合鴨もも肉コンフィのオレンジソース:時代の移り変わりと共に
明け方の気温もぐっと下がり、 ジョギングで通る道ではすっかり虫の声が聞こえなくなりました。しーんと静まり返った闇の中を走っていると、自分の足音が響いて、誰かに追いかけられているような怖さがあります。このまま明け方走っていて大丈夫なのかと少し不安になります。
さて、昨日お約束したとおり、端(はな)からオレンジソースで食べるのが目的で作った合鴨のコンフィですから(レシピ☛)、早速レシピの話を始めます。
もも肉の皮はカリッと色よく焼いて頂くというのがやはりおいしいですから、漬け込んだラードと一緒にゆっくり焼いて、オレンジ果汁と白ワインの爽やかなソースを作りかス。(コメントでいろいろと美味しさのヒントを頂くものですから、つい試してみたくなるのです。)
保存中のコンフィが今どんな常態かですが、ラードが冷め、白い塊の中に肉が埋もれています。その肉を取り出すとラードがところどころについてきますが、このラードで肉をゆっくり焼くので多くついていてもかまいません。そのままフライパンに皮目を下に並べて、弱中火にかけます。水分はあまりないので静かに焼けていきます。皮目に焼き色が付いたら裏返して中まで温まったら引き上げて油を切ります。ラードは脂っこいという印象があるかもしれませんが、肉に染み込んでいるという感じでもなく、割とさっぱり焼けているものだと感心しました。
残ったラードの底の方には肉から出た肉汁が溜まって、コラーゲンがゼリー状になっています。できればこの肉汁を取り出して、ソースに加えます。肉を引き上げたフライパンに残った油を払い、肉汁のゼリーと絞ったオレンジ果汁、白ワインを混ぜて半分くらいの量になるまで煮詰めます。ここに肉を戻して両面にソースを絡めたら皿に盛り、ソースの回しかけてでき上がりです。ソースには程ほどにとろみがついて肉に良く絡みますので、切り口などさっぱりとして美味しい合鴨のソテーになります。
材料(2~4人分)
- 合鴨ももコンフィ・・2枚
- オレンジ果汁・・60cc
- 白ワイン・・30cc
- 肉から出たゼラチン・・大さじ1
- 付け合せ野菜・・ほうれん草のソテー・トマト・スイートポテト(レシピ☛)
作り方
- 固まって白くなったラードの中から鴨のコンフィを取り出し、皮目を下にフライパンに並べ、弱中火にかける。
- オレンジを絞って果汁を取る。
- 付け合せの野菜を皿に用意する。
- 1の肉の皮目に焼き色が付いたら裏返してゆっくり中まで火を通して一度引き上げて油を切る。
- フライパンの油を払って白ワイン、1の底に溜まったゼラチン、オレンジ果汁を一緒に半分量くらいまで煮詰め、肉を戻し入れる。
- ソースを肉の両面に絡めたら肉を盛り付け、ソースを回しかけてでき上がり♪
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時代の移り変わりと共に
いろいろな思いが交錯して何を言いたいのかまとまらない状態ですが、こんな状態でも今書いておくことかなと思うので、記録程度に。
最近本が売れないという話から、先日、新聞で書籍の販売方法が変わってきているというのを知って、売れ残りの問題が大きくなっている状態なのだと知りました。「「委託販売」から「買い切り」へ 本の流通を変える様々な動き」では、今年の春の話で少し古い情報ですが、Amazonのネット販売について
かつて、「責任販売」を提唱したのは、日本書店組合連合会(現在は日本書店商業組合連合会)という書店の事業者団体だったが、はじめから業界全体の改革を目指した組合の運動は、出版社側の警戒感もあって、上手く実を結ばなかった。
しかし、アマゾンジャパンは国内のオンライン書店の中でもずば抜けた販売力を誇り、現在では日本の全書店の中でも最大級の売り上げ規模に達しているとみられている。しかも、普通の書店ではできない、インターネットを使った緻密なマーケティングが可能である。同社の提案を、無視できる出版社があるだろうか。まさに“黒船”の本領発揮である。
市場の欲求に応えて商品を供給していくという流れは、他の業界では当然のことであるが、プロダクトアウトの象徴のようであった出版業界も、いよいよ変わるのかもしれない。それが、読者にとって何を意味するのかは、まだわからない。
と、疑問符で終わっていますが、言われている「読者」自体の数も減ってきているのではないかと思います。書籍離れなのか。ご他聞に漏れず私もiPhoneを購入しようかと検討中、いろいろ調べるうちにわかったのが、さまざまなアプリケーションをインストールしてポケットに忍ばせておける、一番身近な書籍代わりにもなるわけじゃないですか。新聞も、月々の購読料が¥300程度で可能になるとか(参照☛)こんな時代にとうとうなってしまったのですね。
「こんな」時代だと言いのけてしまうほど、私などは古臭い歳になったわけです。その私の問題として、これら最新機器等ととどう付き合うかです。付き合わないことも視野に入れてではありますが、本は自分のそばに置いておくと落ち着くというような感覚の持ち主である私が、そばに置かないことに踏み切れるかと、極端ですが端的にわかりやすく言い換えるとそういうことです。新聞も取らない。CDも買わない。そして、その理由が「時代は変わる」ということです。
染み付いた習慣を手放すのが、なんとも淋しい限りです。だったらそのまま持っていてもよい筈ですがそうも思えないのです。私の場合、昭和の激変する時代の大半を成長の多感な時期に生きていますので、取り残されることへの不安と、「自分」を持ち続けていることの安心感が共存しています。できれば流れに乗って、その流れの中で自分をできるだけ楽しませるというように、あえて荒波に揉まれるかのごとく自分を虐めるのが「生きる」ことで、居心地も悪くはないというものです。ただ、そこに飛び込むことがよい選択であるのかどうなのか。これでも、この長野の地に踏み込んで、雑踏の中を何とか今までやってこれた、それだけでももうくたくたで、十分疲れているし、そろそろゆっくりしたいのですけど。
「今を受け入れる」と考えることが、こうもいろいろな事が交錯するとは。「読者にとって何を意味するのか」って、それは、キツイのと怖いのと、疲れる。
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コメント
コンフィ。
食べつけていないからか、手を出そうという頭がありませんでした。
油(脂)は温度で印象が大きく違って来ますから、私は怖がってお皿まで温めてしまうかも(笑。
何ですか、ゴッドマーさんはiPhoneでお悩みですか。
お悩みの一因は「モノ」に対する複雑な思いがあるような気がします。
私は20ン年パソコンを使いつつも
「読む」なら本:文庫本は最高のモバイルガジェットです
「聴く」ならレコード:扱いやすさと音質はCDより断然上
な人ですので、残念ながらご購入の背中押しの資格はありません(笑
投稿: ふ゛り | 2009-10-14 21:57
ぶりさん、とうとうコンフィ、作ってしまいました!こうなるともう病気です。しかも進行性ですね。
悩みの元は、物に対する価値観と「新時代の優れ物」への抵抗感だと思います。車ならオートマよりはマニュアルの方がmechanismを楽しめるということに価値を置くのですね。iphoneに限らずです。そう言いながらもかなり新しいものを取り入れてはいるのですが。
いつかまたこの世に出る時が来るかもしれないと思い、レコード、レコードプレイヤーもスピーカーと共にかっちり仕舞ってあるんですよ。実は2セット。息子達が見たら逆に欲しがるかもしれませんよね。
良い物を見極める目や心を持つことが宝かもしれませんね。それが時代を生きた証といいますか。よくわかりませんが、少し励まされたような気持ちです。ありがとう。
投稿: ゴッドマー | 2009-10-15 03:27
合鴨もも肉コンフィのオレンジソース
素晴らしいお料理 レシピ有り難うございます
とても参考に成り嬉しいです
投稿: ryuji_s1 | 2009-10-18 08:53