は何故私ごときのブログに白羽の矢を立てるか、この理由をわかっていないとまた同じことになります。
友人が言うには、「チベット」とか「参加」とか「ダライ・ラマ」などの言葉がアクセス禁止の網に引掛っかるというのです。確かに、昨年の11月にダライ・ラマさんが中国とインドの国境付近を訪問した時には、かなり深刻な問題が孕んでいるとしてここで言及しました。政治的なことに触れる重要な内容かそうでないかという判断はされず、単に中国が対象としている言葉が網にかかるだけのようです。ですから、「チベット地方の料理」と書くときには、例えば「知別都地方の料理」などいう当て字にすれば問題はないのかもしれません。あ、そういうことを話したいのではないです。脱線。
つまり私は、中国が国家権力として公然と人の権利を侵害するような行為をする国だという認識が、民主主義国家に生まれ育つ私の理解範囲を相当に超えるものだというギャップを感じました。インターネットというものは、中国では個人の利益に係わる権利として尊重されないんですね。私程度の浅知恵では説明のできるようなお国ではない、なにか厚い壁でもあるような国というのが中国です。ですから、極東ブログに今回書かれている、「ノーベル平和賞を中国の胡錦濤国家主席に」というニュースウイークの一提案には痛快感を覚えます。この賞を与えるということにどれだけの意味を持たせるかというのは、「平和」という二文字しか無いのですね。当たり前ですが、その事の重さを改めて思いました。
また、2008年のチベットでの暴動は、それまでの中国の直民地政策が間違った(失敗)ものだったということを世界に知らしめる出来事でもあったのです。ということから、ここで、ダライ・ラマではなく、胡錦濤が中国とチベットの平和の鍵を持つ人物だとすると、アメリカのオバマさんに続いてノーベル平和賞という声を聞いてもおかしくはない話です。オバマさんは、アフガン問題を平和に漕ぎ着けるための使命をノーベル平和賞受賞という形で頂いたわけです。ですから、私も胡錦濤さんに授与するというお話に賛成です。また、ダライ・ラマのこれまでの訪米や訪日の意味が、ここへきてじんわりと浸透してきたような、そういう役割を充分果たしてきた人物として私は高く評価しています。
日清戦争(1894年)で、日本が中国を破るまでは、アメリカから「眠れる獅子」と呼ばれて得体の知れない力を持つ国ではないかとされていましたが、その獅子が、日本という小国に敗れたのは大昔のことです。今の中国は、あれから分裂を繰り返してまとまりの無い国として映ってはいますが、その一つ一つは大きな力です。ノーベル平和賞がもたらすものは世界にとってはもちろんですが、中国が一つになるための大きな贈り物になることと願います。
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コメント
godmatherさん、お久振りです。
春節(旧正月)の休暇で帰国しました。
そして、twitterフォローありがとう御座います先ほど知って嬉しくて。
折角youtubeを見ることが出来、twitterの出来る環境に来たのにもかかわらずPCに触ることなく(笑) 約10日間、日本(の食)を満喫しました。
記事の中で青島のお友達がこちらのページを閲覧出来ないとのことでしたが、わたしの私の住む所はアクセス可能でした。(コメントはココログ全てに出来ません^^;)
いざとなったらマカオに歩いて行けば、規制で閲覧不可能なサイトも見ることが出来ます。お友達の地域も規制を掻い潜る手段がもっとあれば良いのですが‥。
明日の出国の前に、空輸する食材等を調達します。
華南の家へ 一足先に発ったオット曰く半袖の人も出てきたよ~とのこと。
私も戻ったら再びこちらのweblogを参考にお料理をたのしみたいと思います。
海外転勤生活も残すところあと2年。いろいろガンバルゾー^^
更新たのしみにしています。^^
投稿: aiai | 2010-02-21 14:14
aiaiさん、こんにちは。
10日間はさぞかし食や、買い物へと忙しく充実した日々でしたでしょうね。
昨日の友人との話しを終えて、aiaiさんや他の中国の読者さんのことも思い浮かべていました。カレの話しでは青島の当たりがひどく検閲が厳しいとのことでした。
近いうちにミラーサイトを立ち上げるつもりです。Yahooなら問題ないとは聞いていますが、私があまり好きではないので、少し考えてみます。
そーか、ニフは閲覧だけですか。
投稿: ゴッドマー | 2010-02-21 16:59