アドボ(adobo)のショートカット料理法:進路先の未決定な春を迎えることに
アドボは、フィリピンの代表的な料理で、骨付きの鶏肉を酢とパティス(漁醤) に、にんにくを利かせて煮込んだ料理です(レシピ☛)。大量の酢を使いますが、それがなんとも深い旨味があって、ご飯と一緒に頂くと止まらなくなる美味しさです。正式に作ってもそれほど時間のかかる料理でもないのですが、今回の方法はかなり短縮できる上、手羽元でスープも取れるという一石二鳥な方法です。ここをよくご覧になっている方なら、私がよくこの手の方法を使うのはお分かりかと思います。アドボーがメインなのか、スープがメインなのか分かりませんが、スープを取った残りの鶏肉だからといって、味が抜け切っている訳でもなく、簡単に身が外れるので、跡形も残らない骨を見ると「うまかった」と言っているようです。
作り方の手順は、2リットルの水に手羽元8本を中火で茹で始めます。沸騰直前で極小の火加減にし、沸騰させないように静かに40分茹でます。この程度の分量ならば、アク取りシートを被せておけば綺麗なスープが取れます。鶏肉を笊に上げて水気を飛ばしたらフライパンに油を塗り、鶏肉を転がしながら焼き色を付けます。鶏肉の表面に少し焼き色が付く位に焼いておくと味のしみ込みがよいのと、香ばしさがプラスされ、煮込むアドボーとは一味違った美味しさになります。
調味料が少し残った状態にするのか、焼き付けて肉の表面に濃い目の味を残すか好みに応じて適当なところで火を止めて完成です。
今回は、スープは作らずに取り置くことにしましたが、同時進行で、中華のトマトと卵を使ったガーダスープが私の一押しです(レシピ☛)。他に、フォー・ボー(レシピ☛)やワンタンスープ(レシピ☛)なども雰囲気があってよいかもしれません。
材料
- 手羽元・・500g
- にんにく(スライス)・・2片
- ナンプラー・・大さじ2
- 酢・・大さじ3
- アク取りシート・・1枚(無くてもよい)
- 水・・2リットル
作り方
- 鍋に水2リットルを用意し、手羽元を全て加えて中火にかける。
- 沸騰してきたらアクを掬い、アク取りシートを被せて小さい火加減で沸騰させずに40分茹でる。※、アク取りシートが無ければ手動で掬う。
- 手羽元を救い出して水気を切る。
- フライパンに油を塗り、3の手羽元とにんにくのスライスを転がしながら、焼き色が付くまで焼く。
- 分量の酢とナンプラーを加えて水分を飛ばしながら転がし、味をが付いたらでき上がり♪
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昨日は末の息子の大学の面接でした。やれやれ、あいつもこの春大学へ行くのか。なんだか大変幼稚な考えの息子で、下手をするとそれって中学生レベルか?と思うような言動をする息子なので、大学生のイメージが全く湧かないです。今の時期ですから御多分に漏れず学校推薦です。
息子は、高校で24時間バスケット生活に見切りをつけ、ぼちぼち、そこそこバスケットをしならが学習にも力を入れないと箸にも棒にも引っかからないで終わるという危機感もあったのか、二年の秋、つまり昨年の今頃でしたが転学したのです。家で勉強をしている姿はあまり見かけませんが、学習で結果を出すことができ、かなり難しいと言われる大学の工学部へ推薦してもらえるような運びとなりました。我が子としては突然変異としか思えないのですけどね。
さて、少し私の複雑な思いを書いておこうと思います。
まず、昨年のアメリカ、リーマンブラザーズの経営破綻(参照)は、世界中にいろいろな影響を及ぼし、日本経済もかなりしんどい思いをするに至っています。それが今、学生の進路先を大きく揺さぶる結果となり、就職する先の無い大学生や高校が多いのだと聞きます。当然ですよね。日本中から仕事が無くなってきているのですから。特に今年の就職活動は困難を期することは想定内のことだったとは言え、かなり厳しいものがあるようです。
親が学費を捻出できないため、就職に決めた息子の同級生は、一事業所に2~30人は最低数で、それ以上の就職希望者が殺到するため競争率も高く、いくつかの面接を受けたそうです。結局、ご縁に恵まれず、止むを得ず専門学校へ進むそうです。とは言え、経済的な理由は親が何とかするしかないわけです。この時点で、本人の意思というものが全く聞こえてこないのですが、今年の進路決定では多くの学生が自分の思いを胸に仕舞って苦労しているいるのかと思うと、こちらの胸まで痛みます。
昨日、極東ブログで取り上げていた「民主党による「農家への個別補償政策」はどうなるのか」(➠参照)を読んでいて、なんだか涙が出る思いでした。
実は、少し前にニュースで聞いた「農家への就職」も、生産的で、張り合いのある仕事ではないかと感心していましたから、農家の生まれではなくても農業に就くことも範疇に入ると感じていました。が、どうも今の政権ではそれも怪しい感じがします。農業に対する政策が見えてこない上、生産高に左右されずに収入を確保できるという保証もないわけで、天候に左右される作物との共存以上に難しさを呼んでいると感じます。
私が生きたこの人生で、これほどまでに生きることに不安を感じたことは、かつて無かったかに思います。不景気は長く続いていて、大概のことには驚かない私ですが、今の学生がこの事態をどう受け止めているのか、そして、その受け止めたことを今後の彼らの将来で、どのように語られるか、というところまで気になって仕方ないです。
就職や進学なりを決めて、春の門出を祝いたいというのは、節目ですから誰しもそう願うのは当たり前ですが、この当たり前が、突然そうでなくなるという経験をいくつも超えた先に、「よかった」と思えることが一つくらいあるのでしょうか。「望み」というものを持てる国にいつ立て直せるのか、そういう日が果たして訪れるのだろうか。
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コメント
「手羽元でスープも取れるという一石二鳥」というところに惹かれます。
要は簡単に作れる毛湯ですよね。
簡単といっても
「アドボーがメインなのか、スープがメインなのか」
と仰るくらいですから、美味しいのでしょう。
私はガラからスープをとったことが無いので、食べて飲めるこちらは良さそうです。
投稿: ふ゛り | 2009-11-09 22:56
ぶりさん、「手羽元でスープも取れるという一石二鳥」とは、これ、正にぶりさんのため!合理的な作り方だと思っています。100均でアク取りシートがあるそうですから、是非お買い求めてくださいね。さらにぐっと手間が省けますよ。
私は、今日のエントリーのフォーガーにこのスープは使いました。振り返ってみるといろいろスープは作ってきましたけど、私の作り方はガラスープを取ることが最初なのであまり苦にはなりませんが、取り掛かりは楽で、美味しかったらまた作ろうという流れがよろしいですよね。
“げんこつ揚げ”・・・、後でゆっくり行きます。(トラックバック機能を使われていないのですね。かなりーなフェイント、賜りました!)ミニ画像を記事で紹介しました。ぶりさんは初めてだと思いますが、プロフィールには言及しています。ご確認くださいませ<(_ _)>
投稿: ゴッドマー | 2009-11-10 06:49