大根の炒め煮:部位別の料理法:行きたくなる病院とは
先週、岐阜から友人夫婦が一泊で遊びにやってきた時に頂いた太い大根は、どのような料理にしようかと考えていました。大きな大根ともなると、使い出があるので、部位の使い分けを考えるのが結構楽しいことです。え、使い分けってしないの?ああ、知らないのね、というやり取りを娘としたっけ、かな?覚えていないので、些細なことですが書いておくことにします。
大きく分けて首の部分と真ん中、先端と三通り部位に分け、料理によってここの使い分けをするとよいという話です。
特徴は、首の部分が青ければ青いほど地上に出て育った証拠で、そのせいもありますが、水分が少なくパサついているので大根おろしに向いています。または、出汁などを吸わせる料理や、炒め物にも良いです。
真ん中は、水分が多く、繊維も粗いので味のしみ込みがよく煮物に適しています。先端の部分は、目が詰まっていて水分も多く堅いので、小さく切って味噌汁の具などに向いています。
そして今日のレシピでは、首の青い部分と先端の部分だけで作りました。甘味がのっていて水分も少ないので、割と早くできる炒め煮です。油揚げと大根の相性はとてもよく、毎シーズンこの炒め煮は我が家の定番として、欲食卓に上がります。
炒め始めてから大根に油が回ると直ぐに水が出始めて、10分程で透き通ります。水が出切った頃合に、味付けの調味料を加えると直ぐに大根に染み渡ってしまいます。時々鍋をあおって大根に空気を当てると、水分の蒸発が早くなって艶も出てくるので、一層味が深まります。
今回使用した醤油は、岐阜大垣産の濃口醤油(木戸屋➠参照)ですが、このお醤油は何故か塩辛くて色は普通の感じなので、非常に少ない分量で済みました。それでいて風味がよく、以前使っていた揖斐産の醤油と共に美味しいお醤油です(残念ながらネット販売の商品ではないようです)。
材料
- 大根・・730g
- 油揚げ・・大1枚
- 鰹出汁・・100cc
- 酒・・大さじ3
- 濃口醤油・・大さじ2
- 鷹の爪・・2本
作り方
- 大根は3cmの輪切りにして皮を剥き、繊維に沿って8mm幅に切り、端を揃えて90度角度を変えて6~7mm幅の短冊切りにする。
- 薄揚げは、笊の上で熱湯を回しかけるか、小鍋にお湯をたぎらせて1分で茹でこぼし、冷めたら水気を切って短冊に切る。
- 厚手の鍋を中火にかけ、油を引いて大根が透き通るまで炒めたら、2の薄揚げ、鰹出汁、酒、醤油の順に加えて炒める。
- 煮汁が無くなるころ鷹の爪を加えて辛味をつけたら出来上がり♪
※ 鷹の爪は割って種を楊枝などで取り出してから使用する。
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一昨日から降ったりやんだりの雪で、市内の国道を車で走るにもやや注意が必要な状態でした。それでも病院の予約日だったので仕方なく、乳癌再検査に行きました。
一月の中旬に日帰りドックのチェックで引っ掛かったのは、マンモグラフィーというレントゲン撮影の検査です。この検査で乳房に影があって、良性か悪性かの判断をするために今度はエコーによる検査でした。実は、この検査は毎回引っ掛かりまくっています。その正体は、乳腺嚢胞(にゅうせんのうほう)と呼ばれる腫瘤で、中に水のようなものが溜まっているのだそうです。マンモグラフィーでは普通は映らないそうですが、うっすらと見える影の正体を暴くためにエコーで再検査してもらったのです。マンモグラフィーでは苦痛を伴なう痛みが走るので、最初からエコーで見てもらえば一度で済むのではないかと素人考えを提案したのですが、疑いがでればどの道両方の検査をするのだという説明を受けたので、しかたない、しぶしぶマンモグラフィーを受けたのでした。
一方、この病院が気に入っているので気持ちが軽く、行くのにあまり苦にならないとうい理由もあるのです。この病院に入れば誰でも感じるとおもいますが、至るところに癒しの配慮が施されていて、どの待合室からもそれぞれの中庭を眺めることができます。廊下のちょっとした空間には彫刻や絵が飾られていて、トイレには、何かしらの草花が花瓶に生けられていて、それも無造作ではなく、明らかにアレンジされています。花をさして置いてあるだけでも癒されるものなのに、花瓶の下に敷いてあるちょっとした敷物が、手作りだったり、花瓶の中にビー玉を入れて賑わいを添えてあったりするのは、その人の配慮を感じます。お仕事で事務的にやっているのではない、何か、そうですね、花を思ってか見る人にとってを思いながらか、トイレという空間を小さな花瓶で演出しているのだろうと想像できます。こんなことを思っている間、待ち時間をふっと忘れさせてくれるのが素敵だと思いませんか。私は、だから、用もないのにトイレに行くのが楽しみで、検査の都合であっちこっちに誘導されるのも実は好きです。ね、変な感じでしょう。
この病院にはいろいろなエピソードがあり、鎌田實先生が東京から赴任してきてからの話がまた泣かせます。最近はよくテレビに出演されているそうですが、有名人らしくない腰の低い方で、病院内ではよくお年寄りと歓談している姿を見かけます。
次男がスキーで骨折した時に、スキー場に一番近い病院だったという理由からこの病院に入院したのがきっかけで、看護師さんも感じのよい方ばかりです。後で聞いた話ですが、この病院に就職を希望される方は大変多く、特に看護学校に入るのは難関で、競争率が全国一だとか。洗練された感じのフタッフばかりです。
私が気に入っているもう一つは、院内の図書館です。外科系診察室が個別に20あって、廊下を挟んで両側に10部屋ずつ並んでいる、歓楽街のような作りの奥にどーんと広々した空間が開けます。その一部のくぼみに設けられた場所が図書館です。図書館司書もいて、時々本の整理をしています。なかなか本格的に分類していて、読んでいる最中に呼ばれて診察を受けてから、またここへ戻ってきて読書をしてから帰るのは私ぐらいかな。読み途中の本を入れる籠に入れておくと、その本は読み手の唾がついているという意味のルール化してあります。いつでも安心して戻ってこられます。
昨日は、この図書コーナーの一席で物を書くご老人がいて、最初は気づかなかったのですが、診察を終えて戻って読書の続きをしようとしたら、ずっとこの方は同じことをしているのです。肩の力はぬけて、その様は書くことに手馴れたかんじがして、時々頭を上げて中庭の方をぼーっと眺めているかと思うと、はっとしたようにペン先に気が行くような、心に何かを思いながら、考え考え書いていました。名前は書けませんが、有名な作家です。東京で有名人に会っても何とも思わないのですが、この田舎のしかも限定された空間での遭遇は新鮮で、しばらくの間、この作家を観察してしまいました。
再検査でやれやれとどっこいっしょって感じで、普通ならさっさと帰宅してくるのでしょうけど、なんとも居心地のよい病院なので、つい長居をしてしまいます。病院というイメージも、院長の考え方ひとつでどのようにもなるという一例だと思います。
病院のお奨めコーナー化しちゃったようで、すみません。でも、もし、何かで治療や入院が必要になったら、迷わずこの病院にかかるつもりです。
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