2009-11-03

大根の治部煮:蕪のお化けのような大根のお話(諏訪産):人が育つ土壌としての日本を展望して

 昨日は今年最初の雪が降りました。天気予報では「雪」という単語が目立って聞こえた朝の放送でしたが、まさかに諏訪で降るとは驚きです。そして、この寒空で、りんごの木には最後でしょうか、「ふじ」の実がぶら下がっています。市内にある諏訪藩主のお城(高島城)のお膝元のリンゴ園でも、今年は早く取り入れてしまうのかもしれません。
Photo  さて、今日の食材のお話は、この地方で取れる蕪のお化けのような大根のことです。これで治部煮を作ってみました。昨日に続き、大根そっくりの蕪や、蕪そっくりの大根に些か戸惑いますが、微妙な味の違いを煮物で味わうのは楽しいことです。
 この大根の特徴は、見た目は聖護院かぶらとそっくりで味も似ていますが、違うのは繊維の質感です。どうみても大根です。元々蕪も大根も似ているのですが、繊維が詰まっている割に火の通りが早いのが蕪なので、遺伝子的にはこの野菜は大根に系統しているのは明らかです。蕪と大根の見分け方で一番分かりやすいのは、大根の葉はぎざぎざの切り込みが入っていて、蕪は丸い形が特徴です。推測ですが、この大根は聖護院大根ではないかと思います。

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 料理法で気をつけることは、蕪は下茹でをしません。間違って下茹でしてしまうと、煮上がるころには崩れて形がなくなることがありますので、要注意です。
 反対に、大根の煮物で必ずやることは下茹でです。米のとぎ汁で茹でてからそのまま冷ますだけで、苦味のようなあくが抜け、尚且つ甘味を引き出して味がよく染み込みます。この下茹でのあとは、いとも簡単に味が染み込むので是非、一手間かけるとよいです。急場で米のとぎ汁がない場合がよくあります。この時は、生米を少量使って水から茹でます。

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 出汁と調味料で大根に味が染み込んだら、下味のついたもも肉に片栗粉をまぶして一緒に煮込みます。これで適度なとろみがついたら細葱を散らします。
 鶏肉の下ごしらえとして、是非ともやっておきたいのが湯通しです。一口大に切った鶏肉の、特に皮目の部分の余分な脂肪を落とす事と臭みを消すための目的で、表面の色が変わる程度に熱湯を回し掛けます。そのあと溜めた水に放って粗熱を取ったらキッチンペーパーで水分をよく吸い取ります。これで、鶏肉の臭みは大根と鰹出汁の香りを邪魔しません。以前はここまでのことはしませんでしたが、一度湯通しをして料理してみるとその違いに驚いたので、最近は、どんなに新鮮な鶏肉でもこの一手間を欠かさないようにしています。
 治部煮は毎年何らかの形でよく作る我が家の定番料理です。温かい大根が、とろみのついたスープで冷めにくくなりますので、これからの季節には嬉しい一品です。

材料

  • 鶏肉もも肉・・300g
  • 大根・・750g
  • 鰹出汁・・750cc
  • 酒・・50cc
  • 醤油・・50cc
  • 味醂・・大さじ2
  • 塩・・小さじ1/2
  • 片栗粉・・大さじ2

鶏の下味

  • 塩・・小さじ1/2
  • 酒・・大さじ1.5

作り方

  1. 大根の皮を剥いて、ついている茎や葉も使えるように切り取って洗う。
  2. 大根は銀杏切りにして、米のとぎ汁で中火で加熱し始め、沸騰後はやや火を弱くして2~3分茹でたら火を止め、余熱でゆっくり火を通す。(大根が透き通ればよい)
  3. 鶏肉の余分な脂を切り取り、平笊に並べて熱湯を回しかけたあと冷水に放って粗熱を取り、水気をよく吸い取る。
  4. 3の鶏肉に下味付けの調味料を絡め、片栗粉をまぶす。
  5. 鍋に鰹出汁と大根、茎を入れて加熱し、煮立ったら調味料を加え、大根に味が染みたら鶏肉を2~3個ずつ加えてゆっくり火を通す。
  6. 全治にとろみがついたら細葱を散らしてでき上がり♪

【他の地部煮のレシピ】
➠大根と鶏胸肉
➠聖護院大根と豚肩ローススライス

【お弁当に】

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➠はやと瓜の味噌漬け
➠魚肉ソーセージの旨い食べ方
➠他所とちょっと違う美味しいポテトサラダ

***
 今朝、オリンピックの槍投げの村上幸史選手のインタビュー番組「NHKホリデーインタビュー」を聞いていて、ちょっと感じたことを書いておくことにします。
 スポーツ選手としては地味な語り口に好感を持ったのです。槍投げというスポーツは日本ではマイナースポーツで、その人口も少なく、例えば重量挙げやハンマー投げなども同様に、高校界でこれらのスポーツを始めれば競争相手が少ないので、あえて言うと、国体などでも直ぐに上位に名前を挙げることができると言われています。ですから、国内で常にトップの地位を守れても世界ではかなり低迷し、その壁の厚さに断念してしまう選手も多いわけです。
 私もそこそこスポーツでは素質を認められたことがありますが、この道に進むのが途中で嫌になり、やめてしまいました。それは、競争というものが生み出す醜い人間同士のぶつかり合いと、その勝者の惨たらしさがたまらなく嫌だった、という話は前にも書きました。そういう背景から生まれた勝者というのは、勝てなくなると止めてしまうか、惨めになる前に華々しい時代で止めるかのどちらかだと思います。
 ところが、この村上選手は、そういう驕りもないのです。
 インタビューでは、見込まれた野球のピッチャーをやめて、高校から槍投げに転向し、その時から指導に当たった先生を慕って、今も尚、練習に励んでいるそうです。以来15年間、東京で個人的な練習を積んではその成果をチェックしてもらうために、故郷の恩師に練習を見てもらうそうです。
 すごく新鮮に聞こえたのは、この恩師が今頃になって村上選手の特徴を「指導したことを直ぐに体で表現する力が秀でている選手」だと言うのです。言葉少ない中に、長い時間を掛けてじっくり取り組んだからこそ出て来る言葉だと感じました。
 この先生もそうですが、村上選手が如何に指導者を慕っているかということと、小学校の頃に抱いた将来の夢を「世界」と言わせる環境が何か、これがすごく興味深かったです。
 スランプに陥った時には、故郷で釣りをしている時に新たなヒントをもらったのも、幼い頃に覚えた釣りの動作だったそうです。その釣り遊びをしていなかったら今はない。と言い切っていたのが印象的でした。
 秀でた素質を持ち、これを伸ばすということは、スポーツに限らず、学習面でもいえることがあります。人が育つ土壌として、日本がもっと若い人達を育てる国になることを願います。

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