2009-12-16

スロークッカーで玄米粥を作るレシピ:吸水率から割り出す水分量:オバマさんを理解する鍵が憲法九条にあるのか

Pc140002

 アメリカ在住の小野さんから先日、ここのコメント欄で質問を頂いてから気づいたことですが、健康ブームでもあり玄米のお粥というとレシピを必要とされている向きもあるかと思いこのエントリーに至りました。 また、私にとっては、スロークッカーでお粥を作るのは日常化してしまっているせいか、レシピのエントリーとまで思わなかったというのもあって今頃になりました。
 では早速。
 玄米粥の難しさは、まず水加減だと思うのです。白粥なら出来上がりの柔らかさによって、加える水の分量で呼び方が違うので覚えやすいのですが、玄米は白米とは違います。参考までに文末に記しておきます。問題は玄米の扱いです。
 玄米の吸水率は、容積比で130%と言われています。そのうち2分以内で洗米すると仮定すると、10%が既に吸水され、残りの20%は炊飯前に吸水せせておくとふっくらとした玄米ご飯が炊けます。これで、白粥を作る条件とはまったく違うということになります。

玄米を1とした時の玄米粥の水分量は
1×1.3×白粥の比率(何倍粥か)=玄米粥の水分量

白粥の水の倍率
重湯        米1:水10上澄み、または漉す
3分粥(15倍粥)     米1:水15
5分粥(10倍粥)     米1:水10
7分粥(7倍粥)     米1:水7
全粥(別名5倍粥)     米1:水5 

 最近は炊飯器でも玄米炊き機能があるので、私の言っている意味は一目瞭然だと思います。例えば白米で3合玄米を炊くと、白米の3合の約1.3倍の嵩になるのです。
Pc140001 で、結論は、私はスロークッカーの容量一杯に作るようにしています。試行錯誤した結果ですが、5分粥より少し柔らかめの粥をスロークッカーの容量一杯に作って保存し、食べる時に好みの硬さに水を加えて調節するという方法で落ち着いています。
 手持ちのスロークッカーの容量を知り、最大でどれくらいできるのかまず調べてから上の公式の逆算をすると正確に出来上がりの硬さが求められます。

私の場合だと
1750÷1.3(玄米の吸水率)÷250cc(カップ1.5杯の玄米)≒5.4になります。
これが下記の分量の割り出しになるのです。  

Pc140005 もっと大きな容量の鍋をお持ちの小野さんの場合なら、どれくらいの回数で食べきるか、ストックする量を決めればよいと思います。それには、茶碗一杯分がどれくらいか計ってから、何食分作るのかを割り出せばよいと思います。

材料(5.4分粥)

  • 玄米・・250g(約カップ1.5)
  • 水・・1750g(cc)

作り方

  1. 玄米を洗って分量の水と一緒に内鍋に入れ蓋をして「弱」で8時間にセットします。炊きあがってからそのまま1時間ほど引き続き保温して置くと玄米がなめらかになります。(このタイプのスロークッカーはタイマー調理後「保温」機能に自動的に切り変ります。)

***
 オバマさんのノーベル平和賞受賞の際の演説の後、私は沖縄の基地移転問題を考えていました。そして、自分なりの「同盟」の受け止め方に触れて書いた直後、予想していた通り、極東ブログでご本人の試訳と朝日新聞と共同通信を並列させたエントリーが公開されました(オバマ米大統領ノーベル平和賞受賞演説抜粋➠参照)。もっとも、私は朝日の訳を既に読んでいて引っかかっていたことがあったのです。その引っかかりは、見事に払拭されたというのが今日これから書くことです。
 学術的観点など私のバックグランドにはないので、「戦争の公正性」を解く鍵などまったく何もないところから疑問が始まりました。オバマさんの演説の主旨は、聞き様によっては、今アメリカが行っている戦争の正当性を説いているのかとも思えました。それは、「戦争のないのが平和な社会」という固定観念から見た場合に起こる疑問です。この観方からオバマ演説の主旨は到底理解出来ないのだという理由が、極東ブログの説明でよくわかりました。
 日本人の大半は、この固定観念があるし、そもそも原爆を世界で始めて受けた国の痛手から、とりたてて核戦争に対するトラウマがあるのも当然です。しかしながら、権威あるノーベル平和賞であることと、その権威が認めるオバマ大統領の意味する「平和」なり「戦争の公正性」なりを知らずしては語れないでいた、というのは浅知恵の私のことです。
 個人的な戦争や平和の捉え方では語れない、なにか裏付けするに足る物がないと、オバマさんを理解するのは難しいと思っていました。
この演説の締めが「人権」を訴えるものであって、戦争をする人間の「正義性」ではないところが救いで、前半の戦争の正当性を問うだけに終わらなかった引っかりです。変な書き方ですね。オバマさんの人権に対する考え方はよいとして、そこから「戦争の公正性」が結びつきにくかったのです。以下に極東部グログで扱っている疑問点が正にその考え方の道筋だと思いました。本文から、まずその疑問点を以下のように抽出しました。

日本国憲法の平和主義とオバマ米大統領の平和思想➠極東ブログ 

・オバマ米大統領のノーベル平和賞授賞式演説だが、その主要テーマは何であろうか?
・この演説をオバマ米大統領の平和主義と呼んでよいだろうか?
・その前提となる平和主義とは何か?
・武力の放棄は平和主義の本質のなすものだろうか?
・同等の本質を持つ平和学との対比はどうなるのか?  

これらの疑問に対して国債軍事裁判などの背景から、戦争の「公正」を説明されています。ここから日本国憲法の成立に到るまでを

同時に、この公正性を受け入れたかたちで日本国憲法が成立した。日本国憲法は一見、平和主義と見られている。しかし、こうした背景を背負っていていることから、それは本当に平和主義なのだろうかと問い直せる部分がある。

ここまで読み進めて行くうちに、自分の戦争に対する認識ががらっと変わったのか、読み間違えているのかと何度も読み返した部分です。「戦争の公正性」ということを今まで問いもしなかった私の目から鱗でした。そして、

日本国憲法では、その成立時には、灰燼に帰した国土から二度と軍隊が持てるほど豊かな国家は生まれないと見られていたのではないだろうか。まだ逆コースも進んでいなかった頃だ。だから、日本国憲法前文は「公正なる戦争」によって守られることだけを述べており、それが9条につながっているとも読める。その解釈なら日本国憲法は平和主義というより、オバマ米大統領の「公正なる戦争」を支援する弱小国家の規定だとも言える。それが戦後日本では、平和主義として理解されてきたのかもしれない。 

と読み進めて行くと、日本国憲法に触れて

おそらく日本国憲法の平和主義は、人道主義の高い理想の実現で諸国間が強調して「悪」を排斥するとともに、その最終的な裏付けとしての軍事力に対して、"a clear mandate (明確な委任)"を持っているだろう。これは、9条との関係でいうなら、日本国国権の発動としての戦争は放棄されても、国家間の公正性に委託される軍事力の運用は否定されていないのではないか。
だとすれば、ここにおいてオバマ米大統領のノーベル平和賞授賞式演説が日本国憲法と同型であることの証明は終わる。

という結びで、はっとしたのが、オバマさんの訪日の際の日本人記者からの原爆に対す質問に対する彼の回答(戦争が齎す沈黙を埋めるものとは・オバマさんのインタビューより➠) や、鳩山首相不在で行われた演説で語られた、アメリカの日本と中国に対するスタンス(これだ!オバマさん初訪日での置き土産➠) は、オバマさんの平和に対する一貫性だと感じたのです。
 自分の持つ「平和」の概念を取り払って、オバマさんの平和思想を理解することは、アメリカと同盟を結ぼうとする日本にとって必須なのだと改めて思い知りました。
 日本は、他国の攻撃を防衛する意味で、憲法の許す範囲でアメリカと同盟を組んでいる。そのアメリカの今の大統領の戦争に対する思想はどういう思想なのか、ということにきちんとした見解と、共通理解がなされた上で沖縄問題は議論されているのでしょうか。いえ、結論がなかなか出せないでいる日本政府は、その議論はされていないのではないかと疑念を抱きます。

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コメント

メリークリスマス!

Godmotherさん、玄米粥の説明ありがとうございます。

玄米粥を食べたことがないので、楽しみです。
多分、たくさんのストックができることになるとおもいます。

出来た玄米粥の保存は、どのようにされていますか?
冷凍? 冷蔵? 
解凍はレンジですか?


投稿: 小野浩美 | 2009-12-26 00:58

小野さん、おはよう。

玄米粥の保存ですが、パイレックスの容器で冷蔵保存しています。
実際作ってみると納得されると思いますが、冷めると硬い硬いプリンのようになりますので、スプーンで適当に取り分けてから水を好みで足してレンジでチンか、量が多いときは小鍋で弱火で温めます。

もちろん冷凍もできますが、このレシピの分量だと7~8食分なので傷むというのは想定にありません。

玄米粥に梅干や昆布の佃煮、ゆかり、紫蘇の実などを散らすと美味しいです。あとオプションで蕎麦の実を香ばしく炒ったのも美味しいですよん♪

投稿: ゴッドマー | 2009-12-26 05:56


明けましておめでとうございます。

玄米粥、今セットしました。

でも、GodMotherさんの計算に質問があります。

1750÷1.3(玄米の吸水率)÷250cc(カップ1.5杯の玄米)≒5.4
ということですが、
もし5分の玄米では1.3*10倍の水の量なので、
水の量は
250ml*1.3*10=3250cc
さらにもっとやわらかいということは3250ccよりも水の量が多く
なるのではないでしょうか?

投稿: 小野浩美 | 2010-01-02 02:19


玄米粥、美味しくできたと思います。
玄米粥ははじめてです。
香ばしいですね。

Godmotherさんの水:玄米の比率に1.333倍が、私のSlowcookerの最小容量だったので、半分以上は冷凍することにしました。

いつか、紫蘇の実や蕎麦の実を試してみたいです。

投稿: 小野浩美 | 2010-01-03 03:11

小野さんの計算の通りです。五分粥にするということは、ここのレシピの約倍の水分量になる上、もっと柔らかくするということは単純に加える水が増えます。

ここで懸念されるのが、そんなに大量に作ってもストックに困るということなので、私は全粥を作って、食べるときに水を足して温め直します。それが、このレシピとなった経緯です。

***

なるほど、かなり大きな容量の鍋だということが分かりました。また、前記の確認の意味がわかりました。^^;<私のSlowcookerの最小容量だったので

投稿: ゴッドマー | 2010-01-03 08:48

上のやりかたで計算すると、下のようになりますが、7分粥よりも5分粥のほうが水の量が少なくなります。

7分粥
X ÷1.3÷200g=7
X = 7*1.3*200g
= 1820g(cc)

5分粥
2000÷1.3÷200g=5
X = 5*1.3*200g
= 1300g(cc)

あなたの説明では、これで良いかと思いますが、どこが間違ってるのでしょうか?

投稿: まーくん | 2019-07-27 21:37

まーくん様の七分粥の計算式2000÷1.3÷200gは=5ではないですね。等式になっていませんが。

投稿: ゴッドマー | 2019-07-31 09:51

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