真鯖と大根の味噌煮:大根の下茹でがポイント:心の彷徨い
久しぶりに魚屋さんに真鯖がお目見えでした。
今年は不漁の年にでも当たっているのか、真鯖は例年よりもかなり小型です。脂ののりもイマイチな感じですが、大根が畑で凍りながら鯖を待っていたヨというタイミングです。
鯖は大変足が短いので、魚屋さんで頭を落として内蔵を出す下処理をしてもらうか、そのまま持ち帰ったら直ぐに捌いてしまうとよいです。今日の鯖は、筒切りと言って、丸ごとぶつ切りにします。一般的には二枚下ろしで煮付けることが多いのですが、大根などと一緒に煮る場合、二枚下ろしだと面積を取られてしまいます。ですから、煮汁が行き渡る方法として筒切りにします。
捌き方は簡単で、頭を落として内蔵を引きぬき、腹の中を洗い流すだけです。大根も鯖も厚みを揃えて切ると見た目が整ってきれいですが、大根にとっては、切り口の面積が広い方がより味が染み込むので、切り口が揃ったシャープな切り方よりも、ゴツゴツと不揃いな方がよいです。乱切りするように大根に対して角度を付けて包丁を大根に半分位入れ、捻った勢いで切り離します。
この後、米のとぎ汁で沸騰するまで中火で加熱し、沸騰したら蓋をして火を止めて5~10分、余熱で大根に火を通します。大根全体が透き通ったら水で洗い流します。
煮魚のポイントは、煮崩れを起こさないように煮汁が沸騰してから鍋に並べるようにします。これは、魚の表面に沸騰した煮汁が当たることで表面のタンパク質が固まり、バリヤーになるからです。また、味を染み込ませるというよりは、表面にしっかりとした味付けをするように煮ますので、短時間料理です。
ありがちな失敗は、最初の煮汁の水の量が多いため、味がぼやけてしまうことです。もしも、そうなってしまったら、がっかりする事なかれ。魚を取り出して大根だけ最初に煮て、煮汁が煮詰まってから魚を戻します。
今回は煮汁は少ない方なので、やや強火でアルミホイルの落し蓋を使います。中央に小さな空気穴を開けると、魚が踊らず、また煮汁も魚の上部に適度に回ります。
信州味噌の香りとコクを是非にと思いますが、手に入らない場合は、八丁味噌と普段使っている味噌を混ぜるなどの工夫をするとよいです。
材料
- 真鯖・・35cm1尾
- 大根・・500g
- 生姜・・1片
- 酒・・カップ1/2
- 水・・カップ1/ 2
- 信州味噌・・大さじ3
- 味醂・・大さじ3
- 砂糖(隠し味)・・小さじ1
作り方
- 大根は皮を剥き、斜めに包丁を入れて捻って切り離したら米のとぎ汁で茹でる。
- 沸騰したら蓋をし、余熱で10分ほど火を通し、透き通ったら流水で洗い流す。
- 鯖の頭を胸びれから斜めに頭部へ中骨までまで切り込み、反対側の同じ場所から同じように切り込み、最後に中骨を切って、頭を切り離す。
- そのまま横に置いて、内蔵が出ている部分に包丁をひっかけてそのまま引き抜く。
- 流水で内蔵を洗い流し、2.5~3cm幅でぶつ切りにし、尻尾は切り捨てる。
- 2の大根と鰹出汁、生姜のスライスを一緒に煮始め、煮立ったら調味料を加え、さらに沸騰したら5の鯖を大根の間を埋めるように並べてアルミホイルで落し蓋をする。
- 中火で5~6分煮てでき上がり♪
【お弁当に】
***
物思いに沈む時、発狂したくなる時、大きな力が働いて一定の精神状態を保つのがよいなどと思いがち。
何かがぐらぐらして不安定な気持ちになると、冷たい風に当たりたくなったり、好きな音楽を聞きたくなる。ところが、その風や音楽は、癒してくれるどころか、もっと深みにはまるような寂しい孤独の空気になる。ああ、こういう時は何をやっても落ち着き場がないのだと思う。
戻ってくるところはわかっているのだし。
夢や希望を持つのは、獲得するために抱き続けたからなのだろうか。
昔、夢は叶えるものだと、ポジティブな姿勢と強さがあったころは、それが叶わないなどと疑いもしない真っ直ぐな心で向かっていく精神力もあったのかもしれない。その頃の夢や希望は、現実との距離が近いからではないかと思う。どこかでそのことを承知しているのではないかな。できることしか望まなかったズルさか。
心の中は、簡単に掴み取れないことばかり。
先日の「The Rose」という歌の影響で、じっくりこの曲を聞きながらこの詞のことを考えていた。
27歳という若さで亡くなった女性ロックシンガーのジャニス・ジョプリンをモデルにした歌で、彼女の生き様には凄まじさが潜んでいる。彼女の声は、苦しみの底から這い上がるようなうめきのようにも聞こえる。また、その印象からか、この「The Rose」という歌に込められている「愛」は、悲痛なマイナスの思いに、希望を持って生きることを教えようとしているようだ。
When the night has been too lonely
And the road has been too long
And you think that love is only
For the lucky and the strong
Just remember in the winter
Far beneath the bitter snows
Lies the seed that with the sun's love
In the spring becomes the rose夜が寂しくて
生きる道が遠く長く感じるとき、
愛は運の強い人にしか
やって来ないと諦めそうな時
思い出して
厳しい冬
雪の下で寒さに耐える種子は
春に太陽の恵みで
薔薇の花を咲かすことを「The Rose」抜粋(godmother訳詞)
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コメント
落ち込んだ時は、しがらみも何も無かった頃に好きだった音楽を聴くと 今に執着してることから開放されるようで楽になります。
欲にはきりがなくて でも欲がないと進歩はないし・・
けど、そりゃあんた後退ヨ(ーー)っちゅ~欲もあり
自分への言い訳に惑わされることが多い。
もっとシンプルに考えないと!と余分を落とす勇気がなかなか出ない
詩ってとてもシンプルで究極でいいですねー
色んな風に想像できて 読む度に違ったりします
投稿: ちいこ | 2010-01-25 13:03
ちいこさん、「自分への言い訳に惑わされる」ということが分かっているのは、要は逃げ場を求めるのはもはや無意味だと分かっていることで、じゃあ、問題の根本は自分の何か?とそこを見て行くと、地獄かな。自己否定しかなくなるような気がするのですよ。だから泥をかぶって、抱えながらも否すことでズルさを容認するしかないのかもです。
投稿: ゴッドマー | 2010-01-25 16:00
ジャニスジョップリン、よく聴いてました。学生時代はあまり意味も考えずに、ただかっこよく思えて。その圧倒的なパワーに自分のいろんなおもいを重ねて、うおーっとなって聴いていたなぁ。
今はあまりゆっくり音楽聴く感じはないけど、また引っっぱりだしてみます、CD。
私はまだまだ若いのかな。選ばなかった道を後悔するより、今の道でベストつくして、今ここ、できることを精一杯やるぞ!と悩みながらも泣きながらも、そんな毎日であります。こどもも小さいし。
また来ます。
投稿: みみこ | 2010-01-25 17:39
みみこさん、「今ここ、できることを精一杯やるぞ!」は、正に私が通った道でもあるし、人はどのような道でも歩んでみて始めて知る世界から学ぶのだと思います。
意図しなくてもその行動から自分自身が見えてくることは、感慨もあります。
これからですよ。人生で「正念場」と思えるような時が、いまここと思える時が到来するのはね。私も今以上に生きてみないとこの先のことは語れませんし。
投稿: ゴッドマー | 2010-01-25 20:25