ひじきと高野豆腐の煮物:「敬老の日」に思う
昨日はよい天気に恵まれました。朝から気持ちよく、家にこもっているのも何だと、ちょっと午前中出かけてきました。二つ先の町まで行ったのですが、途中あちらこちらの公民館らしき建物の前でお年寄りが雛壇で記念写真を撮ったり、紅白の垂れ幕などが目に飛び込み「敬老の日」のことを思い出しました。
ハッピーマンデーの(第3月曜)導入後、関係団体の反対にあったため、再度9月15日と定まったことを思い出しました。ですから、その一週間前から「老人週間」とう位置づけになったのでした。変な話、ハッピーマンデーになってから、小学生の頃から頭にインプットされていた筈の各記念日の記憶が薄らいでしまった感じがします。今は、月曜日がお休みの時は、何日が何の記念日だったかと確認する始末です。
私の両親の祖父母は皆既に他界していますが、祖母が口癖のように言っていたのが、「ひじきはこんがんとが上等かと」(ひじきはこういうのが上等なんですよ)と言いながら、太くて長目の長ひじきを戻して煮ていました。芽ひじきと言って短く細かいものよりも長ひじきの方が希少だとも言われています。
祖母のことを思い出したついでと言っては何ですが、今日はひじきと高野豆腐の煮物にしました。高野豆腐(こうやどうふ)が私の大好物だということは言わずもがな、冬の乾物の煮物や鍋物にはよく登場します。この地域が高野豆腐の産地であることも嬉しいことです。上等のひじきと上等の高野豆腐にうちの畑のにんじんです。
乾物の煮物の注意点は、調味料がよく染み込むように最初によく戻し、出汁で十分下煮をしてから調味します。こうすることで上品な味付けになります。 一つだけ注意することは、高野豆腐とひじきとにんじんの火の通り加減が違うことです。味のしみ込み方が全く違うので、この場合は高野豆腐ですが、一番最初に煮て十分やわらかくなってから次に火を通すものを加えていきます。また、にんじんなどの生ものは、煮物の途中でいきなり生から加えると、芯の部分は硬く残ったりします。ですから少量の水から茹で始め、沸騰したら直ぐに笊に上げておき、あとは余熱で火を通します。全体に熱が通り、くつくつ煮立って柔らかくなっているのを確認してから調味料を加えます。この頃には煮汁も少なくなっていますから、加える調味料が割りと少な目なのに気づくと思います。出汁で下味が付いているので、表面からの味付けを誘うような感じで味が入って行きます。小さく切ってあるにもかかわらず、全体ではしっかりとした味を感じることができると思います。
昔祖母が作っていたのには高野豆腐は入っていませんでしたが、それは九州では入手できるような品物ではなったということで、昔の流通が物語っています。祖母が亡くなったころは、すでに駅のKIOSKで福砂屋のカステラも手に入る時代ではありましたが、年に一度くらいわざわざ長崎の本店(参照☛)から「これが本物たい」と、送ってくれたものです。
美味しい高野豆腐の入ったひじきの煮物でも食べさせてあげたかったと、ちょっとしんみり思い出しました。
材料
- 高野豆腐(4cm×6cm)・・8枚
- 生ひじき・・70g
- にんじん・・50g
- 鰹出汁・・半カップ
- 高野豆腐の戻し汁・・半カップ
- 醤油・・大さじ2
- 酒・・大さじ2
- 砂糖・・小さじ1
作り方
- ひじきは、買ってきた袋の通りに戻す。高野豆腐も同様。※高野豆腐はひたひたに熱湯を加えて蓋をして十分蒸らして冷めるころまでがいい感じです。戻し汁も煮物に使用します。
- にんじんは少し太めの千切りにして、水に少量の塩を加えて下茹でする。
- 戻した高野豆腐は短い幅の辺から短冊に切り(4cm)、分量の戻し汁と出汁を加えて蓋をして十分柔らかくなるまで蒸し煮する(約7~8分)。
- 続けてにんじんを加えて煮立ったら時間差でひじきを加え、全体に熱が回るまで煮る。
- 砂糖、酒、醤油の順に煮たっては加えて味つけし、途中味見をして加減する。
- 煮汁が鍋底に少なくなるまで煮詰める♪
※ ここで直ぐに食べずに、せめて粗熱が取れるまで蓋をして一呼吸置くと味が馴染んで美味しくなります♪
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