鶏の紅糟の漬け揚げ:「浮き粉」のパワーに感激
中国産の紅糟が残り少なくなったので、横浜で中華食材の輸入販売(御用達のお店☛プチ・シノワ)をしている友人(いつの間にか)に久々に電話をしてみました。携帯の呼び出しが始まって電話に出てくれた時は正直ホッとしました。それだけ長く連絡を入れていないというのもそうですが、このご時勢で輸入品を扱う商社にとって、大変なのではないかと少し安否を気遣っていました。ぶっちゃけ、会社がつぶれていなくてよかったです。
ところが、今まで私が使っていた75gの紅糟の小袋入りを製造していた中国の会社はつぶれてしまったそうで、1kgの瓶入りしかないというのです。それは私の残り一生分はあるねと、冗談ふかして一度は電話を切ったのですが、考え直して注文しました。画像をご覧の通りです。ケッチャップよりは水っぽい感じで、以前のペースト状のほうがよかったな!しかたがありませんね。我慢して使うことにします。友人に分けてもよいので多い分には何とかなります(マニヤックな食材ですから、果たして欲しがる人がいるのか疑問ですが)。ただ、ここまで私が欲しがる理由は、調味料として大変魅力的なのです。紅糟に漬けると、肉や魚が大変美味しくなるので病み付きになります。
さて、今日はまるっきりマニヤックな材料を使ったから揚げになるのですが、とても美味しいので紹介します。その気になれば入手もできる食材なのでよろしかったらどうぞ。
まず、今回のから揚げでの一番の違いは、紅糟の味付けと衣に使用した「浮き粉」です。見た目は片栗粉にそっくりですが、もっとサラサラと軽い粉です。
浮き粉(うきこ)は、小麦粉の生地から麩の原料としても使われるグルテンを分離した残りの澱粉分をいう。グルテンを分離するには、こねた生地を水につけて洗い流すのだが、この水に浸かっている状態では沈粉(じんこ)という。主に明石焼きや和菓子、香港の透明な皮の海老餃子などの原料として使われている。
たこ焼きの生地に混ぜると生地が柔らかく、モチモチした食感になります。また、海老餃子の皮も浮き粉100%で作る本格的なものがあります(レシピ参照☛)
で、赤糟で下味をつけた鶏肉に浮き粉をまぶして揚げるだけのから揚げです。それだけなのですが、今まであれほど苦労したあの揚げた直ぐのカリカリした食感が、なんと、いとも簡単にできるじゃありませんかっ!これが驚きでした。プチ・シノワの社長の言った通りでした。それに、赤糟に漬け込んだ鶏肉は、酵母の働きで非常に柔らかく、ジューシーに仕上がるのです。風味はもろ味味噌のような香りがどこか遠くで感じられます。揚げたそばから塩と胡椒を好みで振りかけていただくのが最高です。時間がたってさめてもカリッとしているのには驚きました。浮き粉はそういう性質のようです。グルテンを含んでいないのは片栗粉と同じですが、片栗粉はあとで水分を含むとべっちゃりとします。化学的なことは分かりませんが、から揚げは、「浮き粉」で作るに限ります。
最近、コメントをいただくぶりさんは、中華の食通な方だとお見受けしますが、紅糟と浮き粉の事は、きっとご存知でしょうね。プチ・シノワの社長の話では、最近紅麹が中華料理店ではブームになってきているそうです。上海料理にかなり使うそうです。私はここで前から使っていますので、家庭料理の域でも日本の味噌と同じような感覚で家庭にあってもよい調味料だと思います。発酵食品としては、体にもよいわけですし、凄くお薦めです。
材料
- 鶏もも肉・・2枚(700g)
- 紅糟・・大さじ3
- 浮き粉・・大さじ3~4
- 塩・胡椒・・適宜
- 揚げ油
- 付け合せ野菜・・塩漬け豆腐とトマトのサラダ☛
作り方
- 鶏肉の余分な脂を取り除き、一口大に切って袋で紅糟を合えて最低半日(できれば1日)冷蔵庫で下味をつける。
- 揚げ油を180度に加熱しながら1の肉に浮き粉をまぶし、余分な粉を叩き落とす。
- 油の温度が適温になったら鍋の表面積の2/3ででを目安に2の肉を静かに投入する。
- 気泡が静まり、音がオクターブ高い音になったら引き上げて油を切る。
- 付け合せのサラダと一緒に盛り付ける♪
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コメント
ご指名で食通だなんてとんでもございません(笑。
ただ横浜中華街が近く、環境に恵まれているだけです。
浮き粉も紅糟も材料としては知ってはいますが、恥ずかしながら自分の手で使ったことはありません。
浮き粉は今年の冬は大根餅で使ってみようかなと思っています。
今日のお料理を拝見して、油淋鶏にしても美味しいだろうなと思いました。
投稿: ふ゛り | 2009-09-18 09:23
ぶりさん、私にしたらぶりさんのような方は食通ですよ。悪しからず!
でと、このお料理は別名「油淋鶏」ですって!ただ、タレがないだけですョ。赤糟の味噌風味にはタレもそれなりに黒酢など使った方がよろしいかもですね。私は、赤糟の香りを単独でと思ったので塩と胡椒にしたのですけど。よい案をいただきました。
大根餅のことはちと言わせていただくと、横濱中華街関帝廟通りの「愛龍號」のおばちゃんの手作りが最高に旨いということで、直伝のレシピがあります。美味しかったです!参考までに
http://godmothers.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_43b0.html
投稿: ゴッドマー | 2009-09-18 10:27
レシピは少し違いますが、油淋鶏を作ってみました。
タレは砂糖、醤油、酢、胡麻油、葱、生姜等を適宜。
揚げたてを柵切りにして、瞬間にタレを掛ければジュージュー言うのかと思いきや、油切れが良い揚がり加減だったからか、寂しき無音でした(笑。
おぉ、愛龍號ですか。
そちらのお話しは、紹介いただいたリンク先の大根餅を作りながらコメントさせていただきます。
投稿: ふ゛り | 2009-09-19 19:46
ぶりさん、あの、大変なアレルギーといいますか、病気が進行したかに思います。この手の中華料理は、食べ進めるとどつぼにはまるような、でも、快感です。
実は、昨夜私も油淋鶏を作ったので明日レシピをアップする算段です。お付き合いいただいて嬉しいやらですが、料理に関しては一種の病気かな。
愛龍號はやはりご存知ですよね。冬場の寒い日に、貴方が非常にラッキーなら、おばちゃんの作った大根餅を熱々にてありつけるかもですよ。
投稿: ゴッドマー | 2009-09-19 20:39