2009-09-15

秋刀魚(さんま)の塩焼き:鉄板で塩焼きの完成度を高める:美味しい焼き魚とは

 今年の秋刀魚の脂ののりといい大きさといい、申し分の無い美味しさです。既にかなりの頻度で今年は食べています。先日は大変大きな秋刀魚に恵まれ、多分2年ものではないかと想像します。元々秋刀魚の寿命は2年くらいだそうで、そうなると体長40cmにもなるそうです。
 ここでちょっと気になる問題があります。他の料理なら兎も角、塩焼きとなると体長38cmの秋刀魚を焼くには、グリルの長さは32cmなので、全長に対して足りないのです。それと、大きな秋刀魚を並べて3尾も同時に焼くと匂いがこもるせいか、秋刀魚に脂の回ったような匂いが若干付着します。この点を解消できる方法はないかといろいろ考えて、鉄板にオーブンシートを敷いて焼いてみました。結論からいいますと、かなりよいです。

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 魚を美味しく焼くための条件というのはいろいろありますので、これを機会に、ここで少し焼き魚に言及しておこうかと思います。
 何と言っても美味しい焼き方は、遠赤効果による炭火での「強火の遠火」でしょう。すでに七輪などを使わなくなった20年近く前に、わざわざ七輪で炭を起して、秋刀魚や椎茸を焼いて楽しんだものです。鰻屋さんの焼く姿を見たことがあるでしょう。団扇で盛んにあおぎながら焼いていますよね。あれは、煙が直接鰻に当たらないように煙を飛ばすための作業です。燻製でもない限り、煙は美味しさの劣化を促しますので、焼く時は禁物です。その点、レンジ台に付属しているグリルは優れ物だと思います。上火だと下部に水をはったトレーを置くか、遠赤効果のある小石を敷き詰めて焼くなどの方法で、魚から出た脂を受け止めるので煙が出ない仕組みです。もともとあの煙は、焼けた魚から脂が落ち、それが二次的に焼ける時の発煙です。私が使用しているのはガスではなく電気の熱源ですが、グリルは、ガスと同じ原理を採用しています。切り身の魚などは普段はよく焼けますが、サイズの問題だと思いますが、魚の脂がこもったような臭いがつくのが気になるのは、焼く量が多い時です。
 問題を絞ると、煙と臭いをこもらせないように焼くのが、魚を美味しく焼くポイントのようです。魚が小さければ適当なサイズのフライパンで、蓋をしないで焼く方法がよいと思いますが、フライパンも手持ちのサイズは30cmですから38cmの秋刀魚は、尻尾を切って中央で一尾焼くのが関の山です。

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 さーて、ここで思い出したのが、大昔に使っていた厚手の鉄板です。これは、ホットプレートが出回る前に、テーブルで焼肉などをするのに使っていたものです。捨てられずにしまっておいたのを再度引っ張り出してみたのです。これに直接秋刀魚を乗せて焼くような無謀はしません。使い捨てのオーブンシートの上で塩焼き秋刀魚の実験です。火元は円形ですから、四角い鉄板の周囲への熱の伝わり具合はどうかと思ったのですが、鉄板の厚みと広さを計算されているのでしょうか、真ん中に集中するでもなく、中火で周囲にも十分熱が伝わってきています。秋刀魚の中央にほどよい焼き色がついてから裏返すタイミングで、程よく全体も焼けていて、その証拠に、表になっていた方の秋刀魚の目が白くなって火が通っています。
 十分焼き色が付くと言うことは、裏返しても焦げ付かないというのが道理ですが、ここは安全を見て敷いたクッキングシートのありがたさです。焦げ付くこともなくきれいに焼き目がついています。ここで、裏返して全体に火が通ったら出来上がりです。

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 不思議なことに、煙は出ませんし、臭いもこもらないので大変美味しく焼けました。直に熱源が魚に当たると、水分と脂がでて身がぱさつくかと思いましたが、強めの中火をキープしたので満足な焼き上がりになりました。画像は、腹の部分を開いています。内臓が崩れずにそのままの形で残っているのは、秋刀魚がかなり新しいという証拠です。また、焼き時間も短く、最初の面が4~5分で裏面(盛り付ける時は表になる面)は3分ほどです。
 実際鉄板で焼いてみて、今までそこそこ美味しいと評価していた方法が、実はそうでもなかったということが分かるので、どうかな?思ったら、試しに取り掛かってみることだと思います。大きな秋刀魚を見つけたら、躊躇わずに鉄板焼きを試してみてはどうでしょう。まずはフライパンでもよいと思います。私は、今後魚の塩焼きは、鉄板方式にしようと思っています。

材料

  • 秋刀魚(大)・・3尾
  • かぼす
  • 大根おろし
  • 粗塩・・適宜
  • オーブンシート・・1枚
  • 鉄板

作り方

  1. 秋刀魚の両面に塩を振って10分ほど馴染ませる。
  2. 鉄板を火にかけ、十分予熱ができたらオーブンシートをのせ、の上に秋刀魚の表になる方を下にして最初に焼く。
  3. 焼き色が付いたら裏返して仲間で十分火を通す♪

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