ターサイ(搨菜)のための常夜鍋:ターサイって一般的じゃないのかも:「汝の隣人を愛せよ」
昨日買い物で、若いご夫婦がちょうど私の隣で相談をしながら買い物しているのに居合わせた時のことです。二人の会話の内容は、安価な野菜を探して、ちょうどターサイを買う買わないの相談中といった感じでした。食べ方(料理法)が分からないというのがネックになっていて、イマイチ気が進まないご亭主の様子に、買いたそうな奥さんが揺れているといった光景でした。その様子から明らかなのは、経済的観点の奥さんと奥さんの料理の腕前に対するご亭主の苦手意識のバトルといった風景。私の関心を引いたのは、平日の昼間に、まるで休日の光景で見るような買い物風景だったのが、もしかしたら仕事を今はしていないご主人なのかなとか想像を膨らませ、何でも安価なのにそれでも僅かな節約を試みている若い夫婦が微笑ましかったかな。
ターサイを知らないでは勿体ないことなので、釣られて私もターサイを買って、今日はターサための常夜鍋です。特に難しく考える内容はありません。ただ、ターサイは炒め物にすることが多いかもしれないので(参考レシピ☛)、ちょっと意外に思われるかもしれません。
耐寒性で、秋蒔き冬刈りの典型的な野菜で、寒さに耐えて育つせいで加熱すると甘みが増して美味しくなります。
生育中は、地面に貼り付くように丸く平らに開いています。売られている姿は、傘を閉じたような姿になっているので、ちょっとわかりにくいかもしれません。丸い濃い緑色の葉が長い葉柄(ようへい)の先についている形がお玉のように見えるので、杓子菜(しゃくしな)とも呼ばれています。寒さで縮こまったのかと思うほど、葉は縮れてこんもりと丸まっていることが多く、感触はカサカサしていますが、熱によってたいへん柔らかな食感になります。
鍋に適当量の水と昆布を浸しておき、一緒に大根もピーラーで皮剥きのように削いで浸しておきます。食べる前に加熱して大根が透き通ったら豚肉をしゃぶしゃぶの要領で頂ながら野菜を足します。
しゃぶしゃぶの食べ方は我が家では、最初に肉をしばらく頂いて、肉から出汁の出たところへ野菜を足して行くという感じです。タレは、自家製のポン酢で、酢と醤油に昆布を浸して冷蔵庫で保存しておきます。食べるときには、鍋から出汁を掬って銘々に好みで薄めて頂きます。いろいろに使い回しのできる万能調味料です。
材料
- ターサイ・・1株
- 大根・・400g
- 長葱・・1本
- 豆腐・・300g
- 豚バラ肉・・300g
- 出汁昆布・・10cm
- 酢昆布醤油・・適宜(レシピ☛)
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実は、ターサイの買い物にはちょっとおまけの話があります。
奥さんが私にターサイの料理法を聞いてきたのです。余程切実な問題だったのでしょうか、聞かれた時少し戸惑ったのですが、いくつかの料理法を知っている限り伝えると、安価なターサイを5~6個籠に入れてニコニコでした。
ターサイを知らないというのにも少し驚きでした。世代的には20代後半の感じですが、この年齢辺りから野菜の育ち方や背景に関しての知識が薄らぐのでしょうか。まあ、紙おむつの宣伝で、赤ちゃんの頃の尿は水色だと思い込んで、自分の赤ちゃんは病気じゃないかと心配するお母さんがいる世の中ですから、いちいち驚くことのレベルなのかもしれません。
戸惑ったというのは、ここ数年かな、買い物でまったく知らない人から相談されるようなことがとんとありませんでしたから、声を掛けられた時はちょっと意表をつかれた感じ。私は逆で、分からないことは何でも聞いて買い物をするタイプですが、それは大概お店の人に対してです。ところが、買い物客同士が相談しながら買うという光景は、海外ではよくあることです。目が合うだけでニッコリしたり、目配せしたり、頷いたり、時には会話も。 ちょっと脱線ですが、日本女性は、外国の男性と目が合うとニッコリするのを勘違いする人が少なくないのです。相手もそう悪い気分ではないのでしょうけど、いわゆる「ナンパ」じゃないのですよ。甘いマスクでじっと見つめられているのだと勘違いしないように。そう言えば、私の時代の男性は、気のある女性への表現が下手糞だと思います。ま、テレの裏返しなのでしょうけど。すごくよそよそしい態度だったり、明らかに無視したり。恋愛感情がない相手にたいしてでも、何かの意識が働くのでしょう。特に長野県の血を引く男性はと、特定して思い当たることがあります。そういう態度は、女にとっては辛いのですけど、そこまで女心を察知するような繊細さはなく、察知しても変に威張るのですよ。ケッて、思いますが。
ここで「汝の隣人を愛せよ」というキリストが遺したとされる意味深い言葉を思い出してしまった。「隣人」って誰のこと?って、私の小悪魔のことでしょ、括弧泣。そして、鳩山さんの言う「友愛」という言葉の重みを感じたところで思考も停止。
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コメント
しばらく失礼しておりました。
実は今日こちらの記事を拝見し、お外でターサイを食べてきました。
私の記事文中からこちらの記事にリンクを貼らせて頂きました。
それにしてもターサイ。
ほうれん草ほどヤワでなく、小松菜ほど腰が強くなく、チンゲンサイほど大柄ではなく、調理しやすく食べやすい野菜で、もっと知られても良いと思うのですが。
投稿: ふ゛り | 2009-12-17 21:38
ぶりさん、搨菜は使い易いです。根元を切って土を洗い流すだけ。チンゲン菜と同じような使い方でよいのですけど、あまり知られていない感じで残念です。
ここで紹介してよかったです。ぶりさんは、中華街で試食ができるので恵まれていますね。いつでも自作出来る手頃な野菜です。売ってる搨菜は丸くなっていないことが多いのでうっかり見逃しやすいです。普通は、傘を折り畳んだようになっています。
そうそう、バターで炒めてミルクにとろみをつけ、ブイヨンで味付けしたスープも美味しいですよ。ベーコンなんか入れたりして。
投稿: ゴッドマー | 2009-12-18 06:54