この冬のお薦め鍋・タジン鍋(モロッコ)今日はトマトと牛肉ミートボールのために:「そもそも結婚は財産権の問題だし」って言われるとすっきり
タジン鍋と言えば、三角の尖った背の高い蓋を被せて調理するモロッコの鍋のことです。モロッコの乾燥した気候や水が大変貴重な土地柄から、伝統的に伝わる無水鍋料理で、日常的な料理だとも聞きます。
料理の原理は至って簡単で、日本の無水鍋料理と同じで、食材の持つ水分を弱火でゆっくり引き出し、その水分で蒸し煮料理をするのです。香りは、クミンシードやコリアンダーが代表的で、にんにくや玉葱、トマト、パプリカなどをふんだんに使いますが、味付けは塩だけということが多く、もっぱら素材本来の味をそのまま生かす料理だと言えます。
中国の扁炉(ピェンロー☛レシピ)も、殆ど白菜の水分だけで作る鍋です。あの鍋をご存知なら、白菜の水分と甘味がどれだけ味のメインになっているかは明白ですね。タジン鍋とは形に違いはありますが、日本の土鍋の穴をふさいで空焚きしないように注意すれば同等の料理ができると思います。幸いにして私はタジン鍋とそっくりな形で、しかも蒸気穴のない伊賀(三重県)の土鍋を持っていますので(参照☛)、この鍋を使って、今年はタジン鍋料理を考案する冬にしようかと考えています。
口開けの料理としてトマトと牛肉のタジンをまずは作ってみました。夏場の最盛期の完熟トマトを冷凍保存していますので、フレッシュトマトをメインにするような料理の時は蔵出しです。今回は600gのトマトを使用しました。
ここでちょっと、冷凍トマトの使いよさのお話を。室温で5分も置くと表面の薄い皮だけがとても綺麗に剥けます。冷凍でも、実は、シャーベット状なので包丁で切ることも簡単です。また、トマトウォーターを取る時は、小さく刻んで不織布などのフィルターを笊に敷いた上に移し、滴る果汁を取ります。
鍋に戻って、オリーブオイルとにんにく、クミンシードを鍋において蓋をし、極小さい火加減で加熱を始めます。とてもよい香りが漂い始めたら、ここに皮を剥いたトマトを並べて香辛料の半分を振りかけ、さらに加熱すると、画像のようにトマトがひたひた浮いたような感じになります(画像はクリックすると拡大します)。ここに刻んだ玉葱を混ぜて、香辛料の半分と塩を加えて練り混ぜた牛肉をボールにして並べます。牛肉の色が変わるまでゆっくり15分程煮込んでから味見をして塩で味を調えます。最後にとき卵を回しかけて八割方卵に火が通り、半熟状になったらでき上がりです。
冷凍のトマトを使用しているので、溶けて煮込み状態になるまでに時間が少し長くかかりますが、生のトマトの場合は、ミートボールも一緒に、最初から加えて煮込むことができます。
トマト果汁だけで煮込んだとは誰も信じませんが、その甘さと酸味の味をしめたら止められない料理であることは間違いありません。これは、タジンを代表する組み合わせかもしれません。
料理の時間は、全体で一時間くらいで、冷凍トマトでなければ20分は短縮できると思います。鍋に放り込むまではせいぜい15分です。
材料(3~4人分)
- 牛挽肉・・300g
- 冷凍トマト(缶詰でもよい)・・600g
- にんにく・・1片
- オリーブオイル・・大さじ2
- 玉葱・・半分(100g)
- クミンシード・・小さじ1
- カルダモン・・小さじ1/2
- メース(無ければナツメグ)・・小さじ1/2
- セージ・・小さじ1/4
- 卵・・3~4個
- 黒オリーブ・・5~6個
- 塩・・小さじ1/2
作り方
- 冷凍トマトは室温にしばらく置いて薄皮を剥がし、ヘタを取って4等分する。
- にんにくはみじん切りにする。
- オリーブオイルを鍋に入れ、一緒ににんにくとクミンシードの半分を散らして弱い火にかけ蓋をして香りが出るまで過熱する。
- 1のトマトを並べて蓋をし、トマトの果汁が出てくるまで蓋をして弱火で加熱する(約20分)。
- その間に、牛肉を袋に入れて残りのクミンシードと他の香辛料の半分、塩小さじ1/2(分量外)、玉葱のみじん切りを加えて袋ごとよく練る。
- トマトから十分果汁が出たら5の牛肉を少しずつ搾り出して一口大のミートボールにし、全体に並べ、残った香辛料を振りかけて蓋をして肉に火を通す(約15分)。
- 肉に火が通ったらとき卵を回しかけて蓋をし、八割方火を通してオリーブの実を加えてでき上がり♪
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昨日こちらのクリップ ➠朝日社説 婚外子差別―子どもの権利は平等だ
という記事に
これは人間の生得な権利というより、特定の国家における財産権の問題ではないかな。そもそも結婚は財産権の問題だし。
というコメントのこの表現に触れて、すっきり判断されていていることに爽快感を覚え、リンク先の社説に興味が湧きました。久しぶりにしっかり読んだというのも失礼ですが、政権関連記事の多い中でちょっと話題が違うので、なんとなく読んでみたくなったというのもあります。
法律で婚外子を差別することは、婚外子に対する偏見を助長する温床にもなってきた。そうした事態を救済し、平等を実現することも司法の大切な役割ではないのか。最高裁は時代の変化に応じて判例を変更することをためらうべきではない。
続けてのコメントに
朝日の執筆者の個人的な意見の開陳を社説でするのはどうかと思う。
ここが、何だ?!と立ち止まる部分です。というか、ここが読み方を学ぶ部分です。
「正義」を語る中に微妙に絡んでいるのが、執筆氏の「差別」という個人的な意見で、この個人的な見解を社説に織り込んでいる事が伝わってくる部分です。
私もここに、時々NHKのアナウンサーの表現に関して批判をします。ニュースという情報の性質と、NHKという国営放送的なスタンスでの発信ですから、個人的な意見には心すべきではないかと思います。大手新聞社(日本を代表するという意味においても)の社説というのは、国民全体を対象に客観的な視点で、社会の情報を説き知らせる使命があると思います。個人的な意見の開陳は、言わば職権乱用ですね。そこを履き違えた立ちどころで国民に訴えるというのは、ある意味レジスタンス運動を巻き起こす起爆剤となるような危険もあります。正義を盾に悪を打ちのめすみたいな。
書かれて配信されてしまったものに今更文句をつけても仕方がないので、批判は批判として。読み手の問題として残るのは、この記事で押さえるべき内容です。それが最初に書かれている
これは人間の生得な権利というより、特定の国家における財産権の問題ではないかな。そもそも結婚は財産権の問題だし。
の部分です。
しかし、結婚が財産権の問題だといわれると、円満な結婚生活で離婚することも無く、一生添い遂げて終わる場合は結果論として、財産云々はあまり問題にはならないと思います。でも、未定の予定として「離婚」を範疇においた上でやはり財産権というのは考えておくべきだと思います。
身近だと、年金問題が出た時、専業主婦のもらう権利云々で、実際の家事労働を算出した時の例がありますね。結構もらえるという話だったと思いますが。ぼーっとしてはいられませんよね。団塊世代が教えてくれた「熟年離婚」では、クローズアップされた問題でした。
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コメント
「味をしめたら止められない」とまで仰いますか。
しかし今週末は出勤なので、果たして手が回るか、、。
投稿: ふ゛り | 2009-11-11 22:28
ぶりさん、すっかり味をしめちゃって連続で今度は魚です。助宗鱈をつかましたが、つみれ系も良いような気がしました。
実は、このお料理は、ぶりさんのように忙しいながらも美味しいものを食べて、至福の境地を味わう満足を得ないといられない方のための料理のようなものです。スローライフを味わうのにあまり準備は要りませんし、ね♬
ほんの冒険心のつもりで、例えばお風呂に入っている間に土鍋に任せるとかの同時進行ってどうでしょう?ああ、でもきっと傍に張り付いて見守るタイプかもですね。
投稿: ゴッドマー | 2009-11-12 03:20