高野豆腐と野菜の半熟卵とじ
昨日は夏日のような暑さでしたよ。と言っても27度が私の家の外では最高気温でした。連休明けで道路はすいていて、また日常に戻っただけですが、嵐のあとの静けさというのはこういうことを言うのだと思うほど、騒がしい観光地の休みでした。
さて、今日は極普通な夜のための和風のおかずです。なんだか自分で作っておきながらですが、こういうおかずに癒されます。非常に簡単ですが、美味しい高野豆腐を十分柔らかく戻して、濃い目に取った鰹出汁で含め煮をして、予め下味を入れてから仕上げの味付けをします。 ご存知の通り、高野豆腐(凍み豆腐)というのは、豆腐を極寒の寒空に何日もさらして、凍らせては戻してを天日で行うことで豆腐の水分を無くし、最後はからからに乾燥させたものです。もっとも、機械の工程で出来上がるものも安価でありますが、高野豆腐の美味しさは、昔ながらの方法で作られた物の方がはるかに味わいがあります。豆腐自体が、高野豆腐作りの工程に耐えるような硬さのものが必要になるということです。つまり、誤魔化しの無い大豆の使用だとか(以下省略)です。
今回は、ほうれん草と木耳(キクラゲ)、鶏肉を加えていますのでまず、この組み合わせではどのような順番で火を入れて行くかということを最初に整理します。
その前に、この食材を選んだ理由ですが、まず高野豆腐の煮物を作りたいという発想から、夏蒔きの柔らかいほうれん草を旬の食材として取り入れたかったのと、鰹の出汁と喧嘩せずに旨味としての肉類を鶏肉に決め、そして、煮物には三品か五品で組みたいという理由から、煮崩れしないキクラゲ、とろみをつけた煮汁をすっかり包み込む溶き卵を絡める。と、こんな感じで決定した食材です。ですから、火の入り方煮炊きの時間差などはあとから「料理法」として組み立てます。
では、作り方です。①高野豆腐はボールで熱湯を注ぎいれて蓋をし、冷めるまでじっくり戻します。ヘタな高野豆腐は、この工程と同じようにすると溶けて崩れますのでご用心。(あくまでも、購入時の袋の説明通りがよろしいと思います。)②戻した高野豆腐は軽く絞って短冊に切り、戻し汁は鰹出汁と半々に混ぜて下煮します。③高野豆腐が十分柔らかくなってから鶏肉を加え、灰汁を掬って味付けします。④次にキクラゲとほうれん草を加えます。ほうれん草は予め下茹でしてありますので、キクラゲと同様にあまり煮込ず、煮汁が再沸騰し始めたらとろみをつけます。⑤ここで2~3分煮込んで片栗粉のとろみを十分効果的にして、最後に溶き卵を回しかけます。
このとき卵にちょっと拘るのですが、まず、ボールに卵を落としたら黄身を崩してから10回だけ菜箸で左右に攪拌します(かき回しても混ざらないので意味なーしっ、つこと)具材に「の」の字を書くように最初は白身だけを回しかけます。白身に八割方火が通ったら(2~3分後)黄身を同じように「の」の字を書くように流し入れ、火を止めて蓋をしてから余熱で黄身に火を通します。約1分~2分後、半熟になったら皿に移してでき上がりです。
ねっ、馬鹿みたいに拘って。これが極普通のおかずなんです。呆れるほど美味しいです。おわり。
材料
- 高野豆腐・・50g
- 鶏肉・・150g
- ほうれん草・・1/2束
- 乾燥キクラゲ・・10g
- 卵・・2個
- 鰹出汁・・150cc
作り方
- ボールで高野豆腐に熱湯1リットルを回しかけて蓋をし、十分柔らかくなるまで戻す。
- キクラゲはたっぷりの水に浸して戻す。
- ほうれん草は2%の塩を加えた沸騰したお湯で軽く色が変わる程度に下茹でして水に放って色よくする。(緑色の野菜の下茹で☛Hint&Skill)
- 鶏肉は小さく切る。
- 卵をボールに割り入れ、10回だけかき混ぜる。
- 高野豆腐を絞り、短冊に切る。戻し汁は捨てない。
- 鍋に出汁150ccと高野豆腐の戻し汁150cc、高野豆腐を一緒に中火で10分ほど煮る。
- 高野豆腐が十分柔らかくなったら、鶏肉を加え灰汁を掬ってから醤油、酒、味醂を加える。
- ほうれん草を5cmに切りそろえ、キクラゲも大きいものは小さく切ってから8に加え、軽く混ぜてから水溶き片栗粉を加えて2~3分煮込む。
- とろみが十分落ち着いてから溶き卵の白身だけ「の」の字に流し込み、卵に火が通ってから黄身を同じように流しいれる。
- 火を止めて蓋をして、黄身が半熟くらいになったら皿に移してでき上がり♪
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コメント
>卵をボールに割り入れ、10回だけ
もうこれだけで美味しいはず!と思います。
よく「ざっくりと軽く混ぜるだけ」と言いますが、意外と頑張ってしまうものですよねぇ(笑。
あえての白身と黄身の独立感が、食感に深みと旨味を与えてくれていような気がします。
投稿: ふ゛り | 2009-09-25 21:29
ぶりさん、卵のコシが命だと言われますけど、意外に知られていないことだったりしますよね。以前は出汁巻き卵とか好きじゃなかったのも、あの弾力のないせいだったかもしれません。
こっそり白状すると、この方法は昔、豚カツ屋さんのカウンター越しに作るのを見ていて盗んだ技なんですよ。今ではすっかり私の方法になっていますけど。
投稿: ゴッドマー | 2009-09-26 03:28