2009-10-01

茎若布(くきわかめ)と生姜の酢漬け・紫蘇の実の塩漬け入り:「もったいない文化」の象徴的和え物

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 先日のお弁当の画像を見た娘は、おかずに詰めた「茎わかめ」の存在に目ざとく気づいていました。というのも、この和え物というか浅漬けは、常備菜としてよく作り置いていて、彼女の高校時代のお弁当のおかずの中でも上位ランキングの大好物で、抱えて食べるほど好きなのです。市販のお惣菜(色は赤紫蘇色に染まっていますが)で食べたことがあるのか、それとそっくりに作るべく時間をかけて作ったのも、今回のとほぼ同じような感じの味付けです(レシピ☛)。
 今回のは杏の甘酢漬けの副産物として残る漬け汁とガリ(生姜の甘酢づけ)、そして、先日できたばかりの紫蘇の塩漬けをミックスしただけで作ってみました。結果はいうまでもなく、調味料で作ったものより断然美味しくできました。酢漬けで残った漬け汁の杏のほのかなフルーツの香りや、紫蘇の実の塩味はまろやかで、酢や塩といった原料を使用するのは大違いです。
 せっかくなのでレシピを掲げますが、一品ずつどれも手持ちにないでしょうから、市販であるものを混ぜ合わせる、というアイデアの一例として参考になればと思います。茎若布の漬物として常備菜の仲間に入れてください。また、自家製の漬物などは無駄が出ない上、副産物で思いがけない美味しいものが出来上がるという一例でもあります。地味ですが、家庭料理の最高の贅沢ではないかと私は思います。
 昭和の物のない時代は、言わば物を捨てない時代で、いろいろな知恵を絞って生活を成り立たせ、例えばこのようなものを作って過ごしてきた筈です。祖母や母の影響で、「もったいない文化」を多少引き継いでいる私も、このようなおかずができると、我が家に台所奉行ありきと自分を励ますことで、また一歩前進した気分になるのです。
 興味のある方は、ない材料を代用するなどして作ってみるというのはどうでしょうか。微妙なのは、混ぜ合わせる分量です。これは、自分の舌をたよりに勘で作るほかありません。
 メモ程度に今回の分量を書いておくことにします。

材料
茎若布蔵出し塩漬け・・300g
新ショウガの酢漬け(かり)・・50g(レシピ☛
紫蘇の実の塩漬け・・大さじ2(レシピ☛
杏の酢漬けの漬け汁・・カップ1/2(レシピ☛

作り方

  1. 茎わかめは流水で塩を洗い流し、たっぷりの水で30分塩抜きする(付属の説明書通り)。
  2. 1を3cmの長さに切りそろえて笊に移し、ボールに重ねて1リットルの熱湯をかけまわして全体を湯通しし、水気を切る。
  3. 太い千切りにしたガリと紫蘇の実の塩漬けを2と一緒にボールで混ぜ合わせ、杏の酢漬け汁で味を見ながら味付けする♪

※ 杏の酢漬け汁の水分は酢と杏から出た果汁がたっぷり混ざった液体で、腐敗することなく最低1年は冷暗所で保存できます。

P9300013 【お弁当のおかずに】

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