手打ち蕎麦:新蕎麦(北海道)に触れて
なんだかんだと蕎麦のレシピや話を結構書いていますね、私。昔からうどんは好きでしたが、蕎麦は自分で粉いじりをするようになってから次第に親しみが湧いてきたという感じです。蕎麦通ではなく、単なる蕎麦ファンです。信州というところは蕎麦のメッカでもありますから、製粉所や製麺業が多く、蕎麦やうどんを自分で打つようになってから、私はラッキーなところに住んでいるのだと自覚した所存です。
先日、市内の大手製粉会社の一角に設けてある小売店で、新蕎麦粉を見つけて参りました。本当は、地元産の蕎麦粉が目当てでしたが、あいにくもう少しかかるそうで、代わりに北海道産の新蕎麦粉を手に入れました。蕎麦通ではないと言いながら、やはり新しい蕎麦粉は、しっとりとして風味がよく、また大変甘いので食べたいです。間違わないでくださいね、私が甘いと表現しているのは砂糖甘さではありません。澱粉と唾液が混ざると糖分に分解されるので甘く感じて当然なのですが、それが口に含んだ時点で既に違いが顕著なのです。いろいろな品種にもよるのでしょうからここで言及するのもどうかとは思いますが、その新蕎麦が身近な場所で手に入るのですからありがたいです。
たまたま社長さんが対面にいらして、いろいろと詳しくお話をしてくださるのですが、あいにく、打ちやすく美味しいお蕎麦が食べたいだけだという私ですから、蕎麦打ちの技術的な話は、よくわかりませでした。ただ、白い一番粉が切れずに打てるのなら相当の上級者とみなしてよいとのことで、プロが打つ粉の一歩手前の粉を分けて頂きました。
この蕎麦粉は、実の中心部分の一番粉(更級粉=さらしなこ)ではなく中層部分の二番粉で少し茶色く、石臼挽きなので打ちやすい粉だそうです。更級粉を打てるのならこの粉なら失敗しませんとお墨付きを頂いたので、安心して準備しました。打ち方はいつも書いていますので、興味がありましたらどうぞ➠こちらへ。
ここの会社の粉の宣伝と言うわけではありませんが、表示部分に銘柄別に加水率というのがあります。これは、蕎麦を打つ時に加える水分の比率のことです。蕎麦が含んでいる元々の水分を一定に保つことができる装置で保存しているため、製造後の劣化が少なく、加工後の粉が含む水分量が一定だそうです。どの粉にも「適切な加水率」が表示されています。例えば、今回の粉でしたら十割(100%)の蕎麦粉で打つには、その45%の水を加えて捏ねるということです。聞くところによると、この表示ができる製粉会社は日本でも少ないそうですが、蕎麦打ちをする人間にとっては嬉しい目安ではあります。安全をみて、表示よりは少な目に加水して、あとは手水などで調節するとよいと思います。
蕎麦つゆは、八方出汁といって出汁が八割、醤油と味醂がそれぞれ1割ずつの割合で作ります。作りやすいし、覚えやすいのでこの割り合いは覚えておくと便利です。また、麺つゆの場合は、追い鰹といって、醤油と味醂を加えて煮立ったら一掴みの鰹節を加えて火を止め、鰹の香りと旨味を追加します。
つる菜とインゲン、椎茸のてんぷらと一緒に美味しいお蕎麦で満喫しました。が、個人的にはもっとコシの強い弾力のあるタイプが好みなので、次回は「白樺」という銘柄(だったと記憶していますが)を試してみたいと思います。
これって、うざい蕎麦通への道まっしぐらなのでしょうか。
材料
- 蕎麦粉(北海道産)・・400g
- ぬるま湯・・180cc
- 薬味・・適宜
八方出汁
- 鰹出汁・・400cc
- 濃い口醤油・・50cc
- 味醂・・50cc
- 鰹節・・一掴み
作り方
- 蕎麦粉をボールで量り、中央をくぼませてぬるま湯を注ぎながら菜箸で素早く混ぜる。
- 蕎麦粉がダマにならないように、全体がサラサラした状態なったら手の平で押して一塊にまとめる。
- 大きな塊になったら半分にして、ラップに包んで30分ほど休ませる。(場所などの都合で半分にする)
- 台に軽く打ち粉をして、片方の手の甲にもう片方の手のひらを乗せて生地を丸く広げていく。
- 20cmくらいの円になったら(あくまでもこの分量においてです)麺棒に端から巻きつけ、手のひらで軽く上から押しながら手前から向こうへ転がす。
- 5を2~3回繰り返したら角度を90度変えて広げ、手前から同じように巻きつけて転がす。
- 6と7の動作を二回ずつ繰り返す。
- 台の上にたっぷり打ち粉をして、最後に巻きつけた生地を10cmの幅で交互に往復しながら細長くたたみ、二つ折りにして短くする。(全体では50cm四方の生地)
- 包丁で端からできるだけ細く切る。
- 沸騰したお湯に半分ずつ投入し、2分ほど茹でたら笊に取り、冷水で冷ます。
- 最後に氷水で締める♪
高山製粉(株)➠
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