カナッペ風お寿司:器の概念を取り払うとこんなことに!
今日は、不揃いな食器の数や大きさに煩わされずに、誰もが適度にご飯をいただけるよう、器についての考え方と応用です。
些細な事ですが、お茶碗やお皿のセットというのは「5」がキーワードですね。お遣い物などでいただく事は最近はめっきり減りましたが、お皿や茶碗セットなどの数は、1・2・5です。何が言いたいのかというと、来客の時に、それもちょっとかしこまった時などは、お皿や茶碗が不揃いだとカジュアルな感じになってしまいます。思い切って全部ばらばらというのもお洒落ですが、そうなると単品がそれなりに個性的か、またはシンプルかなどのセンスがものを言います。人からの評価は、センスの良さを問われがちですが、見かけのことよりも、もてなすこちらの気持を大切にしたいです。ですが、欲を言えば相手にこちらのその気持ちが伝わって、心地よく食事をしてもらえれば尚更嬉しいというものです。
実際に準備をする段階になると、うーん、難しくなりますね。これだから来客の時は外食に決めている、という人も多いと思います。そこで、器に拘ることなく、かといって全く気を使わないと言うのでもないのが笹の葉や経木、竹の皮などです。これらの天然素材は、全て腐敗の元になる菌に強く、昔は肉屋さんでは経木を使いましたし、竹の皮ではおにぎりを包みました。隈笹(クマザサ)の葉は、新潟では草団子、秋田では笹巻き(粽=ちまき)を作って、ご飯を保存するのに使っています。 今回の笹の葉は、春先に大きな葉で有名な「隈笹(クマザサ)」を取ってきて熱湯で茹でてから乾燥させて保存したものです。この方法は、新潟の笹団子を家庭で作るときの方法で、知人から教えてもらいました。
寿司飯に刻んだ大根葉や蕪などを味噌でつけた浅漬けをちょっと載せてみただけなのですが、これを沢山作ってお出しすれば、好きなだけちょこちょこ食べてもらえます。笹の香りと一緒に人肌の寿司飯を頂く時は、山の香りそのものです。これだけでも会話が弾みます。
酢飯には「赤米」と呼ばれる古代米由来のお米を少し加えて炊き込み、シャリ酢を混ぜると画像のような鮮やかな色に変わります。あしらったお漬け物は、これはもう簡単で、二十日大根の酢漬け(レシピ☛)とガリ(レシピ☛)を蕪の間引き菜と根を細かく刻んだ漬け物を混ぜただけです。この蕪は、下処理をして苦味と青臭実を抜いています。方法は、細かく刻んで塩で揉み出し、青汁が出たら沸騰しているお湯に入れて軽く茹でて、少量の「漬物名人」で味噌漬けにします。30分ほど馴染ませたら直ぐに食べられます。酢飯に味噌味というのも合うものですよ。使った味噌は「漬物名人」という商品名で、信州JAで購入できます。500gの小袋入りが重宝します。
ご飯は「少しだけでいいです。」と言われても2~3口分だけ盛り付けるのは私はなんとなくできなくて軽めの普通によそいます。それでは相手が無理をして食べなくてはいけない破目にあうので、それもよくないと思います。内輪の会食なら兎も角、ここは少し気を使うところです。その点、笹の葉に2~3口分のお寿司を載せて、
食べたいだけ食べるもよし、食べないのもよしという関係がよいと思います。残ったら、食べ終わった笹をもう一枚重ねて包み、葉の端を丸め込んで蓋をすると乾燥から防げる上、腐敗も避けられます。笹の葉のシーズンになったら是非野山に出て、笹の葉散策に勤しんでみてはいかがでしょう。
材料(15個分)
乾燥笹・・15枚
米・・2.5合
赤米・・大さじ1
シャリ酢・・105cc(レシピ☛)
蕪の間引き菜・・4~5本(蕪のなら葉付きで1個)
ガリ・・5~6枚
二十日大根の酢漬け・・15g(数枚)
漬物名人・・大さじ1
作り方
- 笹は洗ってひたひたの水から中火で煮て戻し、水気をふき取る。
- 蕪と葉を小さく刻み、塩大さじ1(分量外)で青汁が出るまでも見込んで絞る。
- 鍋に1リットルほどのお湯を沸かし2を軽く茹でて笊に上げ、流水に当てて色目を残す。
- 3をよく絞って「漬物名人」を混ぜ合わせ、最低30分は馴染ませる。
- 4の蕪に刻んだガリと二十日大根の酢漬けを混ぜ合わせる。
- ご飯を炊いてシャリ酢を混ぜ、人肌に冷めたら笹を丸めた中に詰め、5の漬物を載せて皿に盛り付ける♪
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