2009-10-08

手羽先の揚げないカリカリ焼きと同時にガーダスープ:一石二鳥料理:「年金問題対策」の前に

Chicken

 東京で暮らす我が子達が緊縮財政の折、こんなお料理だったらきっと喜んで食べるでしょうと絶対にお薦めな、一石二鳥の栄養満点な経済的料理だと思います。因みにこちらでは大好評でした。作り出したらあっという間に味付け段階に入りますので、材料は準備して整理しておくとよいです。
34368600 その前に、このレシピの生い立ちですが、中華料理では肉は生のまま料理することは珍しく、湯通ししたり油通ししてから料理をすると聞いています(プチ・シノワ社長談) 。私は掟破りもいいところで、その手間を省くことが多いですが、今回の料理は、油の多い手羽先からまず余分な油を出し、ついでにスープを取る目的で、香味野菜と一緒に下茹でします。これは、以前にも紹介した手羽先のカリカリ揚げ(レシピ☛)と同様に、何故か下茹でした鶏の皮は、冷めてからそのまま素揚げするとカリカリになるのです。それと同じ原理ですが、今回は揚げずに、炒め物の時の普通の量の油でソテーしたのですが、結論から言うとはるかに肉が柔らかく水分はたっぷり残り、皮目も揚げたのと間違えるくらいカリカリになりました。そして、味付けも非常に簡単で、皮目に焼き色34372866がついたら調味料を加えて両面に絡める程度です。(画像の粒々は山椒の実です)
 この方法にしてみた動機は、私がはまっている「ポワレ(フライパンで焼く料理)」を繰り返しいろいろな食材で試してみた結果です。手羽先も普通に焼いたのではこういう結果にはなりません。中国版の焼き鳥ですね。まるっきり。それでも、肉の食感が新鮮だったからか、食べ始めてからしばらくは手羽先にかぶりついていました。下茹でが十分なため、骨からの身離れがよく、ほろほろと崩れる寸前といった感じのでき上がりです。
 作り方は難しくないのですが、扱いを丁寧にしないと長時間茹でたあとの鶏の皮はぬるっと直ぐに破けてしまいます。また、下茹でのお湯の状態も、ぐらぐらと激しく茹でてはいけません。あくまでもゆっくり、手羽先がゆらゆらと動く程度の静かな沸騰を保ちます。もう一点、下茹でした手羽先は、十分冷ますことです。茹で上がった状態を触ってみればわかりますが、皮が破けやすいので、冷まして余分な水分を蒸発させて、皮も締まった状態で揚げます。気をつけることはこれだけです。

Chicken2

 茹で上がった手羽先が無傷で仕上がるように丁寧に取り出し、冷ましたらあとは静かに焼くだけです。この焼く時も、箸を使って動かしたりしません。7~8分中火より弱めの火で焼いて、焼き色が付いたらここで味付けに入ります。たったのこれだけで美味しい焼き鳥が完成します。

Gada

Gada2  一方のガーダスープですが、鶏肉を焼いている間に下茹で後のスープをキッチンペーパーなどで漉して、澄んだスープにします。切っておいた完熟トマトをまず2~3分煮て、その間に小麦粉と水を混ぜ合わせてガーダの生地を作り、沸騰しているスープにぱらぱら落とします。浮かんで透き通ってきたら解き卵を箸の先から伝わして静かに流し込みます。最後に味付けをして葱と中国海苔を落としたら、これで二品完成です。なんとなく足りないのは青い野菜ですか。だったら、ブロッコリーなど茹でておきます。
 ガーダスープのレシピ➠

材料

  • 手羽先・・11本(2パック)
  • 水・・2リットル
  • にんにく・・2片
  • 長葱の青い部分・1本分
  • 生姜・・1片(スライス)
  • 中国山椒・・小さじ1
  • 胡椒・・適宜
  • シナモン・・少々
  • 酒・・大さじ3
  • 醤油・・大さじ2
  • 黒酢・・大さじ2

スープの材料

  • 1リットル(残った量)
  • トマト・・小3個(180g)
  • 解き卵・・3個
  • 小麦粉・・100g
  • 水・・40g
  • 細葱・・2~3本
  • 中国海苔(紫海苔)・・適宜
  • 灰汁取りシート・・1枚
  • 塩・胡椒・・適宜

作り方

  1. 手羽先は水で洗い流し、水気を拭き取る。
  2. 鍋に水2リットル、薬味の生姜、葱の青み、にんにく、1の手羽先を一緒に入れて中火にかける。
  3. 沸騰したら灰汁取りシートを被せて小さく沸騰する状態を保つ火加減にし、40分程そのまま煮込む。
  4. 灰汁取りシートを取り除いて手羽先に傷をつけないように静かに平笊に並べて冷ます。
  5. スープはクッキングシートなどを通して綺麗に漉す。
  6. 手羽先が冷めたら、テフロン製のフライパン(あれば)に油を引いて山椒の実と一緒に皮目を下にして中火で焼く。
  7. スープを火にかけ、トマトと解き卵、薬味葱を準備する。
  8. 6が焼き上がる前にシナモンパウダーを降り掛け、焼き色が付いたところへ分量の酒、醤油、黒酢を鍋肌からさしてフライパンを回しながら手羽先に絡め、裏返して同様にタレを回す。
  9. 皿に盛り付ける。
  10. スープが沸騰したら薄切りトマトを加え2~3分煮る。
  11. ボールの小麦に少量ずつ水を差しながらガーダの生地を作り、スープにぱらぱらと振り入れる。
  12. 塩と胡椒で味付けする。
  13. ガーダが浮いて透き通ってきたら解き卵を箸を伝わして回し入れ、卵がふわふわと浮いたら薬味葱と中国海苔を散らして注ぎ分ける♪

【ガーダスープ:娘作】

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***
 昨日「費用対効果に疑問の声も 年金問題対策費」という記事のクリップをTwitterで知ったのですが

社保庁のオンライン化の際の入力ミスなど、ずさんな管理が記録問題を招いたため、長妻厚労相は、原本である約8億5千万件の紙台帳とコンピューター記録の全件照合を重視する。

という方針に対して有識者の間では

 「記録問題をさらに掘り起こすよりも制度改革の議論を進めるべきだ」との声も出ている。

ということで、今後長妻さんが方針通りに進めるとすると、まずはその労力と巨額の費用の捻出、また、紙台帳の正確性に対する疑問部分が残るため、これは国民だって黙ってはいないことでしょう。
 私は、ここに「社会保険制度の廃止の提案」(➠参照)を書いたのを思い出していました。それは、現行の厚生年金を廃止して、民間が新たな「年金保険」のような任意加入型を扱い、国は増税して、健康面や働けない人の支援を死ぬまで保障する制度に改めたらどうか。と、いう些か極論で、実現性はどうかというものでもありますが、これは、膨大な事務処理や訂正作業を巨額の費用をかけても徒労に終わるのではないかと懸念するが故です。 
 で、昨日このことに触れた折、「自治体単位ですればいいと思います」という意見を聞いて少し考えてみました。
 自治体単位ということは、率直に言うと私達に一番近い「地方税」で賄うということだと思います。これでピンと来たのは、今問題になっているところの、費用の捻出でうだうだするのは、社会保障の財源を税金で賄おうとしていることが、本末転倒だということだと思います。確かに。国が国民一人一人を管理するという考え方自体が変なわけです。国は国のやるべき仕事、日本をどういう国にするのかという問題が一番で、言ってみれば、総理大臣に社会保険問題をどうするかなどと、国民が考えさせるのも如何なものかと思います。自分達が暮らすその土地で納めた税金で自分達の暮らしを賄うのが地方税であるべきで、そうなっていないから「国対私」の問題化するのではないか。税金の本義というものが外れてしまっているのが、日本が抱える問題の根本でしょうか。
 かすかな記憶を辿って調べてみたら、以前にも「地方税が本義」と言われていたようです(参照)。問題が目の前に来てからでは遅いにもかかわらず、考え及ばない自分だなと思いました。もう少し関心を寄せるべきでした。それというのも、少なくとも国政に参加する姿勢が変わるというものです。

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コメント

出ました、ガーダスープ。
しかも贅沢な鶏出汁ですね。
鶏も美味しそう。
ガーダスープはこの秋~冬のヒットになりそうです。
ご縁に感謝。

私は食べ終えた手羽先の骨を砕いて、もう一度スープにするかもしれません(笑。

投稿: ふ゛り | 2009-10-08 22:51

ぶりさん、このスープはとろみが程よく滑らかで、とても温まりますね。

ガーダスープを描いて夏場にしこたまトマトを冷凍しましたよ。遂にシーズン到来です。

残った骨でスープを取るのは私だけじゃなかったのかっ。海老のスープも作りますよ。そういえば海老油もありましたっけ。骨の髄とはこのことですね。

投稿: ゴッドマー | 2009-10-09 02:22

こんにちは。いつもお料理の勉強に拝見しております!
今回のレシピ、旦那さまにとっても好評で、お礼のコメントです。

私は手羽中で作り、鍋でゆがいてあくを揮発させた後、スロークッカーで煮込みました。
一度茹で鳥をフライパンで焼くのは、身崩れ(皮のくっつき)が心配でしたが、なんとかフライパンから取り出すことができ、良かったです。
メタボが気になる旦那様に安心して提供できます。

スープは冷蔵庫に保存していたら翌日見事にゲル化しておりました。コラーゲンたっぷりです(おそらく)
今回は鳥のスープでトムヤンクンもどきを作りましたが、次回はガーダスープにトライしてみたいと思います!

投稿: Lalique-ma | 2009-10-12 13:04

Lalique-maさん、お立ち寄りいただいてありがとうございます。また、ご主人に好評でご夫婦が共に喜ばれて、私も嬉しく思います。

メタボは不注意の日々の積み重ねの結果なので、提供する側が常に注意して、尚且つ美味しい食卓が実現できるとよろしいとは思いますが、理屈のように上手くいくものでもなく、常に作る側の課題ですね。共に勉強しながら健康的な食卓を目指しましょう。

スロークッカーはこのようなお料理にはすぐれものですよね。私も使用しようかどうしようか迷ったのですが、40分だったので普通に茹でました。そろそろスロークッカーの煮込み料理が活躍しますね。近頃は寒くなったのでキッチンがぽかぽかしますし、湯気も乾燥をふせぎますし・・・。

投稿: ゴッドマー | 2009-10-12 15:44

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